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不動産の共有持分・売却や譲渡ってできるの?

更新日:2019年01月08日
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1.土地の所有権と持ち分とは

土地の所有権とは、土地を自由に使用したり、収益に利用したり、処分できる権利のことです。民法206条には、法令の制限内において土地の上空や地下にも権利が及ぶものとされています。
また、1つの物の所有権を複数の人が持っている状態を「共有」といい、各共有者が持つ所有権の割合を「持分」といいます。

2共有持分は売ることができる

誰かと共有名義の土地がある場合、自分の持ち分だけを売ることができるのでしょうか?答えは、はい、です。
民法206条で規定されている「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」に合致するからです。ただし民法251条では、共同所有しているものは、所有者全員の同意を得なければ、変更を加えることができません。例えば土地の場合では、分筆登記する、家の解体や、大規模な改修、新築、不動産の売却などが考えられます。
なんだか、一読すると、かみ合わないようなお話ですが、これを整理してみましょう。
民法206条は、所有権を持っている人の制限と権利を規定した、いわば権利の内容です。一方民法251条は、共有しているもの全体に、何か変更をするときには、所有者全員の同意が必要です、という共有するものの管理についての規定です。
では結局、共有持ち分は売ることができるのか、という問いに戻ると、それは持ち分を所有する人のものですから、他の人の同意が無くても理論上は売ることができるのです。ただし、現実的には、自分の一存で家を建てたり、売ったりすることのできない土地を買ってくれる人はなかなかいないでしょう。さらに共有持分の売買では、その持分を担保に銀行ローンは利用できません。購入するときには、自己資金のみでお金を用意する必要があります。
つまり現実的には、共有持分のみでの売却は難しいので「共有名義の不動産は、権利者全員の承諾がなければ売却することはできない。」と言われます
もしどうしても共有分だけを早く売りたい、という場合は、共有持ち分の買取を専門にした不動産業者に依頼する方が良いでしょう。

3. 共有持分の適正価格って?

共有持ち分を一般市場で売却した例はあまり多くありません。そのため適正価格、というものを示すことは難しいのですが、だいたいの目安として、市場価格の5~8割、といわれています。
どうしてこんなに低くなるのか、というと、それはやはり、共有持ち分だけを買っても、独断で不動産を処分することができないからです。
共有持ち分買い取り専門の不動産業者の場合でも、持分を取得したら、まず共有名義状態を解消するために、他の所有者と相談・交渉を進める必要があります。また交渉が難航した場合は、その土地は不動産会社にとっては利益を生み出さないまま、時間が経つことになります。このようなリスクもあり、不動産会社は通常の土地買取よりはるかに労力をかけることになります。そこで当然、通常の不動産買取に比べて査定価格が低くなってしまう、ということなのです。

4. 共有持分を売却後、税金はどうなる?

共同所有の不動産のうち、持ち分だけを売却した場合の税金はどうなるでしょうか?共有持ち分だけを売った場合には、所得税や税率は所有者が1人の場合と全く変わりありません。一般的な不動産取引と同じです。自宅を売った場合には譲渡所得は特別控除の特例により、3,000万円までは無税とされます。ただし、これは家のみ、または家と土地など、「家」が必要で、土地だけの場合は対象外となりますので、注意が必要です。
また、不動産ではなく「共有持ち分」だけを譲渡した際、譲渡益が出た場合は、約20%の譲渡所得税が譲渡した人に課税されます。
譲渡する際に、譲渡額が時価よりも非常に安い場合は、譲渡所得税以外にも贈与税が課税される可能性があるため注意しましょう。

5.住宅ローンが残った 共有持分

夫婦でローンを組んで家を買った場合、まだローンが残っているのにもしこの夫婦が離婚したら、共有持ち分はどうなるでしょうか?
夫婦が離婚をする際に、土地や家の共有持分を検討する場合は、大まかに2つのケースに分けて考えられます。
1、家を売ったら住宅ローンが完済できるケース
2、家を売っても住宅ローンが完済できないケース

6.家を売ってローンが完済できる場合

家を売って住宅ローンが完済できる場合は、夫婦で残ったお金を分けます。この場合には基本的に、夫婦の共有持分割合とは無関係に、残ったお金を折半にします。
例えば、5,000万円のマイホームを夫が4,000万円、妻が1,000万円の住宅ローンをそれぞれ組んで購入した場合、夫と妻の持ち分は4:1になります。この夫婦が25年後に離婚した際に、2,000万円の住宅ローンの残債と、3,000万円の不動産の売却額があった場合、1,000万円が手元に残ります。結婚後に夫婦が共同で築いた財産を、離婚によって分割する際には、基本的に持ち分割合とは無関係に折半となります。そのためこの夫婦の取り分は、夫も妻も500万円ずつになります。
このように、家を売って住宅ローンが完済できるのであれば、離婚する前に家を売って住宅ローンを完済した上で、残ったお金を分ける方が良いでしょう。

6.家を売ってローンが完済できない場合

家を売っても住宅ローンが完済できない場合には、財産が無いため、資産を分けることができません。例えば、2,000万円の住宅ローンの残債があるが、家を売ったとしても1,500万円にしかならなかった、というような場合は、住宅ローンの残債が500万円ありますので、資産は分けられません。
そして残債については、ローン契約を夫婦それぞれが金融機関と取り決めていますので、離婚をした後でも、それぞれがそのローン契約の債務を負います。
住宅ローンの残債は、財産分与の対象にはなりません。またローンを組んだ名義人や保証人は、ローンを完済するまでそのまま責任を負います。
家を売っても住宅ローンが完済できない場合は、住宅ローンの残債をどのようにして、誰が返済するかを協議します。そして返済がどうしてもできない、という見込みが立った場合には、自己破産なども視野に入れて検討しましょう。共有持分だけを買う、という人はまずいません。不動産持ち分についての相談は、素人だけでは手に負えない部分が多いので、早めに弁護士など専門家に相談をしましょう。

7.まとめ

土地や建物を複数の人で共有している場合、全体に変更を加えたい時には全員の同意が必要です。このため、何かをしたくても、複数の人の間で話し合いがまとまらず、なかなか進むことができません。そうはいっても、自分の持ち分だけを売りたい、と思っても、一存で何かができない土地や建物を買いたい、という人はなかなかいないでしょう。そのため、専門の不動産業者に相談し、買い取ってもらうことになりますが、それは市場価格に比べると、かなり低くなってしまいます。
このような揉め事にならないためにも、もしこれが相続によって発生したものであれば、相続の段階で安易に共有名義にしないことです。夫婦が離婚によって、共有名義を解消しなければならない時は、離婚の前に、家を売って、ローンを完済できればベストです。できなかった場合は、債務をずっと負うことを心に留めておいてください。
不動産の持ち分をどう処理したいか、すればいいか、ということは素人ではなかなか難しいため、早めに専門家に相談することをおすすめします。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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