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これだけは押さえたい不動産の名義変更のメリット・デメリット

2017年09月02日 公開
これだけは押さえたい不動産の名義変更のメリット・デメリットのアイキャッチ

不動産が共有名義の場合、それぞれの共有名義人は、自由に自分の持ち分の枠内で売ることはできます。

しかし、共有不動産の持ち分の取引の場合は、不動産を買ったとしても、自由にその不動産が使えるということではありません。
そのため、第三者の買い主を見つけることは難しく、もし第三者が買っても交渉が共有名義人と必要であったり、トラブルになる恐れがあります。
一般的に、共有不動産の場合は、売買するのは共有名義人同士がいいため、不動産業者の中には共有名義人との交渉や意見調整を行うところもあります。

共有不動産とはどのようなもの?

共有不動産というのは、不動産の一つを複数の人が持ち分という比率で持ち合っているものです。
共有不動産のメインは、相続した建物・土地ですが、遺産分割が終わっていなくてそのままになっているものや遺産分割が相続トラブルなどのためにできないものも多くあります。
また、資金を兄弟姉妹、夫婦などで出し合って不動産を買って、登記を共有名義で行った場合などもあります。
共有不動産の場合は、実際に使っていなかったり、意見が共有名義人同士で違っていたりするため、売るための話が進まない、管理が面倒であるなどの理由で、共有不動産の自分の持ち分を処分したいと思っている人が多くいるようです。

名義変更が必要な時って

では、名義変更が必要なのはどのような時なのでしょうか?
子供に自宅を贈与したい、共有不動産を離婚したため名義を単独のものに変えたいなど、持ち主が変わる時は、名義変更が必要になります。
不動産の登記簿に書かれている名義を変えたいということもあるでしょう。
名義は、所有権が移転すると変えることができます。

登記簿の名義は、所有権が移転すると変える必要があります。
名義変更は、添付書類を用意したり、申請書を作ったり、法務局へ申請したりする必要があります。
ここでは、名義変更が必要になる主な所有権が移転する要因についてご紹介しましょう。
所有権が移転する要因としては、以下が挙げられます。

・不動産を遺言によって譲り受けるという遺贈
・自宅を子供や配偶者に贈与するという生前贈与
・不動産を売ったり、買ったりするという不動産売買
・不動産の持ち主が亡くなるという遺産相続
・離婚によって、夫の名義の自宅を妻の名義に変えたり、名義を共有のものから単独のものに変えたりするという離婚財産分与
・会社が分割・合併して、新しくできた会社が不動産を引き継ぎするという会社の分割・合併
・自分が所有している土地と別の人が所有している土地を交換するという不動産の交換
・不動産を借金を返す代わりに渡すという代物弁済
・登記簿の名義が違っていたため、正しいものに変えるという真正な登記名義の回復

 

共有不動産の名義変更のメリット

ここでは、共有不動産の名義変更のメリットについてご紹介しましょう。
共有不動産の名義変更の最も大きなメリットとしては、2重に税制上の優遇措置が受けられることでしょう。
税制上の優遇措置は、大きく分けると、住宅ローン減税と住宅を売った際の特別控除があります。

・住宅ローン減税

住宅ローン減税とは、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除される制度です。
仮に住宅ローンの残高が4,000万だとした場合、その1%=40万円分の所得税が

この税額控除の場合は、夫と妻のそれぞれの住宅ローンの残高について適用できます。

例えば、夫の住宅ローンの残高が2200万円、妻の住宅ローンの残高が1000万円の場合は、2200万円と1000万円について1%ずつ税額控除ができます。
現在、住宅ローン減税としては、4000万円が最高で、この1%、つまり40万円が税額控除の対象になります。
しかし、40万円も所得によっては税金を払っていない場合もあります。

例えば、500万円程度の年収の場合は、住民税と所得税をトータルしても30万円程度にしかならないでしょう。
このような年収の人が住宅ローンとして4000万円のものを利用した場合、本来であれば減税の効果が40万円ありますが、減税の効果は30万円になります。
しかし、500万円の年収の夫が住宅ローンとして3000万円、300万円の年収の妻が住宅ローンとして1000万円を利用した場合は、夫が30万円、妻が10万円の税額控除になり、最終的に世帯全体では40万円の税額控除になります。

