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【弁護士監修】任意売却は弁護士に依頼してみましょう。

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弁護士 新谷 朋弘 アトラス総合法律事務所

2018年09月11日 公開
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任意売却は弁護士にも相談できる?

 任意売却は、不動産を売却して住宅ローンの債務を一括返済(場合によっては一部繰り上げ返済)するという性質を有しています。
したがって、不動産の売買や債務の返済という法律関係が介在する手続きであるということができますので、法律の専門家である弁護士に相談可能な内容ということができます。
 
また、任意売却を検討している方の中には、単に家の売却だけを検討しているだけではなく、住宅ローンやその他の借り入れなど家計の収支状況を見直すために任意売却を検討している方もいらっしゃると思います。
特に任意売却をしても住宅ローンがまだ残ってしまうような場合には、残った債務の返済見通しについて不安になることかと思われます。
 このような場合には,いわゆる借金(債務)問題にかかわる内容ですので、債務整理手続のプロである弁護士に相談できる分野ということになります。

任意売却はどこに依頼するべきか?

・不動産業者
 不動産の売買という点に着目すれば、不動産業者に依頼するのが一般的とも思えます。ただ、現在残っている住宅ローンの債務額が不動産の価値よりも大きい場合(このような状態を「オーバーローン」状態といいます。)には、なるべく多くの貸付分を回収したいと考えている住宅ローン債権者の思惑がからみ、交渉が難航することも予想されます。
 不動産を売却するためには、その不動産に抵当権を付けている住宅ローン債権者の協力が必要となります。
住宅ローン債権者の協力が得られるか否かは、住宅ローン債権者との交渉次第といった面もありますので、任意売却の取り扱いに長けている不動産業者か否かで協力を得られるか否かも変わってくるでしょう。

・弁護士
 弁護士は、法律のエキスパートです。任意売却は、不動産の売買だけではなく、売却代金で住宅ローンを返済するなど、住宅ローン債権者との法律関係を調整する必要がありますので、法律問題が関係する分野です。
したがって、弁護士に相談すべき分野ということができます。
 特に、任意売却をしても住宅ローンが残ってしまったり、その他の借り入れの返済について見通しがつかない状況に陥ってしまった場合には、弁護士に相談することにより、適切な法的解決案を提案することで、借金(債務)問題を全体として解決に導くことができます。
 さらに、弁護士は、司法書士や税理士、不動産業者などの隣接分野の各専門家とのネットワークを有していますので、相談者の方が抱える問題を多角的な視点から解決することができます。
 したがって、任意売却の相談は弁護士に相談すべき内容と言えるでしょう。

任意売却に強い弁護士とは?

 今まで述べてきたように、特に、任意売却をしても住宅ローンが残ってしまったり、その他の借り入れの返済について見通しがつかない状況に陥ってしまった場合を念頭に置くと、不動産の処分に強いというだけではなく、相談者の生活状況全体を改善する方向に導くことができる弁護士が任意売却に強い弁護士と言えるのではないでしょうか。
 では、どのような弁護士が、負債を抱えた相談者の生活状況全体を改善する提案ができる弁護士と言えるのでしょうか。

 まずは、相談しようと考えている弁護士が、借金(債務)問題を多数取り扱った経験があり、任意整理・破産・個人再生手続の専門的な経験が豊富な弁護士であることが重要です。
 もっとも、任意売却が関係する債務整理は、「現在まで生活していた住宅の売却」という相談される方のご家族にも大きな影響を与えうる相談を含んでいることが多いと考えられます。そうすると、債務整理の経験が豊富であることは、当然の前提として、ご相談される方やご家族の心情を理解した上で、なるべく分かり易い言葉で説明することができ、自分に寄り添ってくれていると感じることができる弁護士(法律事務所)こそが、任意売却に強い弁護士(法律事務所)であると言うことができます。

任意売却の流れ

     
  1. 弁護士に相談
    まず、ご相談に来られた方の現在の家計状況や住宅ローン・その他の借り入れ状況等を総合的に聞き取った上で、不動産の任意売却が本当に必要かどうかも含めた借金(債務)問題に対する総合的な解決方法を提案いたします。
  2. 不動産業者と専任媒介契約の締結と住宅ローン債権者との交渉
    次に、ご相談の結果、任意売却が必要と判断した場合には、不動産業者と専任媒介契約を締結して売却活動を行います。また、同時に住宅ローン債権者に任意売却に協力して頂くよう交渉を行います。
  3. 住宅ローン債権者からの合意と不動産売買契約の締結
    売却活動の結果として不動産の購入希望者が現れた場合には、住宅ローン債権者との間で、売却代金の住宅ローンへの返済組入額や債務が残る場合には今後の返済計画等を含めた諸条件を交渉・調整したうえで、住宅ローン債権者から任意売却の同意を得ます。
     最後に、住宅ローン債権者から同意が得られたら、購入希望者との間で不動産売買契約を締結し、代金の決済や登記手続等を行うことになります。

任意売却は自己破産の前?後?

