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空き家の放置は危険!「空き家法」って知ってますか?

更新日:2022年02月02日
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空き家対策特別措置法が、完全に平成27年5月26日から施行になりました。
では、空き家対策特別措置法の内容はどのようなものでしょうか?
テレビなどで報道されていますが、イマイチよく分からない人も多くいるでしょう。

しかし、空き家を田舎に持っている人には、この法律は非常に大切なもので、さらに空き家が古い場合は対策がすぐに必要なくらい緊急性があるものも含まれています。
空き家は、もはやそのままにできないということは把握しておくことが必要です。

では、空き家対策特別措置法はどのような目的なのでしょうか?
空き家対策を特別措置法を作って進める必要があるのでしょうか?
ここでは、空き家対策特別措置法についてご紹介しましょう。

悪影響が空き家によって懸念される

ビルの古くなった看板が落ちて、実際に通行していた人が大きな怪我をしたような事件も最近報道されたように、必ず建物は古くなってきます。
これ以外にも、歩道に外壁が落ちて、通行していた人が被害に遭いそうな場合もありました。
このような古いビルと同じように、個人が持っている空き家が同じような被害を及ぼすことも考えられます。
空き家が古くなった結果、悪影響を周りや付近に及ぼすことは十分に考えられます。

例えば、空き家の特徴と考えられる悪影響としては、次のようなことが考えられます。

・全体の傾斜、主な構造の腐食の場合は倒れることによる被害
 ・外壁・屋根の剝がれの場合は飛散することによる被害
 ・塀・門、設備の老朽化の場合は倒れや脱落による被害
 ・浄化槽の汚水の流出、破損の場合は衛生上の問題
 ・ごみなどの不法投棄、放置の場合は衛生上の問題、害虫・害獣の増殖
 ・景観プランに適合していない場合は景観上の問題
 ・門扉、窓ガラスの破損の場合は不法に侵入されるリスク
 ・植栽が手入れされていない場合は通行上の問題、害虫・害獣の増殖

このような空き家の特徴と考えられる悪影響は、そのままにしている期間が長くなるほどリスクが増すため、空き家が古いほど対策がすぐに必要になります。

 

これからも空き家は増えることが予想される

空き家問題は、現状でも重視されていますが、これからは空き家対策をより一層強化することが要求されています。
この背景としては、空き家がこれから多くなることが考えられます。
というのは、少子高齢化の他に、いろいろな税制などにも影響するためです。

・2019年が世帯数のピークである

人口はすでに少なくなっていますが、国立社会保障・人口問題研究所の推定によると、2019年が世帯数のピークで、世帯数がだんだん少なくなると考えられています。
世帯数が少なくなっても、家が一緒に壊されるとは限らなく、空き家になる場合もあり得ます。

・介護施設に親が入る

高齢に親がなっても子供と一緒に住む場合は少なく、離れて生活している子供が不安になったり、あるいは親自身が子供に迷惑をかけないように、介護施設に親が入るケースがあります。
高齢化が進むにつれて介護施設に親が入るため、空き家になります。

・固定資産税は住宅があれば優遇される

住宅が建っている土地の場合は、特例として固定資産税が6分の1まで最大で優遇されるものがあります。
逆に言うと、土地の固定資産税が住宅を壊すのみで4.2倍に最大で増えるため、空き家が老朽化しても誰も壊そうとしません。
なお、土地の固定資産税が住宅を壊すのみで6倍に最大なるようなことも言われていますが、固定資産税は更地の場合は課税標準額が評価額の7割になるので、6倍の7割であるため4.2倍になります。

・ニーズは新築住宅の方が高い

予算があれば、誰もがきれいな新しい住宅に住みたいため、賃貸でも購入でもニーズは新築住宅の方が大きくなります。
そのため、ニーズは古い空き家ほど小さく、利用が限定されるために残ってきます。