また、将来、子供ができたなどのために妻が扶養の枠内で仕事をしたり、仕事を辞めたりすれば、住宅ローン減税が適用されない恐れがあるため注意しましょう。
なお、住宅ローン減税を利用する場合は、ペアローンという債務者に夫と妻がなる必要があります。
連帯保証の場合は、直接の債務者にならないため住宅ローン減税は利用できません。

・住宅を売った際の特別控除

住宅を売った際の特別控除は、マイホームを売った際に3000万円の特別控除が譲渡益に対して受けられるものです。
共有名義であれば、夫と妻に3000万円の特別控除がそれぞれ受けられるため、メリットが高額物件を売る場合などにあります。
名義が単独の場合は、住宅を売った際の儲けが3000万円以上になった場合に課税されますが、名義が夫と妻の共有のものの場合は、6000万円までは課税されません。
しかし、この金額は売却価格ではなくて儲けであるため、普通のマイホームを売る場合とは少し違ってくるでしょう。

共有不動産の名義変更のデメリット

共有不動産の名義変更は、先にご紹介したようなメリット以外に、当然ですがデメリットもあります。

ここでは、共有不動産の名義変更のデメリットについてご紹介していきます。

共有不動産の名義変更で多いデメリットとしては、妻が仕事を辞める場合と離婚する場合です。

妻が仕事を辞めるということは、妻が出産したなどの場合にあり得ることであるため、事前に検討しておく必要があります。
共有不動産の名義変更について十分にデメリットを把握した上で、どうするか検討しておきましょう。

正直言って、離婚に関しては避けれないケースもあるでしょうから、最悪のケースとして離婚するリスクがあることを想定して対応する必要があるでしょう。

・妻が仕事を辞めた場合

共有不動産の場合は、妻が将来的に仕事を辞めると面倒になります。
貯金や妻の退職金などで住宅ローンを返済するといいでしょうが、夫が妻の住宅ローンを返済するような場合は注意しましょう。
妻に対する贈与であると、夫が妻の住宅ローンを返済することが見なされるためです。

しかし、贈与に関しては110万円ほど年間の控除があるため、110万円未満に住宅ローンの妻の返済分がなっている場合は贈与税は課税されません。
なお、妻に対する贈与にこの返済分はなり、妻のローンを夫が返済しても、夫のものにはこの分はなりません。
離婚などの場合は、妻の財産としてこの分は扱われるため注意しましょう。

また、このようなトラブルを防ぐために、妻が仕事を辞めた時に登記を変えることもできます。
将来の負担額を考慮した上で、再度持ち分を調整します。
しかし、登記する場合は、登録免許税や登記費用などがかかり、専門家にこれを頼むと費用もかかります。

・離婚した場合

離婚した場合は、最もトラブルになります。

共有不動産はそれぞれの財産になりますが、物理的にこれを分けて住むということはできません。

例えば、夫が住んで、妻は出ていくようになります。
または、不動産を売って、持ち分に応じて売却代金を分けるようになります。
住宅を買ってから間がない時に離婚するような場合は、特に問題になります。
このような場合は、住宅ローンがあまり返済されていないためトラブルによくなります。

例えば、名義が共有になった状態で、家を夫が出たとしましょう。
名義が共有になっている際に家を売る場合は、夫と妻の双方の了解が必要になります。

この際、連絡が元の夫と取れないと売ることもできなくなります。
しかも、名義を共有していた人が亡くなった場合は、持ち分が相続人に移るためさらに面倒になります。
そのため、名義を共有するのを解消するといいのではないかと考えるかもしれません。

しかし、銀行が了解しないため解消することもできません。
名義を変えると、住宅ローン契約も変わります。
年収が特に多くない人に名義が移る場合は、銀行から名義を変えることを断られる場合が多くあります。
このようなことから、名義を変更しないで、妻や夫が住み続けてトラブルになる場合があります。

