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大損した!今話題の「サブリース」トラブル

更新日:2021年11月24日
大損した!今話題の「サブリース」トラブルのアイキャッチ

サブリースというのは、転貸、又貸しのことです。
特に、不動産を賃貸する際はサブリースと言って、一括借上を転貸のために行う場合が多くあります。
賃貸物件をサブリース業者が一括借上して、空室で入居する人がいなくても大家に一定のリース料を払います。
そのため、サブリース業者がリスクを負うようになっています。

業者側が優位な仕組みが多い

サブリースでは、ほとんどの場合に業者の方が儲かるようになっています。
賃貸借契約は空室のリスクがあるため大変であるが、サブリースは空室を保証してくれるため非常にいいと思っている人が多くいるかもしれませんが、全く違っています。

リスクは大家に全てあるため、サブリースでもリスクを避けることはできません。
サブリースのほとんどは、サブリース契約とアパート建設というケースです。
空室のリスクに対する費用が、アパート建設の費用に上乗せになっていることも多くあります。
サブリース業者は、ほとんどの儲けを建設する際に稼ぎます。
家賃保証に関しても、保証をきちんと実際にはしてくれません。
アパート建設の費用の相場も把握していないのであれば、不動産投資を行わない方がいいでしょう。

 

家賃保証はどれくらいされるのか

家賃保証するというような宣伝を目にしますが、家賃保証などできるはずがありません。
家賃保証に関しては、契約条項に「家賃の見直し」が必ず記載されています。

例えば、「見直しが2年毎にあります」などと小さく記載しています。
また、サブリース業者が提示するプランは、人口がこれから少なくなったり、家賃が値下がりしたりするなどは考慮されていません。
人口はどんどんこれから少なくなるため、間違いなく家賃の相場は下がると考えられます。
このようなことから、家賃保証などはできないでしょう。

 

知っていますか?現在と今後の空室率

総務省統計局のデータによると、平成25年度において、トータルの住宅数は5年前比5.3%のプラスで6063万戸、空き家率は過去最高の13.5%です。
また、人口は今からどんどん少なくなって高齢者が多くなっていくため、今より空室のリスクはさらに大きくなることが容易に考えられます。

では、人口がどの程度少なくなるか?

国土交通省の平成15年7月の「人口減少下の人口分布の現状と展望について」によれば、長期的な人口の推移を見てみれば、急に19世紀後半から増えてきて、この後現在まで4倍くらいまで約1世紀半の間に増えています。
今世紀の初めに少なくなるようになり、20世紀前半の人口に今世紀末になると考えられています。

一方、総務省統計局のデータによれば、平成29年10月1日現在の総人口(確定値)は1億2670万6千人で、平成30年3月1日現在の総人口(概算値)は1億2652万人と、前年よりも少なくなると考えられています。
このように、人口は間違いなく少なくなり始めてきています。

 

リフォームなども容易にできない?

サブリースの場合は、大家が少し修繕したり、リフォームしたりすることなどもできません。
このような場合は、普通の修繕・リフォームの費用に余分なものがプラスされて請求され、サブリース業者にちょっとずつ吸い取られます。
ある地主がサブリース業者で1棟のアパートを建てましたが、このことに関して把握していなかったようで相当怒っていたそうです。
契約書ではこのことについて記載されていますが、実際に分かっている人は多くないため、知らないということでよくトラブルになるようです。

賃貸経営の場合は、家主は多少なりともリスクを必ずとるようになります。
サブリースの場合は、全て自分で賃貸経営するのに比べると間違いなくリスクは少なくなりますが、トラブルのほとんどは、正しくこのリスクを掴んでいないために起きます。

また、サブリースのほとんどのトラブルは、お金に関係することです。
トラブルが起きる要因は、十分に契約書に書かれている内容を確認していなかったり、説明が事前になかったりしたので、正しく把握できていないことがメインです。

実際と違っていることを営業マンが話して騙された、というような場合もあります。
実際に発生した事例を把握することによって、このようなトラブルは防止することができます。

 

サブリースに関して実際のトラブル事例

家賃はいつまでも保証されると考えていた

サブリースの空室保証というのは、家賃の金額を保証するものではなく、家賃を払うことを保証するものです。
指定された年数が経てば、家賃の見直しがマーケットの相場を考慮して行われます。
見直しされるまでの期間はサブリース業者によって2年〜10年 くらいと違っていますが、周りの環境や⼊居状態が変わることによって、家賃が値下げになる場合があります。

最も多くあるトラブルは、初めの家賃がいつまでも保証されると考えて、あるいはこのように営業マンに騙されて、家賃が途中で見直しされて安くなる場合です。
儲けが少なくなるのみであれば我慢もまだできるかもしれませんが、ローンを返す額よりも家賃の儲けが少なくなって赤字になれば、自分のお金でローンを返す必要があります。
このようなことをいつまでも継続することはできないため、物件を手放す必要があり、残るのはローンの返済のみになるような場合もあります。

・免責期間があるのを知らなかった

サブリースの場合は、家賃が保証されない免責期間が2つあります。

1つ目は、入居する人を新築した際に募集するための準備期間です。

一般的に、2ヶ月〜3ヶ月の間は、家賃の全ての部屋分のものが保証の対象になりません。

2つ目は、入居した人が退去すると、一般的に、1ヶ月間はその部屋の家賃が保証の対象になりません。

固定家賃の値下げに比べると大きな影響はありませんが、儲けが少なくなります。

・違約金が解約する際に必要であることを知らなかった

固定家賃が値下げになるのが了解できなかったり、管理会社の応対が満足できなかったりするなどから、サブリースを解約したいというような場合もあるでしょう。

しかし、サブリースの契約は30年などというような期間を前提にしたものであるため、違約金が途中で解約する際にはかかることがあります。
この違約金額としては、高額な4 ヶ月分の家賃というような場合が多くあります。
例えば、15戸のアパートの家賃が1部屋8万円の場合は、4ヶ月分の家賃であるため480万円の違約金額になります。
このような高額な違約金は容易に払えるものではないため、知らなかった場合は当然ですがトラブルになります。

