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相続登記って誰に頼むの?書類や流れを1から説明

2018年10月16日 公開
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相続登記って

 不動産を所有している方が亡くなられたときに必要になる相続登記。主に、不動産の名義を変更にするためのものです。法務省によると、不動産の相続などに伴って発生する登記件数は、年間約100万件以上にもなるとのこと。未了となるケースも数多く発生しているようです。未了案件があとをたたない理由としては、相続登記には法的な義務がないということが挙げられるでしょう。名義を変更しないからといって、直ちに問題や不都合が生じるわけではありません。その一方で、手続きは面倒ですし、多忙のなかでわざわざ時間を割くことが難しいというわけです。
 しかし、相続登記は早めに行っておくことでのちのち起こり得るトラブルを回避できることがあります。以下で詳しく説明していきますので参考にしてください。

相続登記の必要書類

 相続登記の必要書類は、登記の種類によって異なります。登記の種類は、以下の4タイプです。

  • 遺産分割協議による場合
  • 法定相続分による場合
  • 遺言により法定相続人に相続させる場合
  • 遺言により法定相続人以外に承継させる場合

 それぞれの場合について、相続登記の必要書類を説明していきます。

遺産分割協議による場合

  必要書類
被相続人に関連する書類 ・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍

・被相続人の住民票の除票

 

相続人に関連する書類 ・相続人全員の現在の戸籍謄本

・遺産分割協議の結果、相続することが決まった人の住民票

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑証明書

その他の書類 ・固定資産評価証明書

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法定相続分による場合

  必要書類
被相続人に関連する書類 ・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍

・被相続人の住民票の除票

相続人に関連する書類 ・相続人全員の現在の戸籍謄本

・相続人全員の住民票

その他の書類 ・固定資産評価証明書

遺言により法定相続人に相続させる場合

  必要書類
被相続人に関連する書類 ・遺言書

・被相続人が死亡した際の戸籍謄本

・被相続人の住民票の除票

相続人に関連する書類 ・遺言により相続する相続人の現在の戸籍謄本

・遺言により相続する相続人の住民票

その他の書類 ・固定資産評価証明書

遺言により法定相続人以外に承継させる場合

 遺言が残されていて、相続人以外の第三者に対する遺贈があった場合、登記原因は「相続」ではなく「遺贈」となります。なお、遺言執行者が定められている場合といない場合では、添付書類が異なるので注意が必要です。

  必要書類
被相続人に関連する書類 ・遺言書

・被相続人が死亡した際の戸籍謄本

・被相続人の住民票の除票

・権利証または登記識別情報

受遺者に関連する書類 ・受遺者の住民票
その他の書類 ・遺言執行者の印鑑証明書

・固定資産評価証明書

※遺言執行者が指定されていない場合は、遺言執行者の印鑑証明書の代わりに、被相続人の相続人全員の印鑑証明書と、被相続人の相続人全員の現在の戸籍謄本が必要となります。

相続登記の流れ

 では、相続登記はどのような流れで行われるのでしょうか。もし、自分で登記を行う際の具体的な流れを説明します。

1. 相続登記の方法を調査
 相続登記には専門的な知識が必要となります。また、財産に関わる大切な手続きですので、間違いのないように細かい部分まで綿密に調査することが求められます。書店や図書館で参考となる書籍を探しても、専門家向けのものが多く、一般向けに書かれたものを探すのは難しいです。そのため、おすすめの調査方法はインターネットを使うこと。ただし、ネット上の情報は真偽のほどが見極めにくいので、鵜呑みにしないように注意しましょう。

2. 法務局で相談する
 専門的な部分でわからないところを法務局で相談します。電話でも良いですが、できれば出向いて担当者に直接尋ねる方が確実でしょう。ただ、平日にしか窓口が開いていないので会社を休むなどして行く必要があります。

3. 被相続人や相続人の戸籍謄本などを集める
 相続人になる人を調査するために、関係者の戸籍謄本を収集します。それぞれの戸籍謄本などを役所へ取りに行きます。これも平日のみの対応です。もし、被相続人が生前引越しを繰り返していたり、隠し子があったりすると、少し厄介です。必要書類を収集するだけでも時間がかかるので、そのつもりで予定を組む必要があります。

