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マンションの売却をしたい、残債(住宅ローン)があっても大丈夫?

更新日:2020年02月12日
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マンション売却をしたいけど、住宅ローンがあっても大丈夫なのか。

任意売却って誰でもできるか

 任意売却とは債権者の銀行などと相談して競売ではなく通常の不動産売却と同じ要領で売却をする方法です。売却できた金額分を債務から差し引いて残りは分割で支払いを行います。

 そんな任意売却ですが誰でもできるかといえばそうではないです。住宅ローンをこれから滞納しそうという状況では基本的に任意売却ができないことが多いです。1回滞納してしまって今後も厳しい状況が続くと想定できる場合は任意売却を選択肢に入れると良いでしょう。

 任意売却をするにもお金が必要です。でも、任意売却をする人はお金がないから任意売却をするわけですよね。わざわざそのために新しく借金をする必要があるのでしょうか。答えは「ノー」です。任意売却でかかり費用は任意売却の際に発生する売値から差し引かれます。

 具体的にどのような費用がかかるのでしょうか。着手金・相談料、不動産仲介手数料、引っ越し費用、司法書士費用、滞納した管理費・修繕積立金などが任意売却ではかかってきます。

 もし住宅ローンを何度も滞納してしまうとどのようなことが起きるでしょうか。基本的に数回の滞納でも競売が開始されます。競売にかけられると自宅の外観・住所などが競売情報に載せられてしまいます。また誰が住んでいるのかと言う情報で自分の氏名までも公開されてしまうのです。もし子供がいた場合、子供の友達の家にも知られてしまうことがありますよね。

 さらに競売情報に載っているので近所にも知られてしまうリスクもあります。住宅ローンが支払えずに引越し先なども探さなければいけなく精神的に苦痛を味わう結果になるのです。でも、競売にかけられれば多少なりとも借金が減るのではと思いませんか?それは間違いです。

 競売にかけ建てると通常の市場価格の約80%程度で取引されることが多いです。結果として競売にかけると正しい価格評価をしてもらえず借金が残ったままのことが多いのです。

 競売で落札者が出ると落札者から退去を迫られます。明け渡し強制執行が行われると執行官と作業員がやってきて家具や家電を全て自宅から外へ出します。この時の費用を最終的に請求されることもあるのでお金は余計にかかってしまいますね。

 競売にかけられたとしてもかけられた側は何もすることができません。競売の手続きは債権者がよほどの理由をつけて申し立てを取り下げない限りは止めることができないと考えておきましょう。

 このように競売になると不動産はなくなる代わりに借金は残ったままなのです。では、任意売却にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

任意売却のメリット

 任意売却をするのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

<競売よりも高値で売れる>

 競売では市場価格の80%程度の価格でしか売却することができません。しかし、任意売却は通常の不動産取引のように売却することができます。よって競売よりも販売価格が高値になることが多いです。どうせなら少しでも高値で売りたいと考えますよね。

<周囲に知られない>

 競売にかけられるとその情報が競売サイトや競売情報に載ってしまいます。住所まで載っているので近所の人が見てしまうとあの物件だとわかってしまうのです。それに比べ任意売却では周囲の人に知られることがないので精神的苦痛は軽減されますね。

<お金を用意しなくて良い>

 競売にかけられると引っ越し費用や残りの債務の支払いでお金を用意しなければいけません。お金があれば競売や任意売却をする必要もないわけで、お金を用意する必要がないのが大きなメリットとしてあげることができます。任意売却をするにあたり必要な書類代や人件費も売却したお金から捻出することができお金を1円も用意する必要がありません。

<残債は分割返済>

 競売の場合は残債は一括で支払わなければいけませんが任意売却の場合は通常の債務のように毎月単位での分割返済をすることができます。

<今の家に住み続けることもできるかも>

 身内や資産のある人に任意売却物件を購入してもらい今の家に住み続けることも可能です。その後の費用の支払い等については個人間の約束になります。

<引っ越し費用を用立てることができる>

 債権者との交渉で承諾を得られた場合のみですが引っ越しをするための費用を最大30万円まで任意売却の売値から捻出してもらうことができます。競売の場合はそういう融通された制度はなく任意売却のみ適用されるものです。

