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サブリースってどんなシステム?メリットやデメリットは?

更新日:2021年03月10日
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家賃収入で悠々自適な老後生活。誰もが憧れますよね。
でも家賃収入を得るためには、入居者がいなければいけない。入居者が決まらず収入が無いという状態になるのはちょっと不安だな…。
その家賃を保障してくれる、サブリース(転貸借)というシステムがあります。
サブリースとは一体どういうシステムなのか。またメリットやデメリットなどを詳しく見ていきましょう。

サブリースの仕組み

サブリースとは、又貸し・転貸の事で、簡単に言うと建物の一括借り上げや空室保障のことを言います。
サブリース会社が、大家さんから建物を一括して借り上げ、入居者と賃貸契約をします。
そしてサブリース会社は入居者から家賃を支払われる、サブリース会社はリース料を大家さんに支払うという仕組みです。
 

マスターリースとサブリースの違い

 マスターリースとは、サブリース会社が大家さんから建物を一括して借り上げる賃貸契約の事です。つまり、マスターリースの契約によって、サブリース会社が入居者との契約を結べる事になりますので(=サブリース)、本来は別々の契約を指すサブリースとマスターリースですが、一般的にサブリースと言えばこの二つの契約のセットということですね。

サブリースの契約時に確認すべきこと

サブリースの契約を検討されている方は、以下の点の確認をしましょう。
・契約期間…サブリース契約の多くは「新築後10年」と定められていることが多いそうです。中には「30年一括借り上げ」という契約もあるそうです(ただし問題点として後述しますが、注意が必要です)。

・契約賃料…サブリース契約の家賃保証率は、家賃収入の80%~90%と言われています。つまり、サブリース会社へ支払う費用は、家賃収入の10%~20%ということになります。
そして、契約更新は2年ごとに行われることが多いそうです。契約書に「賃料は2年ごとに見直しをする」や「10年後に見直しをする。それ以降は2年ごとに見直しをする」などの記載があるはずですので、よく確認しておきましょう。

・更新…契約が10年だった場合、それ以降契約更新をしてもらえなくなる可能性があります。それだけではなく、契約内容に「〇ヶ月前に通知することにより途中解約できる」などという記載があれば、途中解約されてしまう可能性があります。
それはなぜかというと、サブリース会社と契約をしているというだけで、一般入居者と変わらない普通の賃貸契約だからです。
ですので、仮に契約書に「途中解約を禁止する」や、逆に「30年間解約いたしません」などの文言があっても、契約が普通の賃貸契約である限り、その契約は無効になってしまいます。

借主の途中解約は法律で認められている権利で、具体的には、一般入居者やサブリース会社を保護する借地借家法第30条の強行規定や、消費者契約法第10条があります。これらの条文により、借主の利益を一方的に害する特約が無効となり、借主の中途解約が認められる場合があるからです。

この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。(借地借家法第30条)

民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。(消費者契約法第10条)

・免責期間…サブリース会社が、入居者募集の期間として、大家さんに賃料の支払いを免除してもらうという期間の事です。
サブリース会社によって期間は異なるようですが、大体は1ヶ月~3ヶ月程だそうです。ですが、中には半年程度の期間を設けていたり、さらには空室が出るたびに免責期間を設ける会社もあるそうです。
半年間も免責期間があれば、仮にすぐに入居者が決まってもその間賃料は入ってきませんし、空室が出るたび賃料の支払いを免除されたのでは、結局リスクを負うことになり、何のためのサブリース契約なのかわからなくなってしまいます。
ですので、契約の際には免責期間がどのようになっているのか、しっかりと確認する必要がありますね。

・原状回復費用…壁紙の張り替えや、部屋のクリーニングなどの原状回復の費用は、いったいどちらが負担するのかという問題です。
通常、入居者が汚した個所などは、入居者の敷金などから支払いますが、そうでない箇所はサブリース会社もしくは大家さんが支払うことになります。

