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トラブルを防ごう!賃貸マンションの駐輪場編

更新日:2024年02月10日
トラブルを防ごう!賃貸マンションの駐輪場編のアイキャッチ

集合住宅のアパート、マンションには、共用部分が必ずあります。
共用部分は全ての住人が使うところであるため、住人の一部が独占したりすればよくトラブルの要因になります。

なお、分譲マンションの共用部分については、それぞれの区分所有者の占有部分でない階段・廊下などの建物の部分、配管などの建物の付属物、共有部分であると規約によって決まっている車庫・物置などの付属の建物は、基本的に、全ての区分所有者の共有である、というように法的には決まっています。
このようなことは分譲マンションの共用部分についてのものですが、集合住宅の賃貸アパート、賃貸マンションの場合でも同じような取り扱いになり、入居している人の占有部分以外のところは全て共用部分になります。

代表的な集合住宅の共用部分は

・廊下
・自転車置き場
・ゴミ捨て場など

それほど実感がないでしょうが、共用部分としては、パイプシャフトという排水管などが通っているところもほとんどの場合に指定されています。
当然ですが、自然に共用部分が劣化した場合は、修繕する義務は賃貸マンションのオーナー側にあります。
ここでは、賃貸マンションの共用部分の駐輪場のトラブルについてご紹介しましょう。

駐輪場でよくある3つのトラブル

集合住宅の賃貸アパートや賃貸マンションの場合は、駐輪場が必ずと言えるくらい設置されているでしょう。
ここでは、賃貸アパートや賃貸マンションの駐輪場で多くあるトラブルについてご紹介しましょう。

1:駐輪場スペースの不足から来るトラブル

集合住宅の賃貸アパートや賃貸マンションのオーナーであれば分かるでしょうが、駐輪場のスペースをいくらでも確保するということはできません。
広い駐輪場のスペースにすると、別のスペースが狭くなり、エントランスや廊下に面するところにほとんど駐輪場が設置されているため住人が通る際に邪魔になります。

一方、駐輪場のスペースがあまりにも狭い場合は、全ての自転車がちょっとしたことで倒れたりします。
おそらく全ての自転車を元の通りに直してくれるような住人は多くないため、自転車が倒れていた場合は管理人自身が元の通りにする必要があります。
自転車が最近はブームになっており、1人で何台も自転車を持っている人が多くなっています。

しかし、駐輪場にこのような全ての自転車を置くとどうしようもありません。
例えば、2台の自転車を1人が持てば、駐輪場は2倍のスペースが必要になります。
基本的に、1人が1台の自転車を持つようにして、もし2台自転車を持ちたいのであれば自分の部屋の中に置いてもらうなどを徹底する必要があります。
駐輪場のスペースがこれでも足りなければ、順番待ちあるいは抽選にすることを明確にする必要があります。
このようにしないと、よくトラブルになります。

2:自動車など、他の車両とのトラブル

駐輪場と駐車場がもし近ければ、自動車に結構傷がつくようになります。
というのは、自転車が駐車場の付近を通る際に、自転車そのものは自動車に当たっていない場合でも、自転車に乗っている人の持ち物の金属のところなどが接触することも多くあります。

例えば、賃貸マンションがファミリー向けのものの場合などは、多く子供もいるためより自動車が傷つくようになります。
自動車の持ち主側からすると、自動車を駐車しているのみで傷が頻繫につけばたまらないでしょう。
しかも、このような場合は、残念ですが犯人はなかなか見つかりません。
自動車の傷としては小さなものであるため、傷をつけた人も罪悪感はそれほどなく、簡単に自動車に傷がつくということさえもほとんどの人は知らない場合が多くあります。
そのため、自動車を持っている人は、基本的に泣き寝入りになります。
トラブルがこのようなことでは回避できないでしょう。

このようなトラブルを解決するには、簡単に自動車は傷つくということを認識させること、被害を実際に受けていることを徹底して知らせる必要があります。
例えば、連絡掲示板に注意書を貼ったり、それぞれの部屋に注意書をポスティングしたりするなどして、トラブルのことを全ての住人が必ず分かるようにしましょう。
自転車があまり多くなければ、それぞれの自転車に注意書きを取り付けるのもいいでしょう。
なお、この場合は、注意書きを取り外して付近に捨てるような人もいるため、頻繫にゴミ掃除をしばらくの間は行うことが必要でしょう。
徹底して自動車の傷つきを防ぐために、さらに赤いコーンを自動車の周りに置くことも効果が期待できます。
当然ですが、支障が自動車の駐車にないようにする必要があります。
ロープなどでコーンの間を繋いでおけばより効果があります。

最終的な方法としては、監視カメラを取り付けるものも?

監視カメラとしては、本物でなくても効果はある程度期待できますが、本物の方がやはり効果が期待できるでしょう。
車体に傷がついて苦情が自動車の持ち主からあった際に、監視カメラが本物でなかった場合はクレームにさらになるかもしれません。
また、監視カメラを取り付けることは、ある程度車上荒らしなどに対しても防犯効果が期待できます。

 

3:違法駐車、放置車両などのトラブル

駐輪場の場合は、不法駐輪という放置自転車や勝手に近くの人が自転車を置くものが、必ずと言ってもいいくらい出てきます。
このようなトラブルは、駐輪場が広くなるほど面倒で、余裕が駐輪場のスペースにあるほど自転車を勝手に置く人が出てきます。
不法駐輪の場合でも、勝手に自転車を処分することはできません。

勝手に自転車を処分した後に持ち主からクレームがあった際には、賠償請求される恐れがあります。
勝手に自転車を置いて、賠償請求されるというのは全く納得できないでしょうが、実際にはこのようになります。

 

こんなトラブルも「暗黙ルール」を知らない?