サブリース業者が倒産した

サブリース業者が多くなってくると、競争が業者間で激しくなって、契約するためにほとんど儲けがないような保証家賃にするケースが多くなってくれば、倒産するところが出てきます。
一括でその物件を借りているサブリース業者が倒産すれば、入居している人とその先の契約もなくなるため、大きな損害になります。
物件に対して非常に信頼が無くなり、イメージが悪くなれば、入居する人をその後募集する際にも非常に影響があります。
そのため、契約するサブリース業者の体力は非常に大切です。

 

サブリース前に5つの確認すべきこと

想定している家賃は妥当か

サブリース業者は、家賃の設定を家賃の実際の相場よりも高いものにして、高い利回りに見せる場合がよくあります。
というのは、契約を自社と結んでもらいたいからです。
新築して間が無い時期は、家賃を高めに設定しても入居する人がいるし、高い保証家賃になるため問題はありません。
しかし、この家賃がずっと継続するということで資金プランをローンの返済などで立案すれば、家賃を見直しする際に考えてもみなかったような値下げになり、資金繰りに行き詰まることもあります。

また、周りの物件の家賃の相場をネットでチェックしましょう。
あまりにも家賃が周りの物件の相場と違っていれば、どうしてその家賃にしているか営業マンに必ず確認する必要があります。
満足できる回答がなければ、そのサブリース業者を止めることも検討しましょう。

家賃の見直しまではどの程度の期間か

家賃の見直しまでの期間としては、初めは2年〜10年、その後は2年〜5年ごとになる場合が多くあります。
家賃の見直しがあまり頻繁にあれば、家賃収入がよく変わる恐れがありますが、一方長い期間になれば、サブリース業者としてはなかなか見直しする機会がないため、リスクがないように低目の家賃になる可能性があります。
そのため、営業マンにどうしてその期間にしているかや、家賃の従来の見直し実績などを確認しておきましょう。

・免責期間はいいか

先にご紹介したように、一般的に、サブリースの場合は免責期間が設定されています。
一括借り上げでなかった場合でも、家賃収入が入居している人が退去したすぐ後は無いため、特に免責期間は理不尽なものではありません。

しかし、必ず免責期間がいいかどうかはチェックしましょう。
基本的に、免責期間としては、入居する人を募集する新築した際は2ヶ月〜3ヶ月、入居していた人が退去した後は1ヶ月です。
このような期間を免責期間がオーバーしていれば、理由を確認しておきましょう。
免責期間が説明なしに6ヶ月になっていたような事例があるそうなので、注意しましょう。

修繕費や原状回復費用は誰が負担するか

老朽化や劣化した際の修繕費や退去した後の原状回復費など、建物を維持するために必要ないろいろな費用は、家主とサブリース業者のいずれの負担になるかも必ずチェックしましょう。
サブリース業者が見かけ上は負担していても、家賃から実際には引き落としになっていることもあります。
このような費用は、サブリース業者が負担する方がいいということでなく、トータル的に満足できる仕組みになっているかが大切です。
最も良くないのは、考えてもみなかったような費用が何十年後に生じたり、費用を知らない間に払い続けていたりすることです。
賃貸経営をする場合は、きちんとお金の流れを掴んでおきましょう

解約する際に違約金があるかどうかと予告する期間

基本的に、サブリース業者は解約にならないように選択することが大切ですが、万一解約する場合もあるでしょう。
そのため、解約する際の条件についてもチェックしておく必要があります。
サブリース業者によっても違っていますが、解約する際に予告する期間は半年以上前になっている場合が多くあります。

また、解約する際の違約金は、予告する期限を過ぎた場合だけ発生したり、期限とは無関係に発生したりすることもあります。
さらに、サブリースの場合は、サブリース業者が入居している人と契約しているため、家主に入居している人の連絡先を教えてくれるケースと、教えてくれないケースがあります。

解約する場合は、家賃を振り込みする口座を変えるために入居している人に連絡するなどが必要になります。
そのため、入居している人の情報が分からなければ、連絡先を解約する際に教えてくれるかをサブリース業者に事前に確認しましょう。
入居している人と連絡ができなくて、解約した後も家賃が以前のサブリース業者に振り込みされるようなケースもあります。

 

今話題の「サブリース」トラブルのまとめ

ここでは、今話題の「サブリース」トラブルについてご紹介しました。
このようなサブリースのトラブルを見ると、心配になる人もいるのではないでしょうか。

しかし、基本的に、サブリースと言うことでもリスクが無いものなどはありません。
また、管理の全てをサブリース業者に任せると負担は少なくなりますが、リスクはやはり残ります。
一括借り上げでない場合でも家賃の見直しは発生し、この場合は空室リスクに対して自分で対応を考える必要があります。

また、サブリースは従来いろいろなトラブルや訴訟が生じたために、このようなことをベースに契約内容などに関して現在は改善が相当行われています。
このようなサブリースのリスクを把握して、いくつかの選択肢を比べたうえで、自分で決定することが大切です。
サブリースを選択する方がいいか、サブリースの場合でもどのような業者を選択するか、詳しくチェックして、いくつかの業者やプランを比べて、最も適したものを選択することが大切です。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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