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共有持ち分不動産(建物・土地)を売買したい時にする3つの方法のアイキャッチ

共有持ち分不動産(建物・土地)を売買したい時にする3つの方法

共有持ち分不動産(建物・土地)を売買したい時にする3つの方法のアイキャッチ

まず、共有持ち分不動産とはどのようなものでしょうか?

共有持ち分不動産というのは、共有名義不動産とも言い、一つの不動産を複数の人が共有していることです。
持ち分と言われる割合が、名義人ごとに決まっています。
この持ち分というのは、不動産の権利のことで、持っている面積ではありません。
例えば、土地の持ち分が2分の1という場合は、その人が土地の半分の面積を持っているということではなく、2分の1の所有権があるということです。

共有持ち分不動産を売るときの理由

では、共有持ち分不動産を売るときはどのような理由が考えられるのでしょうか?
共有持ち分不動産は、不動産を夫婦、兄弟、親子などで共同で持っていることを言います。
夫婦で新築物件を買った際に共有にしていたり、兄弟などで相続によって名義が共有になっていたりする場合も多くあります。
しかし、いずれの場合でも、トラブルの要因に名義が共有になっていることが考えられるため、共有持ち分不動産を売ることがあります。
ここでは、共有持ち分不動産を売るときの理由についてご紹介しましょう。

離婚するために共有持ち分不動産を売る

ここ10年程度で、住宅ローンを組む場合に夫婦共有名義にする場合が多くなっているようです。
住宅ローンを夫婦共有名義で組む場合、半分ずつということでは必ずしもありません。

例えば、住宅ローンを、8割が夫名義で、2割が妻名義で組む場合もあり、このような場合も共有持ち分不動産になります。
不動産の場合は、1割でも持っていると共有名義になり、売る場合は共有している全ての人の承諾が必要になります。
自分の持ち分のみを売れるように法律上はなっていますが、1人のみの持ち分を買うような人はまずいないでしょう。
普通の夫婦が、引越ししたり、買い替えしたりするために売る場合は、共有名義でも問題ないでしょう。

しかし、離婚するために売る場合は、夫あるいは妻のいずれかが売ることに反対すると、その共有持ち分不動産を売ることはできません。
そのため、夫がいなくなって連絡できなかったり、離婚に反対する方が売ることを嫌がらせのために反対したりすることも十分にあり得ます。

相続する際に共有持ち分不動産を売る

多くトラブルがあるのは、相続不動産を売る際の名義が共有になっていることです。
トラブルの主な要因は、売ることに相続人の誰かが反対している場合です。

このような中においても、トラブルになりやすいのは、例えば、県外で長男も次男も家を建てて住んでいて、実家では親だけが住んでいるというような場合です。
この場合、長男も次男も実家には住む予定がないため、次男は実家を売ったお金を遺産分割したいと提案します。

しかし、長男は、実家には親が住んでいたので愛着があるため、実家を売ることは反対します。
実家を売ったお金を相続して分割したいという次男と、ずっと親が住んでいた実家であるため売りたくないという長男では、当然ですが、トラブルになるでしょう。
このような相続による共有持ち分不動産を売る場合のトラブルを避けるためには、遺産について生前から十分に話し合うことが大切です。
話し合っても揉めそうであれば、間に弁護士などに入ってもらって、遺言書を作ってもらうことも検討しましょう。

共有持ち分不動産の分割方法

共有持ち分不動産を売りたい場合は、共有持ち分不動産の分割方法について把握しておくことが必要です。
共有持ち分不動産の分割協議が成り立つと、いつでも共有関係を解消することができます。
共有持ち分不動産の分割方法としては、次にご紹介するように方法が3つ考えられます。

現物分割

現物分割というのは、例えば、3筆に土地を分割するように、共有持ち分不動産自体を分割する方法です。
しかし、現物分割は建物の場合は実際にできないし、建物が土地上に目一杯建築されていれば現物分割は土地の場合も難しいでしょう。

換価分割(代償分割)