・壊す費用がかかる

空き家を壊したということでも、土地がすぐに利用できるということではなく、壊す場合は一般的に建て替えしたり、土地を売ったり、貸したりする時期になります。
お金をかけてまで壊さないことと、固定資産税のこともあるため、空き家は少なくなりません。

・価値が中古住宅は低い

木造住宅の場合は、20年も経つと価値が無くなって、価値は土地のみになります。
さらに、土地が田舎は安いため、田舎の空き家は価値が低く、投資のための資金が入りにくいので、空き家になりやすいでしょう。

 

法律で地方の空き家対策を支援している

悪影響がある空き家が多くなることを考えれば、空き家対策を国として進める必要があります。
そのため、特別措置法を設けて、法的根拠を自治体の空き家対策に与えました。
空き家対策特別措置法においては、自治体が実施する具体的な施策までは決めていなく、基本方針を提示しただけです。

しかし、法律があるため、確実に空き家対策が容易になるでしょう。
また、税制上の措置が空き家の放置を抑えるために見込まれています。
空き家対策特別措置法の目的として条文で明確になっているのは、次のようなものがあります。

・地域の住民の身体、生命、財産を守る
 ・地域の住民の生活環境を安全に保つ
 ・空家などの利用を促す
 ・空家などについての施策を計画的かつ総合的に推し進める
 ・地域の振興と公共福祉の増進に貢献する

このような目的のために、基本方針を国が策定して、自治体が空き家などの対策計画の立案、これ以外の空き家などについての施策を推し進めるために必要事項を決めるようになっています。

 

空き家による悪影響とは?

・建物が老朽化する

建物は住んでいる人がいる方が、老朽化が進まなくなります。

・景観が雑草などが生えることによって悪化する

雑草などが庭に生えるだけでなく、小動物の猫などが住み付いたり、害虫が発生したりするなどして不衛生になります。

・防犯上の問題がある

不法投棄や不法侵入の要因になってしまいます。

・防災上の問題がある

壁や屋根瓦などが崩れたり、壊れたりすると、道路が塞がれるため避難がスムーズにできなくなるなどのリスクがあります。

・不動産会社と契約する際に不利になる

空き家を賃貸するために不動産会社と契約する際に、入居者がいないため不利になります。
また、売却査定する際にも不利になります。

 

●空き家法:措置①解体の通告や強制対処が可能に

空き家対策特別措置法においては、空き家が保安上著しいリスクがある場合、衛生上著しく有害になるリスクがある場合は、対処が強制的にできるルールが設けられました。
しかし、いきなり対処が強制的に行われるということでなく、手順としては次のように段階的になります。

・改善に対する指導と助言を行う

修繕、解体などの指導あるいは助言が、初めに行われます。
改善が指導や助言によっても行われない場合は、改善を猶予期限を設けて行うように勧告します。

・改善されないと勧告する

指導や助言、勧告であれば、何もしなくてもまだ問題ないと考えるのではないでしょうか。
しかし、勧告された場合は、後からご紹介する固定資産税の特例対象にはなりません。
つまり、指導や助言があった場合は、警告が出されたと考える必要があります。

・勧告でも改善されないと命令になる

勧告でも改善されない場合はだんだんと重くなって、改善命令が猶予期限を設けて出されます。
この際、意見聴取や意見書などの意見を述べるチャンスが対象になった人には与えられるため、改善がどうしてもできない理由があれば、このチャンスに陳述することができます。

・強制対処の命令がある

改善が命令の猶予期限がきても完了しなければ、最終的に強制対処になります。
この際に注意する必要があるのは、命令をされてから改善するといいということでなく、改善を猶予期限までに完了する必要があるということです。
改善命令に従わなかった場合、改善が十分でない場合、猶予期限までに改善が完了する見込みがない場合でも、自治体は強制対処ができます。
つまり、「改善している格好だけ」ということはできなく、ルールとしては厳しいものになっています。
なお、強制対処は必要な改善内容であるため、空き家として倒れるリスクがないものまで対象になるようなケースはありません。