いろいろなクレームが、マンションの管理会社には寄せられています。
同じマンションに住んでいる人に対するクレームとしては、騒音が最も多く、共用部分を使う方法が次に多くなっています。
そして、駐輪場についても、別の人が使う方法に対してよく不満を持つようになっています。
広い駐輪場であればトラブルは起きにくくなります。

しかし、自動車を使う人が地域によっては少なくなっており、非常に駐車場が空いており、駐輪場がこの代わりに一杯になっているような賃貸マンションも多くなっています。
自転車を出したり入れたりするのが狭い駐輪場であるため難しい賃貸マンションの場合は、駐輪場を使う人同士でよくトラブルが起きます。

また、駐輪場の場合は、契約書などのはっきりした規則がないことが多くあり、トラブルが起きる最大の要因であると思われます。
賃貸マンションの場合は、暗黙ルールである「全員で駐輪場を譲って使う」というもので運用されている場合が案外と多くあります。
このような場合は、自転車がもし出したり入れたりするのが難しい状況であれば、横に別の自転車を動かすのは当然の行いです。
しかし、これが実際にはトラブルの要因になることがあります。

 

トラブルを解決するには?1警告と車両拘束。最終的には処分も?

自転車が無断で駐輪されているものかを判断するために、駐輪許可証をまず発行しましょう。
駐輪許可証としては、シールとしてホームセンターなどで販売しているものに番号を連番で書いて、何番のステッカーを何号室の誰に配ったかという台帳を作成しておきます。
このため、駐輪許可証がない全ての自転車は、無断で駐輪している自転車であることが分かります。

次に、警告を不法駐輪の自転車に対して行います。
不法駐輪の警告文を、よく見える自転車のハンドル付近に取り付けます。
不法駐輪の警告文には、次のようなことを書いておきましょう。

・不法駐輪の自転車である
・○月○日までに自転車を撤去しなければすぐに撤去して保管する
・連絡が一定期間なければ処分する
・撤去費用として○○円を請求する

申し出が自転車を処分した後にあった場合は、自転車を保管したり、撤去したりした費用を請求しましょう。

どうして自転車を保管したり、撤去したりする費用を請求する必要があるのでしょうか?

というのは、費用を実際に回収するのが目的でなく、損害賠償を万一要求された場合に保管したり、撤去したりする費用を請求額で相殺するからです。
ここまで記載しておくと、クレーマーとしても訴訟などでもなかなかお金が取れないことが分かるでしょう。
不法駐輪の警告文を取り付ければ、警告文に書いているように期限が過ぎてから自転車を撤去しましょう。
この際には、自転車がもともとあったところに、自転車を撤去したという連絡先を書いた張り紙を必ず置くことが必要です。

 

トラブルを解決するには?2場所指定のない駐輪場は、指定をしよう

賃貸マンションの場合は、ほとんど同じ住人が毎日生活しています。
そのため、ほとんどの場合に「どの自転車がどの付近にいつも駐輪しているか」ということが決定していることが多くなるでしょう。
「何号室の住人がどの自転車を持っているか」というようなことも、何となくお互いに分かることも、場合によってはあるかもしれません。

しかし、住人が新しく入ってくれば、一時的にこのようなことが乱れるようになります。
それぞれの住人の駐輪するところが決まっていない場合は、どこに誰が駐輪しても問題ありません。

また、自分がいつも駐輪しているところに別の人の自転車があれば、「他の人に自分が駐輪するところを奪われた」と思うのが人間でしょう。
管理会社に話をした場合でも、「駐輪するところは定まっていないため、駐輪する際にはお互いに譲ってください」と言われるため、邪魔になる自転車を自分で他のところに動かす人が出てきます。

もし、このような状況になれば、「不満を誰かが感じて自転車を動かしたのだろう」ということで、他のところに駐輪してくれるとトラブルにはなりません。
「駐輪するところは定まっていないため、どうしてここに駐輪するのが悪いのか」ということで、動かした他の人の自転車をまた動かして駐輪するところを取り戻すような人もいます。

このような場合は、トラブルが深刻になることもあります。
駐輪するところを巡るトラブルが毎日のようにあり、怒った人が他の人の自転車を倒して、倒された人がこれに怒ってさらに他の人の自転車を駐輪場以外のところに捨てたような場合もあるそうです。
そういった事になれば、トラブルはすでに深刻なものになっており、自転車を捨てられた人が最終的には自分の身が危ないと思って退去したそうです。
「ルールに違反していない」ということのみでは、上手く近所づきあいはできません。
悪意を知らないうちに持たれるのはできるだけ避けたいでしょう。
そのため、新しく自転車を買ったりした時期や引越ししたすぐの時期は、他の人が駐輪場を使う状況や駐輪場の混み状況を観察するようにしましょう。

まとめ:賃貸マンションのトラブルに関する困りごとは弁護士へ相談を

賃貸マンションの駐輪場のトラブルを解決するためには、工夫が必要です。

住人同士の不満から、法的トラブルの発生も発生しかねません。少しでも納得できないということがあれば、弁護士に相談しましょう。

法律のプロである弁護士なら、個々の状況に合わせて相談に乗ってくれるだけでなく、不動産関係で起きやすいトラブルを未然に防いでくれます。

不動産トラブルに詳しい弁護士に事前に相談しておくのがおすすめです。

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