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土地問題に詳しい弁護士とは?よくある不動産トラブル

更新日:2020年08月18日
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不動産でよくある土地問題、「田舎の土地」

 さまざまな契約のなかでも、大きな金額が動くことでトラブルにつながりやすい側面をもつものとして土地契約があります。土地に関する契約は、弁護士をあいだにおいて締結するケースが多いのはそのためです。ただ、どんなに注意を払っていても、相続が発生したときや不測の事態が起きた場合などには、土地問題が起きてしまうもの。土地は簡単には割り切れないものですから、土地問題は不動産にまつわるトラブルのなかでも、解決が難しい分野です。
 土地問題となると、地価の高い都会や街中の土地のほうが問題になりやすいという印象があるかもしれません。しかし、むしろ気をつけたいのは、「田舎」の土地です。その理由を簡単に説明します。

空き地・空き家の問題

 田舎で最近よく見られるようになってきているのが、空き地や空き家の問題。空き地に関していえば、使い途がなく需要のない土地だと買い手がつかないのでなかなか売却するといっても難しい面があるのです。
 また、田舎に土地だけがあるということであればまだいいのですが、その土地に建物が建てられている場合は、さらに問題が大きくなります。建物を解体するだけでもかなり費用がかさんでしまうからです。その後に土地を必ず売却できるという保証があるわけではないのに、わざわざ費用をかけて解体を行いたくないという人が多くなるのも無理はありません。このように、田舎での空き地空き家問題は、どんどん大きくなるばかりという現状があります。

所有権を放棄することはできる?

 それでは、その土地を所有する権利を放棄してしまえばいいではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、不動産は簡単に所有権(あるものを使用、収益、処分する権利)を放棄することができません。基本的には、不動産を処分する場合は、二つの方法があります。一つは第三者への売却。もう一つは、自治体への寄付です。
 売却するのが難しそうなときは、寄付してしまえば早そうなイメージもありますが、自治体が寄付を受け入れるのもケースバイケースです。やはり、できるだけ早く本気で処分したい場合には、売却するほかありません。

移転登記には費用がかかる

 所有権は放棄することができませんが、誰かに無料で譲ることは可能です。それでも、所有権を移転するためには登記する際の費用が必要となります。この費用には、以下の二つがあります。

  • 登録免許税
  • 不動産取得税

土地を所有すれば当然固定資産税もかかってきますし、田舎の土地は買主にとって無料であっても魅力的にはうつらないのです。

相続放棄

 誰にとってもあまり魅力のない田舎の土地を相続することになった場合、相続放棄の手続きをとれば相続を回避することができます。ただし、次の相続人が決まるまでのあいだは、土地の管理自体は続けていかなければならないので注意しましょう。また、相続放棄の手続きにも費用はかかります。

 やはり、土地は不動産業者に買い取ってもらうのが一番効率的であるといえるでしょう。

よくある土地問題、「境界線」

 土地を売買するときには、いくつかの問題点が浮上する場合が少なくありません。そのひとつが、境界線の問題です。
 土地を財産として見る場合、重要となる境界線。境界線をどのように引くかによって、その土地がもっている価値が大きく異なってしまうケースもあります。境界線を引く際には、一定のルールがありますので、土地の売買を検討している場合はきちんと押さえておきましょう。

境界線とは?

 境界線には大きく分けて、以下の通り、3種類あります。

  • 隣地境界線(りんちきょうかいせん)
  • 敷地境界線(しきちきょうかいせん)
  • 道路境界線(どうろきょうかいせん)

 隣地境界線は、民間において一つの敷地と、他方の敷地とのあいだにある線のことです。建物を造る際は、この境界線を基準に建築上のいろいろな取り決めごとが定められています。
 敷地境界線は、敷地を境目とする線のことです。例えば、河川や公園がある場合はこれらを利用して境界線を作ります。
 道路境界線は、その名の通り、道路との境目で境界線を設けたものです。

