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不動産売却における税金と受けられる4つの特例&控除

更新日:2018年12月29日
不動産売却における税金と受けられる4つの特例&控除のアイキャッチ

不動産の住宅や土地などを売却する際には、印紙税、所得税、住民税がかかります。
印紙税は、売買契約の際に、売買契約書、領収書に必要になります。
所得税と住民税は、利益が出た場合に確定申告をする際にかかります。
所得税を納付する期限は、毎年3月15日までです。
住民税は、確定申告の後、納付書が5月に送られてきます。

譲渡所得の有無

不動産の住宅や土地などを売却して獲得したお金は、「譲渡所得」になります。
この譲渡所得に基づいて、所得税、住民税は計算されます。

 

譲渡所得の計算方法は?

譲渡所得の計算は、不動産の取得費や売却時の譲渡費用を売却価格から差し引きます。
所得税と住民税が、このように計算した譲渡所得額に対してかかります。

ここでは、4000万円の購入価格、130万円の購入時の諸費用、4500万円の売却価格、160万円の売却時の諸費用の土地の場合について、譲渡所得を計算する方法についてご紹介しましょう。
4500万円の売却価格から4000万円の購入価格、130万円の諸費用、160万円の売却時の諸費用を差し引くと、210万円の譲渡所得になります。
税額はこの210万円の譲渡所得に基づいて計算します。
計算した結果、マイナスに譲渡所得がなれば、確定申告は必要なく、所得税も住民税もかかりません。

 

譲渡所得における取得費とは?

譲渡所得は、売却価格から譲渡費用と取得費を差し引いたものであるため、取得費はつまり経費になります。
購入価格も取得費に含まれます。
取得費としては、購入手数料以外に、改良費や設備費なども含まれます。
建物の場合の取得費は、減価償却費をトータルの購入価格から差し引いたものになります。
というのは、減価償却費が建物の場合にあるためです。

 

取得費は減価償却分を引くことができます。

耐用年数が建物にはあるため、建物の取得費として経費で差し引きができるものは、だんだんと時が経つにつれて減額してきます。

しかし、購入価格を経費としてそのまま差し引くことはできません。
建物が業務用の場合は計算を法定耐用年数で行いますが、マイホームなどの業務用でない場合は法定耐用年数の1.5倍で行います。
建物の取得費は、取得価額から減価の額あるいは減価償却費相当額を差し引きます。
居住用の業務用でない建物の減価の額は、建物の取得価額の9割に経過年数と償却率を掛けます。

なお、建物の取得費の限度は、建物の取得価額の95%になります。
6ヶ月以上の経過年数の場合は、端数が6ヶ月未満の場合は切り捨てて、端数は1年とします。

建物の償却率としては、次のようになっています。

・木骨モルタルの場合は0.034
 ・鉄骨(鉄筋)コンクリートの場合は0.015
 ・3mm以下肉厚の骨格材の金属造の場合は0.036
 ・3mm超4mm以下肉厚の骨格材の金属造の場合は0.025

古くから持っていたり、相続したりした不動産は、取得費がはっきりしない場合も多くあります。
このような場合は、取得費としては譲渡対価の5%になります。

例えば、土地の売却価格が4500万円の場合は、取得費が4500万円の5%で225万円になります。
取得費がはっきりしない場合のみでなく、実際の取得費とこの方法で計算した額を比較した際に、不利でない方を選ぶこともできます。

 

譲渡所得から経費として諸費用分も減額

経費としては、土地の売却価格から、購入価格以外に諸費用の登記費用や仲介手数料も差し引くことができます。
取得費として差し引きができるのは、次のようなものがあります。

・建物や土地の購入価格(はっきりしない場合は取得費は売却価格の5%になる)
 ・仲介手数料
 ・契約する際の印紙代
 ・登記費用
 ・不動産取得税
 ・造形の地ならしなどの費用
 ・土地を埋め立てる費用
 ・土地にあった建物を取り壊す費用

 

不動産売却で使える4つの控除

1.居住用不動産譲渡の3,000万円控除

自宅を売った際は、3,000万円を譲渡所得から控除することができます。
これには自宅と一緒に売った敷地についても含まれます。
つまり、自宅を売った際に3,000万円までの利益の場合は、納税する必要はありません。
3,000万円控除が適用になるのは、次のような要件です。

