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入居したら必ず確認!退去の時にはもう遅い?

2018年03月30日 公開
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敷金トラブルになる前に

賃貸物件を退去する際に、「この傷は入居する前からあった」「いや、このような傷は無かった」などというように、トラブルが先々発生しないように、部屋の状態を入居したすぐ後にチェックしておきましょう。

 

入居後に確認したい10のチェックポイント

入居したすぐ後、理想的には可能な限り家具を入れる前に、部屋の傷や汚れなどの状態をスマホやデジカメで日付を入れて写真を撮って、不具合が設備などに無いか記録しておきましょう。
というのは、入居している人の過失あるいは故意で発生した汚れ・傷については、原状回復の費用を入居している人自身が負担する必要があるためです。
退去する際に、部屋の傷についてトラブルにならないように、このような入居したすぐ後の写真は証拠として残しておきましょう。

また、快適に入居した後に住むためにも、入居してから1週間のうちを目途に、きちんと設備などが使用できるか、お湯や水は出るか、排水はできるか、スムーズに引き戸や扉が開くかなどを十分にチェックし、故障や不具合などがあれば管理会社やオーナーに伝えましょう。

入居した後に確認したい10のチェックポイントとしては、次のようなものがあります。

ポイント1:クロスの剝がれや汚れが壁にないか
ポイント2:目に付くような汚れや傷が床にないか
ポイント3:汚れが天井にないか
ポイント4:スイッチ、照明、コンセントなどは使用できるか
ポイント5:設備類の換気扇、エアコン、インターホンなどは使用できるか
ポイント6:穴や破れがふすまや網戸にないか
ポイント7:玄関ドア、間仕切り、扉、ふすま、引き戸は問題なく動くか
ポイント8:臭いや詰まりが配水管にないか
ポイント9:きちんとお湯や水は出るか
ポイント10:洗面所やお風呂の床・壁にカビがないか

入居後部屋をきれいに保つのは義務!

基本的に、「普通に入居している人が暮らしてできた汚れや傷はオーナーが負担する」となっていますが、逆に言うと、入居している人がメンテナンスや掃除をしなかったため、被害が大きくなったような傷や汚れは、入居している人が負担するようになります。

例えば、水漏れがエアコンからしているにも関わらず、メンテナンスをしないで壁が腐った場合、油汚れやカビをそのままにしておいてハウスクリーニングの普通のものでは処置ができない場合などが挙げられます。
つまり、「賃貸物件の部屋をいつも掃除して、設備が故障したままにしない」ということは、入居している人が敷金トラブルに遭わないための義務であると考えておきましょう。

賃貸契約書&重要事項説明を確認した?

賃貸物件に申し込みをして、審査に受かると賃貸借契約を結ぶようになります。
賃貸借契約の場合は、条件として不利なものはないか十分に注意してチェックしましょう。
賃貸借契約書は不動産用語の難しいものがあるため戸惑うかもしれませんが、ここでは、必ずチェックする必要がある重要事項説明についてご紹介しましょう。

重要事項説明というのは、不動産業者の宅建取引主任者が最終的に「このような条件で、このような部屋で契約するが、いいか」と説明してチェックするものです。
重要事項説明の内容は、オーナーと取り交わす契約書と似ていますが、意味合いは基本的に違っています。
基本的に、契約は重要事項説明で了解してから結ぶようになるため、「重要事項説明の内容が了解できないため契約を結ばない」ということもできますが、同じ日に実際には行われるため判断をその場で行うのは困難です。
目を通しておくために、重要事項説明の書類を事前に入手できないか頼んでみましょう。

敷金トラブルになる「特約」とは?

