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共有不動産を解決! 4つの方法を紹介

2018年07月27日 公開
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土地の所有権と持分の割合

土地の複数の所有者がいる場合は、全体の土地に対して権利がどの程度あるかを表す持分割合が必ずあります。
所有者の全ては、持分割合の権利が土地についてあり、制限を別の人からは受けません。

しかし、よくこの持分割合で間違いがあるのは、土地の面積が持分割合に応じてあると考えることです。
持分割合とは無関係に、全体の土地を共有していることに注意しましょう。

例えば、2人の共有名義に1つの土地がなっている場合は、持分割合が2分の1ずつでも、3分の1と3分の2になっていても、土地そのものは1つのみの扱いになります。
土地は1つであるため、どのような面積で2人の所有者が分けるということではなく、2人で土地の1つの権利を分けるようになります。
このようなことから、名義が共有になっている土地を売る場合は、全員の共有者が売ることを了解する必要があり、1人でも誰かが反対すると、土地は売れません。
名義が共有の土地は、自分のものですが、同時に共有者のものでもあるので、1人だけでは売れません。

そして、共有者は、持分割合とは無関係に1人の共有者としての権利があり、自分は大きな持分割合があるということで、小さい持分割合の人の権利を妨げることはできません。
そのため、名義が共有の土地の場合は、多くトラブルが起きがちです。
自分の持分割合がもし分からなければ、最も確実な方法は土地登記簿を確認することです。
土地登記簿というのは、土地の権利や情報を示すもので、法務局が保管しており、600円の手数料を払うと、登記事項証明書や登記簿謄本が入手できます。
土地登記簿には、土地の名義が共有の場合は共有者の名前が書かれており、持分割合も書かれています。

しかし、相続して名義が共有になっても、相続登記が終わってなければ、土地登記簿には亡くなった持主の名前が書かれています。
相続した際、土地のそれぞれの相続人の持分は、遺産分割協議で決定した相続分、あるいは相続が始まった時の法定相続分になります。

 

共有不動産を解決する4つのパターン

 

●パターン1共有名義物件の全部売却

1つの土地でも、持分割合によって権利が分かれているので、どの共有者でも、別の人に自分の持分のみを売ることができます。
また、自分の持分を売る場合は、了解を別の共有者にもらう必要はありません。
この際の売る手続きは、普通の不動産を売る場合と同じで、売買契約を締結して、売った代金を決済するとともに、所有権移転登記をします。

では、第三者が自由に全体の土地を使用できない持分を買取してくれるのでしょうか?
一般的には、別の人の自由に使用できない土地の持分のみを買取する場合は多くなく、ほとんどの場合は共有者同士で持分の売却は行われます。

しかし、名義が共有の不動産を、専門に売買しているようなサービスもあります。
一般的に、仲介よりも買取は安い価格になりますが、話が離婚などによってまとまらなければ、1つの選択肢として考えてもいいかもしれません。
なお、相続する場合は、基本的に遺産分割協議が終わらないと持分が決定されなく、共有名義の暫定的なものになり、持分は最終的に協議によって決定されます。
そのため、別の相続財産と持分が交換されるなど、話し合いが柔軟に相続人同士で行われます。

 

●パターン2共有名義物件の一部売却

分筆というのは、2つ以上に1つの土地を分けることで、分筆した土地は、2つ以上の所有権がそれぞれにある土地になります。
名義が共有の土地を分筆する場合は、土地の面積をそれぞれの持分に応じて分けて、単独の土地にそれぞれする方法がよく使用されるものです。

例えば、分筆する前は全員の共有者の名義に1つの土地がなっていたものが、分筆した後は単独の個人の名義の複数の土地になります。
分筆すれば、単独の独立した名義の複数の土地になって共有という考え方がなくなり、自分の意思のみで売ることもできるようになり、トラブルが起きないというメリットがあります。

しかし、分筆そのもが面倒であるため、簡単に分筆しない方がいいでしょう。
分筆する場合は、土地の面積を持分割合によって分けるため、境界線をどのように引くかで、多少土地の価値が違うことがあります。
そのため、土地の価値が、分筆した後に持分割合に応じたものでないと納得しないでしょう。

例えば、道路に一辺のみが面している場合に、道路に面している土地と面していない土地に分けると、道路に面していない土地は非常に価値が低くなります。
違った道路に向かいあう二辺が面している土地の場合は、1つの道路にお互いに面するように分けると、土地の価値は道路の路線価によって違ってきます。
二辺が違う繋がる道路に面する角地の場合は、分けることによって角地ではない土地ができ、角地と角地でない土地は、面積が同じであれば価値が一般的に違ってきます。

つまり、例えば、2分の1ずつの持分割合の場合でも、半分の土地の面積になるように分けると、分けた後の片方の価値が非常に低下するのでトラブルになります。
そのため、持分割合で土地の面積を分けるのは容易ですが、持分割合で価値を分けるのは困難です。

分筆する際の方法について

・測量して境界線を確定する

分筆すると、境界線が新しくできるため、境界線を確定することが必要になります。
土地家屋調査士が正確に土地の面積を測量して、測量図を作成して、境界杭を設けてもらいます。
この場合は、土地の面積によっても違いますが、50万円くらいの費用がかかります。

・分筆登記を申請する

全員の共有者が分筆登記は行う必要があります。
というのは、分筆しても、共有名義のままに土地の権利はなっているためです。
土地家屋調査士に分筆登記を頼むと、5万円くらい費用がかかります。