・自宅とその敷地である
 ・居住用不動産の買換え特例やこの特例などを、譲渡した前々年と前年に受けていない
 ・譲渡が夫婦・親族間やオーナーに自分がなっている会社でない

名義が夫婦の共有になっている自宅を売った際は、3,000万円の控除を妻・夫のそれぞれが使えます。
そのため、全体の不動産で考慮すると、控除額としては2人が3,000万円ずつになるため6,000万円になります。
なお、この3,000万円の控除は、確定申告をすると適用されます。
ですので、譲渡所得が3,000万円の控除をして0円になった場合でも、確定申告を必ず行うことが必要です。

 

2.所有期間10年超の自宅を売却した場合の軽減税率

所有期間が10年超の自宅を売った場合、6,000万円までの譲渡所得の金額の部分については、一定の要件をクリヤーすると住民税と所得税の税率が次のように低くなります。

・6,000万円までの部分は、住民税率が4%、所得税率が10%
 ・6,000万円超の部分は、住民税率が5%、所得税率が15%

なお、居住用不動産譲渡の3,000万円控除と一緒に、軽減税率の特例は適用されます。
所有期間が10年超の自宅を売った場合は、3,000万円が譲渡所得からまず控除されます。
そして、軽減税率が6,000万円までの残額の部分について受けられるようになります。

軽減税率の特例が適用になるのは?

・自宅とその敷地である
・この特例を譲渡した前々年と前年に受けていない
・譲渡した自宅や敷地を所有している期間が、譲渡年の1月1日において10年超である
・居住用不動産の買換特例を譲渡した自宅や敷地について受けていない
・譲渡が夫婦・親族間やオーナーに自分がなっている会社でない

 

3.居住用不動産を買い替えた場合の特例

自宅を売ったお金で新しくまた自宅を買ったという「買換え」の場合は、所得は一定金額までは無かったという特例があります。
例えば、自宅を3,000万円で売って、また自宅を4,000万円で買った場合は、自宅を売って獲得した3,000万円は新しく自宅を買うために使われているため、お金は手元に全く残っていません。
買換え特例をこの場合に適用すれば、所得が3,000万円の前の自宅の譲渡に関しては無かったとして取り扱われます。

一方、自宅を4,000万円で売って、自宅を3,000万円で次に買った場合は、売って獲得した4,000万円の中で新しく自宅を買うために3,000万円は使われているため、1,000万円が手元に残っています。
買換え特例がこの場合に適用になれば、課税されるのは1,000万円の手元に残っているもののみになります。
居住用不動産の軽減税率や3,000万円控除と一緒には、居住用不動産の買換え特例は適用されません。
どのような特例が節税になるかについては、自宅を売る前に検討する必要があります。
無かったことに今回された譲渡金額は、自宅を将来譲渡した際にまとめて加算されて課税されます。
適用が一緒にできない3,000万円控除については、繰り越されて将来課税されるということはなく、控除されたままになります。
このようなことを、買換え特例を使う際には注意しましょう。

買換え特例が適用になるのは以下の様な条件

・10年以上の居住期間で、しかも、譲渡した自宅や敷地を所有している期間が譲渡年の1月1日で10年超である
 ・譲渡が平成27年12月31日までに終わっている
 ・1億円以下の譲渡対価である
 ・買い換えた自宅は、50平方メートル以上の居住用の床面積である
 ・譲渡が夫婦・親族間やオーナーに自分がなっている会社でない

4.自宅を売却して損失がでた場合の特例

住宅ローンが自宅を売って獲得したお金で完済できなく、住宅ローンの残高が残った際は、別の所得の給与所得などと損益通算ができます。
損失がこれでも出る際は、相殺を次の年から3年間の所得と行うことができます。

また、住宅ローン控除とこの特例は併用できます。
なお、譲渡が平成27年12月31日までに行われたものに限定されます。
住宅ローンが自宅を売っても完済できなく、住宅をその後賃貸するなどして別のところに住む際は、「特定の居住用不動産の譲渡損失の損益通算・繰り越し控除」が適用になります。
この特例が適用になるのは、次のような要件です。

