不動産トラブル弁護士ガイド

不動産トラブル専門の弁護士検索・法律相談ポータルサイト

任意売却の相談はどこにする? 相談先って、センターって?

更新日:2019年07月09日
任意売却の相談はどこにする? 相談先って、センターって?のアイキャッチ

やっと手に入れたマイホーム。でも様々な事情で、ローンの支払いが難しくなった場合に、「任意売却」という方法があるのをご存知でしょうか。任意売却とは、住宅ローン等の借入金が返済できなくなった場合に、それを売却しても住宅ローンが残ってしまう不動産を、借入金のある金融機関の合意を得て売却する方法です。競売にかけるよりも、売り手に有利になりやすい方法と言われています。
今回は任意売却について、その相談先や実例などをご紹介します。

1. 任意売却の相談先にはどんなところがあるのか

任意売却の相談先にはどんなところがあるのでしょうか。
考えられるのは、法人の相談センター、任意売却専門の業者、不動産会社、銀行、弁護士です。以下に詳しく見ていきましょう。

1.法人の相談センター

法人の相談センターとは、一般社団法人で、多くの専門家の協力のもとに任意売却について無料または有料で相談を受けているところが複数あります。

2.任意売却専門業者

任意売却を専門にしている業者も数多くあります。
インターネットで調べてみると、ご自分と相性が良く、使い勝手のよさそうなところを見つけることができるでしょう。

3.不動産会社

任意売却は不動産取引でもあります。そのため不動産取引のエキスパートである、不動産会社も良い相談相手になるでしょう。しかしエキスパートとはいえ、実際の任意売却の場合は、裁判手続きを途中の不動産売買の場合もありますので、裁判所の手続きの流れに詳しく、債権者との交渉に慣れている必要があります。そのため大手不動産会社など、一般的な不動産売買を行っている不動産会社ではなく、任意売却の経験が豊富な不動産会社を選ぶ必要があります。

4.銀行

ご自身のローンを扱っている銀行も相談相手になります。住宅ローンの返済が難しくなった場合、まず相談するのが銀行です。銀行は返済不能になられるよりは、債務回収のために、無理なくローンを払えるように返済計画の見直し提案をするでしょう。けれどもそれでも返済が難しい場合は、任意売却を勧め、専門の業者を紹介する場合がほとんどです。ただし専門業者は、あくまで銀行のパートナーなので、銀行側に有利になるように話を勧めることに注意が必要です。

5.弁護士

任意売却には法的な専門知識が必要とされます。そのため、法律のプロである専門家、中出も任意売却の実績がある弁護士に相談するのが、最適です。自分たちの都合を織り込んだ任意売却の可能性を高めてくれますし、法的な観点で任意売却だけでなく、債務整理や自己破産などの方面から解決できないかを検討してもらうこともできます。また任意売却を考えている方は、他にも債務問題を抱えていることが多いので、そのような場合には、必ず弁護士に相談しましょう。
任意売却の相談

2. 任意売却アドバイザーとは

任意売却アドバイザーとは、一般社団法人 任意売却協会が養成しているアドバイザーです。住宅ローンに悩んでいる人の代理人として、自宅の売却や債権者(=金融機関等)との話し合いを代理でおこない、生活再建の為のサポートをするのがその役割です。
この任意売却アドバイザーが養成されるようになった背景には、任意売却を扱う一部の不動産ブローカーが、「コンサルタント料」として多大な報酬を請求し、その結果適正な不動産価格で取引されずに売主と買主の双方が不利益を被り、「任意売却」という方法に不信感を抱くようになってしまった、という現実があるからです。
参考:一般社団法人任意売却協会

3.弁護士なら任意売却中に法的問題が発生した場合でも対応できます

任意売却の物件の中には、民事執行法という法律で定められた裁判手続きをしている途中の不動産を売買することもあります。このように任意売却中に法的問題が発生するのは珍しいことではありません。そして法的問題が発生した場合に、不動産のエキスパートである不動産会社や、各種相談センターが機敏に、そして的確に動けるか、というと疑問が残ります。このような法的問題が発生した場合に最適な相談相手は、やはり法のエキスパートである弁護士です。弁護士なら、任意売却中に発生した法的問題に対して、十分な知識を持って対応できるのです。

4.任意売却の実例

では実際に任意売却をした場合にはどのような手続きで、どのような結果になるのでしょうか。ここで一般社団法人全国住宅ローン・任意売却支援協会の実例をみてみましょう。

1.任意売却の成功例

思うように仕事が続かず、度重なる転職で収入が減ってしまったAさん。収入が減ってしまった事で税金も支払うことが出来ず、高額の税金滞納に陥ってしまいました。住宅ローンも払えなくなり、市役所からマンションが差押えられてしまい、相談センターに駆け込みました。
残債は1850万円ありました。相談員が市役所に任意売却をすることを伝え、何度も交渉をした結果、少額でも差し押さえ解除に応じてもらうことができました。
任意売却にあたり、センターから空き家の状態で販売したほうが容易である事を提案され、Aさんは早い段階で引越しをしました。空き家状態で購入予定者に案内をすることができたせいか、無事に売却先を見つけることが出来ました。販売価格は1500万円でした。
Aさんはマンションを売却後、低額で債権者に支払いを継続して行くことになりました。