基本的には、原状回復費はサブリース会社の負担、大掛かりな修繕などは大家さんの負担になることが多いようですが、契約内容によっては原状回復費用まで大家さんが負担するという記載になっていることがあるそうです。
また、サブリース会社の指示通りでないと契約更新を断られたり、相場よりも高額な工事費を請求されることまであるようです。
免責期間同様、よく確認しておきましょう。

・解約…サブリース会社との契約をやめたい場合、簡単に解約できるのかどうかという点ですが、解約については信頼関係が崩壊している場合や、正当な理由が無い限り、「サブリース会社の同意・合意」がなければ解約できません。

 それはなぜかというと、借地借家法第28条があるからです。

建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。(借地借家法第28条本文)

つまりどういうことかというと、大家さんとサブリース会社との契約は、大家さんと一般入居者の方との契約と同じということです。
例えば入居態度が良くない一般入居者の方との契約でも簡単には解約ができないように、サブリース会社との解約をするには正当な理由が必要ということになります(サブリース会社から賃料が支払われないなど)。

サブリースのメリット・デメリット

 ではここで、サブリースのメリットとデメリットを確認してみましょう。

メリット

デメリット

・空室リスクの回避

一括借り上げの為、空室による賃料収入が無いというリスクは避けられます。

・家賃収入が最大ではない

先述したとおり、家賃収入は80~90%程度です。

・滞納リスクの回避

滞納による減収やトラブルを回避することができます。

・入居者を選ぶことができない

入居者はサブリース会社が選びます。空室を避けるためにも、大家さんが望んでいないようなモラルの低い人などが入居してくる可能性があります。

・管理業務を任せることができる

例えば

*家賃の集金・管理

*家賃滞納時の集金業務

*空室時の入居者募集

*入居希望者への対応

*入居者からの要望・クレームの対応

など

・サブリース会社倒産のリスク

後述する「サブリース会社の倒産リスクや問題点」にて、詳細に触れています。

・確定申告の簡素化

入居者との契約はサブリース会社が行っているので、収支がシンプルで管理が簡単です。そのため確定申告も簡単にできます。

・免責期間がある

先述したとおりです。

・入居者トラブルの回避

入居者の大家さんはサブリース会社ですので、訴訟などの相手になることはありません。仮にトラブルが発生しても、賃料に影響もありません。

・定期的に家賃が見直される

先述したとおりです。

 

・原状回復費、修繕費の負担

先述したとおりです。

 

・解約トラブル

先述したとおりです。

 

・新築時の工事費のトラブル

サブリース会社が建築から引き受けることが多いそうですが、その建築費を含めて相場より家賃が高くなり、その分高い家賃保証で還元するというのが1つの手のようですが、後々家賃見直しなどで家賃が下がっていくと、本当に還元されるのか、よく考える必要があります。

サブリース会社の倒産リスクや問題点

「30年一括借り上げ」といううたい文句を掲げているサブリース会社もあるようですが、ここで少し考えてみましょう。例えば株式会社などの会社の存続率は、創業から10年で約95%だそうです。サブリース会社が倒産してしまえば、サブリース会社が管理していた敷金などを回収できないというトラブルも考えられます。
サブリース会社とのトラブルだけで考えると、契約時の担当者が大体2~3年で異動になってしまうということもあります。例えば契約時に口約束で「賃料は30年下げません」などという話をしていたとしても、そもそも口約束は証拠にならないうえ、担当者もいなくなってしまったというのではどうにもならなくなります。
また、30年経ったアパートなどを、借りようとする人がどれほどいるでしょうか。さらに言えば、少子化も進む中、本当に借り手がつき続けるでしょうか?お住まいの地域が人口減少をしている場合は、なおさら注意が必要です。

まとめ

 あまりいい話が聞こえてこないというか、デメリットが多く感じるサブリースですが、全くメリットが無いわけではありません。大家さんにとっていい会社を見つけて、本当にきちんと保証をしてくれて、プラスになるのかどうか、考えて契約することが大切ですね。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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