契約書や重要事項説明は多くの文字があり、よく分からない不動産用語があるために、読むのが面倒であるというようについなってしまうでしょう。

しかし、この際に「借主に有利でない契約書」に署名して捺印すると、先々トラブルになる場合もあるため注意しましょう。
「どのように敷金返還についての特約がなっているか」については、最低でもチェックする必要があります。
一般的に、入居している人は原状回復が退去する際に義務化されています。
原状回復は、「部屋の状態を入居する前に戻す」ということでなく、国土交通省のガイドラインでは普通に生活して汚れた場合はオーナーが負担するのが基本であると決められています。

また、入居している人にこの基本以上の負担を要求する「特約」を設定している場合も多くあり、特約には「敷金から退去する際のハウスクリーニング費用は補う」などと書かれています。
この特約が了解できるものであるか必ずチェックして、分からなことがあれば営業担当者に確認しておきましょう。

先に現状回復ガイドラインについても知っておこう

原状回復というのは、入居している人に義務化されたもので、「入居している人の過失や不注意によって起きた汚れや傷の修復は借主が負担する必要がある」というものです。
ここでは、「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」という東京都が国土交通省のガイドラインをベースに作ったものを参考にして、オーナーが負担するものと入居している人が負担するものについてご紹介しましょう。

・お風呂

壊れていない古い給湯器を次に入居する人のために換える場合は、オーナーの負担になります。
空焚きによってお風呂が壊れた場合は、入居している人の負担になります。

・キッチン

冷蔵庫の背面の壁が黒くなった場合は、オーナーの負担になります。
使った後の手入れが良くなく、油やススが付いているキッチンの油汚れは、入居している人の負担になります。

・床

家具を置いたことによるカーペットや床の設置跡やへこみは、オーナーの負担になります。
飲み物などがこぼれて手入れが足りなくてカビやシミが発生した場合は、入居している人の負担になります。

・壁

自然現象の日射などによってクロスの色が変わった場合や、下地ボードを張り替えする必要がないくらいのピンや画鋲などの穴がある場合は、オーナーの負担になります。
結露が発生してそのままにしたことによってシミやカビが拡がった場合や、下地ボードを張り替えする必要があるくらいのネジ穴やクギ穴がある場合は、入居している人の負担になります。

 

最後に確認しておきたい7つのポイント

最後に、「ルール」についてチェックしておきましょう。
更新したり、退去したりする際のルールや禁止事項の、払うお金に関してのルールについては必ずチェックしておく必要があります。

また、考え違いがないか、設備に関してもチェックしておきましょう。
例えば、「エアコンが見学した際にはあったが、重要事項説明書には書いていない」というような場合は、以前に入居していた人の残置物の可能性もあります。
オーナーは、このような設備が故障した場合には修理する義務がないため注意しましょう。

ポイント1:更新料は、更新する際に1ヶ月分の家賃を払う場合があり、無いところも多くある
ポイント2:更新手数料は、不動産業者に更新する際に払うもので、必要な場合もある
ポイント3:保証料は、システムが保証会社によって違っているため、説明を必ず受ける必要がある
ポイント4:退去予告は、2年の契約期間が多いが、中途解約の場合は1ヶ月~2ヶ月前である

例えば、「2ヶ月前」の退去予告になっている場合は、転勤が急にあって転居しても、家賃は退去して2ヶ月間は払う必要があります。

ポイント5:禁止事項は、楽器演奏、ペット飼育がNGな場合が多くある
これ以外に、石油ストーブを使ったり、事務所として使ったりするのは、NGな場合があります。

ポイント6:設備としては、後付けできるガスコンロ、エアコンなどは以前に入居していた人の残置物でも、そのまま使用しても問題ない

なお、オーナーは、このような設備が故障しても修理する義務はなく、必要ない場合は当然ですが、処分してくれます。

ポイント7:万一の際の連絡先は、設備のトラブルなどがあった際に連絡する電話番号など
なお、連絡先は、賃貸物件を斡旋した不動産業者と考えがちですが、他の管理会社であったり、オーナーになっていたりする場合も多くあります。

 