しかし、空き家を持っている人が、改善する費用は負担する必要があります。
空き家を持っている人が負担できない場合でも、自治体が代わりに負担して持っている人にこの費用を請求します。
空き家を持っている人が分からないのは、登記変更が相続する際に行われないことも影響しています。
相続手続きをしない場合でも、法定相続人が空き家を次に持つようになるので、これを戸籍から探すことはできます。
また、法定相続人が請求に応じないという問題はあります。

 

●空き家法:措置➁固定資産税の特例対象からの除外

自治体から特定空家などに対して改善勧告があれば、土地についての優遇措置である固定資産税の特例の対象にならなく、最大で土地の固定資産税が4.2倍にも増えます。
住宅地の場合の固定資産税の特例は、次のようになります。

・住宅の土地が200㎡までの部分については、6分の1に固定資産税がなり、都市計画税が3分の1になる
・住宅の土地が200㎡超の部分については、3分の1に固定資産税がなり、都市計画税が3分の2になる
なお、200㎡超の部分については、上限が床面積の10倍になります。
しかし、住宅の固定資産税が相当高い場合は、土地の固定資産税が高くなっても、空き家を壊す方が固定資産税のトータルが安くなることもあります。

措置の対象になる特定空家とは?

「特定空家など」の定義について、空き家対策特別措置法においては、「居住あるいはこれ以外に使われていない状態の建物とその土地」と決まっています。
しかし、この定義はルールになっていないため、指針として年間を通して概ね使われていないことが打ち出されました。
また、特別措置法は対象が空き家の全てでなく、「特定空家など」の定義は次のように周りに大きな影響がある空き家になっています。

・そのままにしておくと、倒れるなど保安上著しくリスクになる恐れがある
・そのままにしておくと、衛生上著しく有害になるおそれがある
・管理が適切に行われていないため、景観が著しく損なわれている
・これ以外に周りの生活環境を保つために、そのままにしておくことが不適切である

特定空家などに明らかに当てはまる空き家を除外すれば、特定空家などは自治体が判断するため、空き家を持っている人は判断されるのを待つようになります。
管理された長期間住んでいないのみの空き家は、基本的に、措置の対象にはなりません。

しかし、空き家の現況を自治体が調べる際は、トラブルがない場合でも確認することがあり、特定空家などであると見られることもあり得ます。
このような場合は、何らかの回答を空き家の管理について提示する必要があるでしょう。
また、空き家として賃貸や売却を予定している場合でも、借主や買主に引き渡すためには当然管理されるべきであるため、管理責任が賃貸や売却予定によって免れるということではありません 。
また、自治体の対応によっては、賃貸や売却を対策の一環に含めることも考えられます。

 

●空き家を管理するサービス

空き家を管理してくれるサービスとしては、次のようなものがあります。

・郵便物を転送したり回収したりする

防犯面が郵便物を整理すると強化されます。

・簡易的に部屋の中を掃除する

部屋の中の埃の除去・掃除を行います。
きれいに建物を維持できる以外に、老朽化も防ぐことができます。

・目視で外部から点検する

老朽化・破損などがないか、外部から確認します。
不法侵入されていないか確認することもできます。

 

空き家の放置は危険!「空き家法」のまとめ

空き家対策特別措置法が、完全に平成27年5月26日から施行になりました。
空き家を田舎に持っている人には、この法律は非常に大切なもので、さらに空き家が古い場合は対策がすぐに必要なくらい緊急性があるものも含まれています。
悪影響が空き家によって懸念されており、これからも空き家は増えることが予想されています。
このようなことから、法律で地方の空き家対策を支援しています。

空き家対策特別措置法の措置としては、解体の通告や強制対処が可能になる、固定資産税の特例対象から除外になることが挙げられます。
空き家を管理するサービスもあるため利用するのもおすすめです。

この記事の著者

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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