・所有権移転の登記をする

分筆登記したすぐ後は、全員の共有者の名義に分筆した後の1つずつの土地がなっています。
分筆する前と土地のそれぞれの持分も同じであるため、所有権移転という土地のそれぞれの持分を交換すれば、土地を単独の名義のものにすることができます。
共有物分割とこのことを言います。
費用としては、登録免許税として土地価格の0.4%分と、5万円くらいの司法書士報酬がかかります。
分筆と所有権移転の登記が完了すると、土地は分筆した後に個人の持ち物になるため、自由にそれぞれの持主が売れます。

 

●パターン3持分転移

パターン1とパターン2は、主として共有者で売ることについて意見が食い違っている場合の方法です。
パターン3持分転移の場合は、全員の共有者が売ることを了解している場合で、割合調整する手間は少なくなります。
ここでは、所有権を全員の共有者が持っているために必要なことについてご紹介しましょう。
名義が共有の土地を売る場合は、基本的に、売主に全員の共有者がなり、売るのは合同で行うような方法になります。
手続きする際は、売買契約書に全員の共有者が署名して実印を押し、印鑑証明、本人確認書類、住民票などをそれぞれ準備します。

しかし、全員の共有者が集まって契約などするということでも、高齢のために移動できない、遠くに暮らしている、スケジュール調整ができない、などの場合も中にはあるでしょう。
このような場合は、代表して誰かが売る場合は、委任状を別の人からもらいます。
委任状があれば、委任状の権限の枠内において、売る手続きが本人の代わりにできるようになります。
そのため、委任状として全員の共有者が全権を1人に委任するものを作ると、1人で売ることもできます。
なお、委任状と全ての添付書類が揃って、手続き上は問題なくても、一般的に、委任する共有者自身の売る考えが確認されます。
というのは、勝手に不正な委任状で売れるためです。

委任状というのは、それぞれの共有者の委任者から代わりに手続きをして、土地を売る受任者に代理権を委任する書類です。
委任は口約束でもできますが、書類に残しておかないとトラブルに先々なる、委任が口約束などであれば買主にとっては信用できないなどから、委任状を必ず作成することが大切です。
委任状の様式は決まったものはありませんが、必要な内容としては、以下などが挙げられます。

・委任者の名前、住所と受任者の名前、住所、それぞれの捺印
 ・受任者に委任者が委任する旨
 ・受任者に権限として委任するもの
 ・委任する土地

 

●パターン4持分買取

話し合いを共有者同士が行って、持分を別の共有者から買取することができます。

しかし、共有者との関係が離婚した夫婦のように良くなかったり、多くの共有者がいるため話し合いが困難なこともあるでしょう。
このような場合でも、別の共有者から持分を共有物分割請求によって買取することができます。

つまり、共有不動産を分割する方法としては、1人の共有者が全ての不動産を買取して、代償金を別の共有者に払うものがあります。
全面的価格賠償とこの方法を言いますが、最高裁判所の判例で全面的価格賠償の判決が認められています。

全面的価格賠償の判決になる要件としては、以下が挙げられます。

・不動産を1人の共有者に買取させることが相当である
・適切に価格が評価されて、支払能力が不動産を買取する人にあり、公平を実質的に害しない

全面的価格賠償の判決が出ると、別の共有者に持分を売りたくないと思っている共有者がいる場合でも、判決で強制的に売ることが認められて別の共有者に持分が買取されるようになります。
このように、判決で強制的に共有持分を買取することができます。
そのため、判決がこのように出るということを考慮して、持分を別の共有者から買取するために交渉ができます。

 

●もう一度確認したい共有不動産のデメリット

・共有者の了解を得ないと売れない

当然ですが、共有不動産は自分のみのものではないため、売る場合は別の共有者の了解が必要になります。
持分割合が、9割が自分で、1割が別の共有者の場合でも同じで、持分割合が多いかどうかは関係ありません。
不動産を売る場合は、全員の共有者の了解が必要になります。

・共有者が亡くなれば相続対象になる

共有者がもし亡くなれば、相続対象に共有者の持分はなります。
相続人が1人だけの場合は問題ありませんが、複数の相続人がいる場合は、遺産分割の対象に相続する不動産はなります。

・離婚すると売る必要がある可能性が大きい

離婚すると面倒になります。
離婚すると、2つに不動産を割って生活することはできないため、いずれかが出て行くようになるでしょう。

この場合は、残った人が、お金で片方の共有持分を買うといいでしょう。
しかし、住宅ローンを組んで不動産を買って、しかも離婚をその後数年でしたような場合は大変になります。
お金がないため住宅ローンを組んでいるため、ほとんどの場合は買えないため、売るようになります。

そして、持分割合で不動産を売った代金を分けます。
なお、新築してから数年で不動産を売る多くの理由は離婚ということです。

 

共有不動産を解決方法のまとめ

土地の複数の所有者がいる場合は、全体の土地に対して権利がどの程度あるかを表す持分割合が必ずあります。
持分割合とは、全体の土地を共有していることに注意しましょう。

共有名義物件を全て売る手続きは、普通の不動産を売る場合と同じで、売買契約を締結して、売った代金を決済するとともに、所有権移転登記をします。
共有名義物件を一部売る場合は、2つ以上に1つの土地を分ける分筆がよく使用され、分筆した土地は、2つ以上の所有権がそれぞれにある土地になります。
持分移転の場合は、全員の共有者が売ることを了解している場合で、割合調整する手間は少なくなります。
持分買取の場合は、話し合いを共有者同士が行って、持分を別の共有者から買取することができます。

共有不動産のデメリットとしては、共有者の了解を得ないと売れない、共有者が亡くなれば相続対象になる、離婚すると売る必要がある可能性が大きい、などが挙げられます。
共有不動産を解決する際は、ここでご紹介したような4つの方法を参考にしましょう。

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