境界線をめぐったトラブル

 もし、土地を売却したいと思ったとき、境界線についてきちんと認識していなかったばかりに、自分の土地だと思っていた部分が隣接地だったということがあります。
 また、家のまわりに塀を作る場合も、どこからどこまでが自分の所有する土地かを理解していないとトラブルになりやすいです。自分が隣接地に塀を建ててしまったり、隣接地の所有者が自分の土地に塀を建ててきたりして、厄介な問題に発展することがあります。

 このような問題が起きてしまうのは、単に、境界線についてのあいまいな認識が原因です。境界があいまいになってしまうことの原因の一つは災害や火事などで、やむを得ず境界線がおびやかされてしまうということが挙げられます。もう一つは、人為的なミスによるもので、これが意外と多いので気をつけたいところです。

よくある土地問題、「住宅購入」

 境界線問題のほかに、土地にまつわるトラブルが起きやすいのは住宅を購入する際です。住宅を購入するときに必要となる重要書類は、2つあります。

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書

この2つのうち、売買契約書は売買時の支払いなどで行き違いが起きないように作成する書類です。そして、もう一方の重要事項説明書には、不動産についての細かい情報が書き込まれています。
 重要事項説明書には、たくさんの専門用語が使われているので十分に理解ができず、契約したあとになって重要な条件について知らなかったという問題に発展しやすいの注意が必要です。
 例えば、住宅と土地の持ち主が違う場合もありますし、住宅や土地に思いもよらないような重大な瑕疵があることも考えられます。住宅を購入するときには、慎重に確認を重ねて間違いが起きないように努めましょう。不明点があったら絶対に放置しないようにしてください。

不動産のトラブルを回避するには

 土地をめぐるトラブルは、いったん問題になってしまうとなかなかすぐには解決せず、長くひきずることがあります。そうなってからでは遅いのですが、できるかぎりトラブルを回避するために対策しておくことで、問題に発展する可能性をかなり減ずることができます。

不動産売買でよくあるトラブルのタイプは3つ

 対策するために、まずはどんなトラブルが起きやすいのかを押さえておきましょう

  1. 当事者に関するもの
  2. 目的物に関するもの
  3. 契約内容に関するもの

土地の売却を進めていた人物がじつは所有者本人ではなく、その家族だったというケースなどは、当事者に関する問題です。また、買おうとしている土地に問題があったという場合や、契約内容どおりに約束が遂行されないといった場合などがあります。
 上記の3つのパターンを押さえておけば、おおかたのトラブルを回避することができるでしょう。

 自分が売主の場合も同様です。買い手となる人物が、どのような人なのか、契約通りに支払いなどを行ってくれるのか、慎重にチェックするべきですし、売ろうとする土地に問題がないか確認することも大切。
 自分一人で判断するのが難しい場合は、必ず専門家を頼って確認に確認を重ねて一歩一歩契約を進めていきましょう。

不動産でわからないことは弁護士へ相談

 土地を売却する場合、また購入を検討している場合、トラブルが生じたときは当然ですが、生じる前から専門家に相談しておく姿勢がとても重要です。
 問題が大きくなってしまってからでは1つ1つの対応が困難になってしまい、費用もかさんできます。大切なことは、先手をとってまずは専門家に相談してみること。
 とくに、土地などの不動産に関することは、裁判に発展するようなこともあり得ますので、できるだけ土地問題に知見や経験のある弁護士に相談するのが望ましいでしょう。

まとめ

 単純に割り切ることができないぶん、土地に関してはトラブルになりやすいので十分注意するべきです。田舎の土地は簡単には処分ができませんので、不動産業者に足元をみられてしまいかねません。境界線問題や、住宅購入の際独特の注意点など、気をつけるべきことが山ほどあります。これから土地の売買を行う予定があって、少しでも不安を感じるならば、弁護士への相談が不可欠。土地問題、契約に詳しい弁護士を選んで、安心して土地の売買を行っていきましょう。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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