 自己破産手続とは、債務の返済ができなくなってしまった債務者の財産を、お金に換えて債権者に配当を行う制度です。債務者が不動産を所有している状態で自己破産手続を行うと、原則として、裁判所及び破産管財人の関与の下、自己破産手続の中で不動産が処分されていくことになります。

自己破産手続を申し立てる前に任意売却をするメリット

①破産申立の手続が簡易化する可能性

 通常、債務者に不動産等の財産がある場合、裁判所は破産手続の中で財産調査を行います。この財産調査を行うのが裁判所から選任される破産管財人と呼ばれる弁護士です。破産管財人が選任される管財事件では、破産申立費用の他に破産管財人への費用も追加で生じることになりますし、財産調査を行うために時間もかかることになります。
 そうすると,自己破産手続をする前に任意売却を済ませておけば、その他みるべき資産が無い場合には、自己破産手続の申立をする時点で財産調査を行う必要がなくなります。
したがって,この場合には、同時廃止手続という破産管財人が就かない簡易な手続で自己破産手続を行うことが可能となります。
 以上から、自己破産手続の申立前に任意売却をするメリットとしては、自己破産手続の費用が軽減できることと自己破産手続の時間短縮というものが挙げられます。

② 引越しのタイミングが調整可能に

 破産申立後に、裁判所の主導の下で不動産を売却しなければならない場合、破産手続の進行に合わせて不動産の売買や明渡しの時期などが、裁判所のスケジュールに合わせて決められていきます。
 他方、自己破産手続の申立前の任意売却では、不動産の購入希望者や住宅ローン債権者との協力次第で、引越し(明渡し)の時期を調整することが可能になります。

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任意売却したらブラックリストに載るのか?

 信用情報とは、クレジットやローンなどの返済・支払状況についての情報です。長期の延滞や債務整理をしたというようないわゆる事故情報が登録されることを、一般的にブラックリストに載ると表現します。

 任意売却それ自体は不動産の売買契約ですので、任意売却をしたからといってブラックリストに載るわけではありません。ただ、任意売却に至るまでに住宅ローンの延滞があれば、ブラックリストに載る可能性が生じてしまいます。

弁護士に相談するメリット

 不動産業者は不動産取引については専門家ですが、法律の専門家ではありません。これに対し、法律の専門家である弁護士に相談すれば、現在あるいは今後の家計の状況を見据えた上で、借金(債務)問題について総合的に解決策をご提案することができます。

 また、住宅ローン以外にも多数の借り入れがあり、ご自身の収入だけでは返済が困難な状況に陥ってしまっている方を念頭に置くと、弁護士が介入して借金(債務)の整理をする旨の通知を各債権者に出すことにより、債権者への返済をストップすることが可能になります。このような方法をとれば、法的手続が終わるまで債権者からの督促が止まりますので、今まで返済に回っていたお金の分毎月の家計に余裕がでたり、精神的にもゆとりがもてる生活を送ることが可能になります。

任意売却の専門業者との違い

 任意売却について弁護士に相談した場合にも、不動産の売買それ自体は不動産業者が行います。そうすると、弁護士に依頼するのではなく、任意売却に強い不動産業者に直接相談するのがベストな解決策なのでは、という疑問が生じます。
 しかし、仮に任意売却の専門業者に直接相談し任意売却が完了したとしても、その段階で法律問題(たとえば、残った住宅ローンの支払やその他の借金(債務)問題)が生じた場合、新たにそこから弁護士を探して解決策を一から考えていく必要があります。

 そこで、任意売却をする前の段階から弁護士に相談すれば、任意売却を含めた借金(債務)問題について総合的に解決策をご提案することができますので、法律問題を一度に総合的に解決することが可能となり、安心して任意売却を進めていくことができるでしょう。

まとめ

 不動産の任意売却をご検討されている方は、多かれ少なかれ今後の住宅ローンの返済や今後の借り入れについて不安をお持ちであると思います。
 借金(債務)問題を早期に解決する契機になりますので、少しでも不安がある場合には、すぐに弁護士に相談しましょう。

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