<自分の意思での売却>

 任意売却は自分の意思で売却を選択することができるのが大きいです。競売のようにある日突然自宅が売られるというものではなく、自分の意思で売却できので引っ越し先の選定などに時間を作ることができます。

任意売却のデメリット

 任意売却をするのには以下のデメリットがあります。

<滞納する必要>

 任意売却は住宅ローンを支払えている状況では利用できません。1回か多くて3回程度滞納しなければいけないのです。しかし、数回の滞納でも現在の金融機関は何度も催促をしてきます。督促状などが自宅に届くこともあり任意売却を考えているにしても督促状が届いて良い気持ちになる人はいませんよね。

<債権者からの同意>

 任意売却の最大のポイントは債権者から任意売却しても良いという同意を得なければいけないです。残っている債務よりも低い金額で物件を売却することになるので債権者が承諾するか否かがポイントになります。債権者への相談をするのが苦手だという人も安心してください。不動産任意売却の専門家や司法書士・弁護士へ相談することで債権者と直接会うことなく交渉・手続きをすることができます。

<連帯保証人へ迷惑がかかる>

 住宅ローンを滞納し始めると連帯保証人へ連絡が行きます。督促状や請求書が届いた時に連帯保証人が返済してしまうと任意売却をすることができません。必ず任意売却を考えている人は連帯保証人へ事前にその旨を説明しておき支払わないようにお願いしておきましょう。
 また債権者と一緒で連帯保証人にも承諾を得なければ任意売却ができないので承諾を得るようにしておきましょう。

<競売の可能性は捨てきれない>

 ここまで準備が整っても任意売却で販売して買い手がつかなければ任意売却が成立しません。任意売却が成立しないということは競売にかけられるリスクもあるということです。競売になってしまえばせっかく債権者や連帯保証人との交渉も水の泡になってしまい、借金の残りを一括返済する必要が出てきます。任意売却まで進んだからといって安心しきらないでください。

<信用情報に載ってしまう>

 信用情報とはいわゆるブラックリストというものです。この信用情報に載ってしまうとお金を借りることが一定期間できなくなるので注意が必要です。向こう5年〜7年ほどは大きなローンを組めなくなり生活にも制限が出る可能性があります。

どこに相談する?

 では、実際に任意売却をしようと考えた場合どこに相談すればよいのでしょうか。任意売却をするために必要な知識として不動産売却の知識が必要になります。宅地建築物取引業法の免許を持っている人が優先されますね。他にも債務整理についての知識も必要になります。債務整理については司法書士・弁護士が専門的に対応してくれます。

 さらに民法で民事訴訟や民事執行・債権に関する知識としては弁護士の法が司法書士よりも対応出来る範囲が広いです。
 ここから考える任意売却を相談する相手としては不動産会社と弁護士に相談するのがベストと言えます。不動産売却が関わってくるので弁護士だけでは少し不安になりますよね。

 銀行から借りている住宅ローンの返済が滞っている場合は銀行へ相談するのも一つの手です。しかし、銀行は貸したお金が返ってこないのは困るのですぐに任意売却を進めてきてなおかつ銀行から紹介した専門業者を勧められることでしょう。

 銀行が紹介してくる専門業者は一括で不動産売却から法律関連まで対応してくれますがどうしても銀行のことを考えて行動するというのを忘れてはいけません。

まとめ

 任意売却は競売と比較されることが多いです。競売になれば自宅の住所や氏名まで公開されてしまい精神的苦痛を感じることが多くなりますが、任意売却をすれば今の家に積み続けることもできる可能性があります。任意売却をする際には不動産売却の専門家・弁護士などの法曹関係者への相談は必須です。

 しかし、一番大切なことは住宅ローンを滞納せずコンスタントに支払い続けることです。住宅ローンの返済が滞りそうな場合は早めに銀行など借りているところへ返済スケジュールの変更を申し出るようにしましょう。

 住宅ローンをそのまま滞納し続けてしまうと信用情報に載ってしまい大きなローンを組めなくなる危険性もあります。ぜひ任意売却という選択をする前にできる手を打つようにしましょう。そして競売になる前に任意売却を選択できるようにしましょう。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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