・譲渡した自宅とその敷地を所有している期間が、譲渡年の1月1日において5年超である
 ・譲渡は平成27年12月31日までに終わっている
 ・自宅に係る10年以上の償却期間の住宅ローン残高が、譲渡した自宅を売買契約する前の日にある
 ・この住宅ローンの残高を自宅の譲渡対価が下回っている
 ・譲渡が夫婦・親族間やオーナーに自分がなっている会社でない
 ・繰り越し控除の場合は、3千万円以下にこの年のトータルの所得額がなっている

損失が自宅を売って出たが、また新しい自宅を住宅ローンを新しく組んで買った際は、「居住用不動産の譲渡損失の損益通算・繰り越し控除」が適用になります。
この特例が適用になるのは、次のような要件です。

・譲渡した自宅とその敷地を所有している期間が、譲渡年の1月1日で5年超である
 ・買換え資産について10年以上の償却期間の住宅ローンを、買換え資産の取得年の12月31日において有する
 ・居住用に買換え資産の取得年の次の年の12月31日までの間に供する、あるいは、この見込みである
 ・譲渡が夫婦・親族間やオーナーに自分がなっている会社でない
 ・繰り越し控除の場合は、3千万円以下にその年のトータルの所得額がなっている

 

売却後にかかる所得税・住民税の税率

譲渡所得に対する所得税と住民税の計算は、次のようになります。

・所得税は譲渡所得に所得税率を掛ける
・住民税は譲渡所得に住民税率を掛ける

所得税に2.1%を掛けた復興特別所得税が、平成25年~平成49年まではさらに別に課税されます。

所得税率と住民税率

・所有5年以下の短期譲渡所得の場合は、所得税率が30%、住民税率が9%
・所有5年超の長期譲渡所得の場合は、所得税率が15%、住民税率が5%

なお、不動産を相続した場合の所有期間は、不動産の取得日からで相続日からではありません。

例えば、210万円の譲渡所得の場合の税額は、次のようになります。

・所有5年以下の短期譲渡の場合は、所得税が630,000円、住民税が189,000円、復興税が13,230円、トータルの税額が832,230円
・所有5年超の長期譲渡の場合は、所得税が315,000円、住民税が105,000円、復興税が6,615円、トータルの税額が426,615円

税額以外では、不動産業者に支払う仲介手数料が高くなります。
このようなものをトータルすると考えている以上に高くなるため、必ず事前に試算しておきましょう。

 

不動産売却で考えられる節税対策

不動産売却の際には、節税対策として売却する時期を調整することが考えられます。
税金として不動産の建物や土地などを売った際の譲渡所得にかかる金額は、5年以下・5年超の所有期間で大きな違いがあります。

・5年以下の所有期間の場合は、所得税率と住民税率のトータルが39%
 ・5年超の所有期間の場合は、所得税率と住民税率のトータルが20%

このように、5年以下の所有期間と5年超の所有期間の税率の違いは、19%にもなります。
例えば、100万円の譲渡所得の場合の違いは19万円、200万円の譲渡所得の場合の違いは38万円、1000万円の譲渡所得の場合の違いは190万円になります。
所有期間がもうちょっとで5年超になるような場合は、5年超になってから売る方が税金は圧倒的に安くなります。
10年超の所有期間の場合、特例として10%の所得税率、4%の住民税率に軽減されるものがあります。

 

不動産売却における税金と受けられる4つの特例&控除まとめ

不動産の住宅や土地などを売却する際には、印紙税、所得税、住民税がかかります。
不動産の住宅や土地などを売却して獲得したお金は「譲渡所得」になり、この譲渡所得に基づいて、所得税、住民税は計算されます。
譲渡所得の計算は、不動産の取得費や売却時の譲渡費用を売却価格から差し引きます、取得費としては、購入手数料以外に、改良費や設備費なども含まれます。
建物の取得費は、取得価額から減価の額あるいは減価償却費相当額を差し引きます。
経費としては、土地の売却価格から、購入価格以外に諸費用の登記費用や仲介手数料も差し引くことができます。

不動産売却で使える居住用不動産譲渡の3,000万円控除、所有期間10年超の自宅を売却した場合の軽減税率、居住用不動産を買い替えた場合の特例、自宅を売却して損失がでた場合の特例を上手く利用しましょう。
不動産売却の際には、節税対策として売却する時期を調整することが考えられます。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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