換価分割というのは、マンションや土地を不動産屋に売って、持ち分に従ってこの売ったお金を分割するものです。
現物分割が難しければ、換価分割による場合が多くあります。

価格賠償

価格賠償というのは、例えば、共有持ち分不動産を共有者の1人が単独で持つ代わりに、共有持ち分に相当する分のお金を別の共有者には支払って、共有持ち分不動産を分割する方法です。
また、価格賠償の場合は、共有者が3人いる時に、共有者の1人だけを除きたい場合は、価格賠償をこの1人だけにして、別の共有者はそのままにすることもできます。
また、土地の現物分割の場合は、3等分に土地の面積をしても、どのように土地を分割するかによっては平等に必ずしも分割できないことがあります。

例えば、土地を3等分しても、1つの土地だけが道路に面した角地で立地がいい場合は、別の土地を配分される人は同じ面積でも納得できないでしょう。
このような場合は、実際のそれぞれの土地の価値をコントロールするために、部分的価格賠償という先にご紹介した角地を配分された人が、調整金を別の土地を配分された人に支払うような方法が採用されます。

共有名義(持ち分)の不動産を売却する3つの方法

では、共有名義(持ち分)の不動産を売却する場合はどのような方法があるのでしょうか?
ここでは、共有名義(持ち分)の不動産を売却する3つの方法についてご紹介しましょう。

持ち分を売却する

1つの土地でも、持ち分によって権利が分かれているので、どの共有者でも、別の人に自分の持ち分のみを売却することができます。
また、自分の持ち分のみを売却するのであれば、別の共有者の合意は必要ありません。
この場合の売却の手続きは、普通の場合と同じで、売買契約を締結して、所有権の移転登記を売却した代金を受け渡しするとともに行います。
しかし、第三者が、自由に全体を使用できない土地の持ち分は購入してくれないでしょう。

一般的に、満足に使用できない別の人の土地の持ち分のみを購入する人は多くなく、ほとんどの場合共有者同士で持ち分の売却は行われます。
しかし、専門に共有持ち分不動産の売買を取り扱っている業者もあります。

また、価格は仲介よりも買取の方が安くなりますが、分割協議が離婚などによってまとまらなければ、1つの選択肢と考えておいてもいいでしょう。
なお、相続する場合は、基本的に持ち分は遺産分割協議をしないと確定しなく、共有名義の暫定的なものになるため、協議によって持ち分の最終的なものは決まります。
そのため、売買されるのは持ち分ではなく、別の相続財産が持ち分と交換されるなど、柔軟に相続人の話し合いによって行われます。

分筆して売却する

分筆というのは、2つ以上に1つの土地を分けることで、土地が分筆されると、2つ以上の所有権がそれぞれの土地にあるようになります。
共有持ち分不動産を分筆する場合は、土地の面積をそれぞれの持ち分によって分けて、単独の土地にそれぞれする方法がよく使われます。
分筆する前は全員の共有者の1つの土地ですが、分筆した後は単独の個人の名義の複数の土地になります。
分筆すれば、名義が独立した単独の複数の土地になり、共有持ち分不動産という考え方が無くなって、自分の意思のみで売却することもできるようになり、トラブルが起きるというようなデメリットがありません。

しかし、分筆そのものが面倒であるため、安易に考えない方がいいでしょう。
分筆する場合、土地の面積を持ち分の割合によって分けるため、境界線をどのように引くかで、多少土地の価値に違いが出る場合があります。
そのため、土地の価値が、分筆した後に持ち分に応じたものでないと満足できないでしょう。

例えば、道路に1辺のみが面している場合に、土地を道路に面するものと面しないものに分けると、土地が道路に面していない場合は非常に価値が低くなります。
繋がった2辺が異なる道路に面する角地の場合には、角地以外の土地が分筆することによってできて、角地以外の土地と角地は、面積が同じであれば価値が一般的に違います。
道路に3辺が面する場合や道路に4辺が面する場合も同じです。