4. 遺産分割協議書を作成する
 この工程は、基本的には相続人全員で集まって協議します。不動産は、住所だけではなく、所在地や家屋番号などがあり、登記手続きする際にはそうした情報が必要となります。正確な情報でないと、遺産分割協議書が無効になってしまうので、十分に慎重を期すべきです。

5. 遺産分割協議書に署名と実印を押印
 相続人全員が印鑑証明書を取得し、遺産分割協議書に署名と実印を押印します。相続人のなかに未成年の人がいる場合は、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらうことで相続手続きを行います。

6. 固定資産評価証明書を取得
 相続登記をする際には、登録免許税が発生します。この納税金額を算出するために必要となるのが、固定資産評価証明書です。都税事務所や市区町村役場でもらえます。

7. 登記申請
 登記申請書を作成し、登録免許税の現金を準備し、必要書類を持参して法務局へ。

8. 相続登記が完了
 登記識別情報と、登記事項証明書を受け取ります。

 もし、書類に不備があるとやり直しになるため、提出前によく確認しましょう。

相続登記の期限

 相続登記には期限があります。期限がない上に、法律上の義務もありませんので、放置されるケースがどうしても増えてしまいます。たしかに放置することでの罰則などはないのですが、デメリットがないわけではないのです。
 例えば、相続登記がなされていない場合は、不動産を売却することはできません。それに、不動産を担保にすることもできません。また、きちんと相続登記を行わずにうやむやになってしまうことで、他の相続人に不動産を処分されてしまうケースもあり得ます。
 また、時間が経ってから相続登記をしようとしても、できなくなってしまうことがあったり、できたとしても費用が高くなるケースがあるのです。というのも、相続登記を放置している期間に相続人が死亡した場合、相続人が増えてしまいます。もし数十名の相続人となると、全員から実印をもらうことは実質的に不可能でしょう。

相続登記でよくあるトラブル

 不動産の相続登記にはトラブルがつきものです。一番多いのが、名義変更がしっかり行われていなかったためにトラブルに発展するというケース。親御さんがお亡くなりになられて、不動産を相続した場合、名義人が親御さんではなく祖父・祖母であったということがあり得ます。すでに亡くなっている名義人の戸籍謄本を集めるのはとても大変なことです。
 また、相続人が一人しかいないというケースはごく稀で、ほとんどの場合は複数います。そこで話し合いをして遺産分割協議書を作成するのですが、話し合いの結果、意見が衝突することは少なくありません。
 元の名義人が投資用の物件を所有していた場合は、管理者が決まりにくく、トラブルの元となりやすいです。家賃の回収や建物の修繕を含めた管理業務を行っている場合、これを相続する人を決めることは容易ではありません。

相続登記は誰に頼むのが1番か

 相続登記は、登記を行う者に特段必要な資格というものもありませんし、ネットでの調査や法務局へ直接質問するなどして時間をかければ自分で行うことも可能です。しかし、実際に手続きを初めてみると、集めなければいけない書類や調査が必要なことの多さに辟易としてしまうかもしれません。自分で相続登記をするとなると、相続人たちの間で生じる衝突のケアも含めて、全てを引き受けることになります。
 安心して相続登記を進めたいならば、やはり次に挙げるような専門家の力を借りるのが確実でしょう。

  • 司法書士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 弁護士

 それぞれに担当する業務が少しずつ違いますので、注意が必要です。相続登記の手続きは、司法書士か弁護士に依頼します。戸籍謄本の収集は行政書士を、相続税の申告なら税理士を、遺産分割でもめた場合は弁護士を頼りましょう。

まとめ

 どんなことでも早め早めに対応することが望ましいわけですが、こと相続登記に関しては、できるだけ早く手続きを完了させるべきでしょう。自分でやれば費用を節約できそうに感じられるかもしれませんが、かえって高くつくということもあり得ます。スピーディーにスムーズに、ストレスなく相続登記を完了するためには、専門家を利用することが得策です。

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