2.任意売却の失敗例

Bさんは専業主婦。買ったマンションのローンの足しにしようと、旦那様に内緒でFX取引を始めました。最初に少し儲かったために、はまってしまい、気が付くと貯金も底をつき、ついに税金を滞納するように。ローンも滞納し、銀行から連絡が来るようになってしましました。けれどもBさんは、旦那様にはこの状況を一切隠していました。相談センターへの依頼は、旦那様に内緒でなんとか解決したいということでした。
マンションの名義は旦那様なので、旦那様の了承なしでは任意売却は不可能です。そこでBさんに旦那様に話すよう説得しましたが「無理」の一点張り。では相談員からお話しする、と提案をしても、それもやめてほしい、と強く否定されてしまいました。センターは、このままでは競売になり、強制的に家を出ていかなければならなくなる、と伝えした。その後、センターはBさんと連絡が取れなくなり、連絡も来なくなりました。
このケースでは、問題のマンションが旦那様の単独名義だったために、相談者Bさんの希望通りに、旦那様に秘密のうちに何らかの対策をとる、ということができませんでした。
住宅ローンの滞納については、身近な人にこそ話せない、というケースは少なくありません。しかしそうなると、任意売却へ向けてのスタートが遅れてしまいます。問題は時間を追うごとに大きくなります。任意売却を成功させるためには、できるだけ早い段階で相談をし、また事情を家族に説明することが必要です。
参照:一般社団法人全国住宅ローン・任意売却支援協会

5.まずは弁護士に相談を

競売にかけず、任意売却をするのは、少しでも自分達にとって有利な方法だからです。できれば愛着のある今の家に住み続けたい。そう願わない人はほとんどいないでしょう。債務に困り、家を手放さなければいけないのか、と思い詰める人、それぞれの事情に応じて幅広い可能性を探し、的確にアドバイスをしてくれるのは弁護士です。
任意売却をする、しないを決める前に、まず弁護士に相談しましょう。弁護士に相談すると、債務全体の状況、ローンの滞納状況、さらに依頼人の現在の収入、さらに今後の収入の予定など、全ての状況を把握したうえで、依頼人に最も有利な方法を考えてアドバイスをしてくれます。任意売却だけでなく、任意整理や個人民事再生、自己破産、という方法も検討してくれるでしょう。

1. 任意整理

例えば債務が大きくて、整理が必要な場合には、弁護士は依頼人であるあなたの代理人として、金融機関に任意整理を申し入れて、交渉をしてくれます。任意整理とは、金融機関と話し合いをして、ローンの返済額を下げたりすることで、高度な交渉力が必要になります。これは債務者である個人が行うよりも、弁護士に依頼する方が確実です。ただし任意整理をしても、やはりローン返済に無理がある場合には、任意売却をしなければならない場合もあることを覚えておきましょう。

2. 個人民事再生

こちらも、債務額が大きい場合です。住宅ローン以外の債務も多くて返済が苦しい人が選択する方法です。個人民事再生とは、借金の減額を目的にして、裁判所を介して行う債務整理です。個人民事再生には法的な専門知識が必要ですから、やはり弁護士に依頼する必要があります。個人民事再生計画が認められると、住宅ローン以外の債務を大幅に減らすことができます。しかし住宅ローンは、そのまま残りますので、個人民事再生をしてもローンの返済が難しい場合には、任意売却をすることになります。

3. 自己破産

借金の大部分が住宅ローンの場合には、債務整理をする方法として、自己破産があります。自己破産とは、返済が不可能な債務に苦しむ人を救済し、経済的再生の機会を与える法的な制度です。けれども自己破産を申し立てるためには、財産があってはならないため、家や車、有価証券、貴金属等は全て売却する必要があります。全てを失って、何の得が?と思われるでしょうが、自己破産では、免責が得られれば、借金がなくなるというメリットがあります。ただし、住宅ローンを含めて、連帯保証人がいる場合には、自分が自己破産しても、連帯保証人には債務の返済義務が残ります。そのため、連帯保証人がいる場合には、連帯保証人と一緒に弁護士に相談しましょう。このように自己破産も専門的な法律知識を必要とするため、弁護士に依頼するのが適切です。

6.まとめ

住宅ローンの支払いが滞ったり、他にも債務があったりする場合には、できる限り早い段階で、まず弁護士に相談しましょう。弁護士費用は高いから払えないのでは・・・・、と心配されるかもしれません。しかし今は多くの弁護士が初回相談無料、またはメールでの相談無料など、以前よりもずっと気軽に相談できるようになりました。それを使って、できるだけ早い段階で弁護士に相談をしてみましょう。新しい局面が見えてくる可能性があります。一緒に暮らし、同じように家を大切に思っている家族のためにも、ぜひその選択肢を活用してください。

この記事の著者

不動産トラブル弁護士ガイド 編集部の画像

不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

この記事を見た人が見ている記事

共有持ち分不動産(建物・土地)を売買したい時にする3つの方法の画像

2019年07月09日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産問題の弁護士費用相場と費用を抑えるポイントとコツの画像

2019年03月13日 新谷 朋弘 (弁護士)アトラス総合法律事務所

不動産売買契約時にインスペクション(住宅診断・建物調査)の告知義務化はどういう意味?の画像

2019年07月09日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

共有不動産とは?共有とは何か、確定申告をしなければならないのか?の画像

2018年12月29日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

ローン分割、共有不動産にかかわる分割問題の画像

ローン分割、共有不動産にかかわる分割問題

2018年12月29日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部