つまり、例えば、持ち分が2分の1ずつの場合、分筆して半分に土地の面積がなるようにすると、分筆した後の片方が、価値が著しく低下するとトラブルになります。
そのため、持ち分で面積を分けると容易ですが、持ち分で価値を分けるのは困難です。

持ち分割合で売却した後に分ける

先にご紹介した、持ち分を売却する、分筆して売却する方法は、主として売却について共有名義人の中で意見が違っている場合の方法です。
全員が最終的に売却に合意している場合は、比較的調整する手間は少なくなります。
ここでは、所有権を全員が持っているために必要なことについてご紹介しましょう。

共有持ち分不動産の土地を売却する場合には、基本的に、売主に全員がなって、合同で売却する方法になります。
手続きをする場合には全員の共有者が立ち会い、売買契約書にサインして実印を押し、それぞれ住民票、印鑑証明、本人確認書類などを準備します。
しかし、全員の共有者に集まってもらって、手続きとして決済や契約などをしたい場合でも、高齢のために動けなかったり、遠くに住んでいたりして、スケジュールが合わないことなどもあるでしょう。

そのため、代表して誰かが売却するには、委任状を別の人からもらいます。
委任状があれば、委任状の権限の枠内で、売却手続きが本人の代わりにできるので、委任状を全員の共有者が全権委任するように作ると、売却手続きが1人でもできます。
なお、委任状と全ての添付書類が揃って、問題が手続上ではない場合でも、一般的に、売却意思が委任した共有者自身について確認されます。
というのは、委任状の不正なもので売却が勝手にできるためです。

共有持ち分不動産を売った後の税金と確定申告

ここでは、共有持ち分不動産を売った後の税金と確定申告についてご紹介しましょう。
共有者の合意で売却される以上、共有持ち分不動産を売って獲得したお金は、持ち分によって全員に全て分けられます。
そのため、儲けがあった場合の譲渡所得税についても、全員の共有者が確定申告をそれぞれ行って納税するようになります。
これは、代表者を相続する際に決めて売って、代金を分ける時も同じです。

代表者の名義で名目上は売られても、実際には共同で売っているため、譲渡所得税を代表者のみが負担するようにはなりません。
簡単に考えれば、共有持ち分不動産の場合、持ち分を共有者同士で売らなくても、1人の名義に変えて売ってもらって、お金を分ける方がいいでしょう。
代表者名義で相続する際に登記して、売った代金を分けるのと同じようなことです。

しかし、相続が関係しない状況で名義を単に変えてしまえば、贈与になって贈与税が課税されます。
贈与税率は高いため、贈与にすれば最終的に損になります。
なお、贈与が1年に110万円以内であれば課税されません。
そのため、全員の共有者が合意している場合には、委託を委任状によって行うのがおすすめです。

共有持ち分不動産を売った際に必要な専門家

共有持ち分不動産を売った際には、専門家が必要になります。
では、共有持ち分不動産を売った際には、どのような専門家が必要になるのでしょうか?
共有持ち分不動産を売った際に必要な専門家としては、土地家屋調査士、不動産鑑定士、弁護士、司法書士、税理士が挙げられます。

それぞれの専門家の担当の領域とメリット

ここでは、それぞれの専門家の費用とメリットについてご紹介しましょう。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、不動産の表示について登記申請の手続きをしたり、どこに建物や土地があり、形はどのようなものか、どのように使われているかなどを、測量、調査して図面を作ったりするなどを行います。

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産相続税評価や固定資産税評価のための標準地評価、地価公示など、主な仕事は公的なものです。

弁護士

弁護士は、いろいろな法律についての事務処理や弁護・主張活動などを当事者の代理人として行ったり、法律の相談をしたりします。

司法書士

司法書士は、抵当権設定や所有権移転などの不動産の権利登記、会社設立などの商業登記の専門家です。

税理士

税理士は、税務についての専門家です。
なお、それぞれの専門家に依頼する場合の費用については、案件によって非常に違っているため、直接それぞれの専門家に問い合わせてみましょう。

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編集部

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