共有名義不動産の名義変更の際のよくあるトラブル

共有名義不動産のトラブルと一言で言っても、いろいろなケースがあります。
ここでは、共有名義不動産の名義変更の際のよくあるトラブル事例と解決する方法についてご紹介しましょう。

・相続で譲り受けた2人の兄妹の共有名義不動産で悩んでいる事例

父親が亡くなったため、実家の50坪の土地の不動産は、兄と妹の共有名義になりました。
兄も妹も家をそれぞれすでに持っていたため、兄は実家の50坪の土地を売ろうと考えて妹に相談した結果、妹は金融機関から融資してもらってアパートを経営したいということでした。

いずれを選ぶ場合でも、両方の了解が必要であるため悩んでいました。
解決する方法としては、50坪の土地の不動産を調査して、売るとどの程度の価格になるか、採算がアパートを建てた場合に合うかなど、トータル的に判断した結果を報告しました。
これをベースにして十分に兄妹で話し合って、最終的に売るようになって、解決が円満にできました。

・離婚したいが、夫婦の共有名義に不動産がなっているため悩んでいる事例

夫は、妻と10年間一緒に暮らしていましたが、子供もいなく離婚することになりました。
夫婦は、結婚した際に土地付きの戸建てのマイホームを買っていました。
家は共有名義で、夫が6、妻が4でした。
夫は家を出て行って賃貸住宅で生活する予定ですが、妻は再婚を考えています。

自宅の住宅ローンはまだ20年以上残っています。
解決する方法としては、夫婦間売買を夫と妻で行いました。
妻が夫の持ち分を買取するようにして、この際、住宅ローンを妻の名義で借りて、住宅ローンの残債務を完済しました。
この結果、名義は不動産も住宅ローンも妻になって、離婚が問題なくできました。

・多くの共有名義人がいるため話がまとまらなく、前に進めない事例

父親が亡くなって7人の兄弟が相続して、共有名義で実家の不動産を受け継ぎました。
先に長男は亡くなったため、長男の子供が受け継ぐようになって、10人の共有名義人になりました。
10人の共有名義人の考えは、実家の土地を分筆して分譲したい、売りたい、実家に住みたいなどいろいろでした。
そのため、まとめ役は非常に悩んでいました。
解決する方法としては、10人の共有名義人の意見をまず聞いて、方向性についてまとめました。
まとめ役の人が、共有名義人の持ち分の共有不動産を、最終的に買取するようになりました。
まとめ役の人が、9人の共有名義人の持ち分を買取したため、解決することがスムーズにできました。

トラブルになった時は誰に相談すればよいか?

では、トラブルになった時は誰に相談すればよいのでしょうか?
トラブルになった時は、不動産問題に精通する弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士であれば、不動産の取引、賃貸に関係するトラブルなど、不動産についての全てのトラブルを解決することができます。
不動産についてのトラブルとしては、以下などが挙げられます。

・土地の借り主、貸し主とのトラブル
・不動産の買い主、売り主とのトラブル
・賃貸アパート、賃貸マンションの賃貸人とオーナーとのトラブル
・隣人との境界を巡るトラブル
・マンションの管理組合と住人とのトラブル

不動産についてのトラブルは、非常に範囲が広いものですが、法的にいろいろ解決する方法があります。
弁護士事務所では、依頼する人の希望を叶えるために、最も適した方法を選んで、的確・迅速に解決します。

不動産の名義変更のメリット・デメリットのまとめ

ここでは、名義変更が必要な時って、共有不動産の名義変更のメリット、共有不動産の名義変更のデメリット、共有名義不動産の名義変更の際のよくあるトラブル、トラブルになった時は誰に相談すればよいか? についてご紹介しました。

共有不動産の名義変更の場合は、ここでご紹介したようなことを事前に把握しておくことによって、トラブルを防ぐことができるでしょう。

また、もしトラブルになった場合は、弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば、不動産の取引、賃貸に関係するトラブルなど、不動産についての全てのトラブルを解決することができるためおすすめです。

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