トラブルになったら専門家にまず相談

原状回復のトラブルが発生した場合は、弁護士にまず相談するのがおすすめです。

しかし、弁護士に相談する際は費用が高額になるため、なかなか不安になるのではないでしょうか。
ここでは、原状回復のトラブルについて弁護士に相談した際の費用などについてご紹介しましょう。
弁護士に相談する際は、原状回復の費用以外に費用が多額にかかるのではと不安になるかもしれません。
弁護士報酬に関して決められている基準は、現在は無くなっています。
そのため、弁護士報酬は個々に決めており、費用もいろいろです。

また、弁護士報酬としてある程度目安になるものとしては、平成16年に廃止になった日本弁護士連合会が決めていた古いものがあります。
この古い弁護士報酬の規定は次のようになっています。
法律相談などの場合で、初めての市民法律相談料は、30分について5,000円~10,000円の一定額で、一般の法律相談料は30分について5,000円以上~25,000円以下です。
鑑定を書面で行う場合は、鑑定料が特殊・複雑でなければ10万円~30万円です。

民事事件の非訟事件・訴訟事件・行政事件・家事審判事件・仲裁事件の場合で、経済的な事件の利益額と着手金、報酬金の関係

・300万円以下の場合は、経済的利益額に対して着手金は8%、報酬金は16%
・300万円超3000万円以下の場合は、経済的利益額に対して着手金は5%に9万円をプラス、報酬金は10%に18万円をプラス
・3000万円超3億円以下の場合は、経済的利益額に対して着手金は3%に69万円をプラス、報酬金は6%に138万円をプラス
・3億円超の場合は、経済的利益額に対して着手金は2%に369万円をプラス、報酬金は4%に738万円をプラス

一方、原状回復のトラブルが解決しなければ、訴訟や調停になります。

訴訟と調停はどのように違うのでしょうか?

訴訟というのは、お互いの言い分を裁判所でぶつけて決着を判決でつけるものです。
裁判所に訴状を出して、これが受け付けされると裁判になります。
判決が出て2週間経つと確定し、強制執行ができるようになります。

調停とは?

裁判所でトラブルになっている当事者同士が調停委員や裁判官と一緒に話し合いをして、合意をお互いがすることによってトラブルを解決するものです。
基本的に、話し合いを当事者同士が行う場合はなく、個々に両者が呼ばれて自分の言い分を話すようになります。
原状回復の後で納得がどうしてもできないことがあると、訴訟をすぐに起こせますが、調停の申し立てもできます。
調停の申し立ての際は、裁判所の事務官が申込書を作るために相談に乗ってくれます。
調停の際もアドバイスを調停委員が行ってくれるため、弁護士などは特に必要ありません。

訴訟の場合は?

弁護士が相手についていると、こちらの側にもほとんど間違いなく弁護士をつける必要があります。
当然ですが、この際には弁護士費用が必要になります。
原状回復のトラブルが大きくなると、労力も費用もその分かかるようになります。
そのため、原状回復に関してもし納得できないことがあれば、可能な限り早いうちに弁護士に相談するようにしましょう。

 

入居したら必ず確認する項目のまとめ

賃貸物件を退去する際に、「この傷は入居する前からあった」「いや、このような傷は無かった」などというように、トラブルが先々発生しないように、部屋の状態を入居したすぐ後にチェックしておきましょう。
入居した後に確認したい10のチェックポイントは、クロスの剝がれや汚れが壁にないか、目に付くような汚れや傷が床にないか、汚れが天井にないか、などのようなものがあります。
入居している人がメンテナンスや掃除をしなかったため、被害が大きくなったような傷や汚れは、入居している人が負担するようになります。

原状回復というのは、入居している人に義務化されたもので、「入居している人の過失や不注意によって起きた汚れや傷の修復は借主が負担する必要がある」というものです。
更新したり、退去したりする際のルールや禁止事項、払うお金に関してのルールに関しては、必ずチェックしておく必要があります。
原状回復のトラブルが発生した場合は、弁護士にまず相談するのがおすすめです。

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