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民泊新法施行押さえておきたい「民泊の法律」

更新日:2019年07月09日
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旅館業法・住宅宿泊事業法・民泊条例の比較

最近、民泊を始める場合はどのようなことから着手すればいいかということをよく耳にします。

個人宅をネットの仲介サイトを使って貸すような民泊の新しいタイプのものが、今まではありませんでした。
そのため、民泊の新しいタイプのものの法律を整備するため、政府の検討会が2015年11月から定期的に開催されました。
この法律の整備と準備と一緒に、民泊条例を国家戦略特区において施行したり、一部の旅館業法を緩和したりするなどのため、ますます、民泊はどのようにすれば始められるかが分かりにくくなっています。

旅館業法・住宅宿泊事業法・民泊条例の比較について

旅館業法は簡易宿所営業、住宅宿泊事業法は現在検討中の家主居住型、家主不在型、民泊条例は大阪市のものになります。
家主居住型の定義は、住宅宿泊事業者が人を届出住宅に宿泊される間居住しており、一時的な不在以外に住宅宿泊事業者が不在にならないケースとされています。
一方、家主不在型は、届出住宅の家主居住型に該当しない全てのものになります。

このような家主居住型の定義は、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、住宅宿泊事業を始める場合は必要に大切です。
さらに、家主居住型について詳しく把握したい場合は、ネットなどで紹介されているため確認してみましょう。

・行政への手続者は、簡易宿所営業、家主居住型、家主不在型、民泊条例の全てが事業者
・行政への申告は、簡易宿所営業が許可、家主居住型と家主不在型が届出、民泊条例が認定
・上限の営業日数は、簡易宿所営業がなし、家主居住型と家主不在型が180日、民泊条例がなし
・宿泊日数制限は、簡易宿所営業、家主居住型、家主不在型がなし、民泊条例が2泊3日以上
・建物用途は、簡易宿所営業が旅館・ホテル、家主居住型と家主不在型が住宅、長屋、共同住宅あるいは寄宿舎、民泊条例が住宅、長屋、共同住宅
・苦情受付者は、簡易宿所営業が事業者、家主居住型が家主(事業者)、家主不在型が住宅宿泊管理業者、民泊条例が事業者
・フロント設置は、簡易宿所営業が基本的になし、家主居住型、家主不在型、民泊条例がなし
・居室の床面積は、簡易宿所営業が3.3㎡以上、家主居住型と家主不在型がなし、民泊条例が25㎡以上
・行政の立入検査は、簡易宿所営業、家主居住型、家主不在型があり、民泊条例が条例で制定
・住居専用地域での営業は、簡易宿所営業が駄目、家主居住型が自治体によっては条例で禁止、家主不在型が可能、民泊条例が基本的に駄目
・自動火災報知器は、簡易宿所営業が要、家主居住型が消防法令で規定、家主不在型と民泊条例が要
・契約形態は、簡易宿所営業、家主居住型、家主不在型が宿泊契約、民泊条例が賃貸借契約
・宿泊者名簿は、簡易宿所営業、家主居住型、家主不在型、民泊条例とも要
・標識の掲示は、簡易宿所営業、家主居住型、家主不在型、民泊条例とも要
・目的は、簡易宿所営業が投資収益、家主居住型が文化交流、家主不在型が休眠地活用、民泊条例が投資収益
・収益性は、簡易宿所営業が○、家主居住型と家主不在型が△、民泊条例が○

このようなことから、民泊を始める目的で、民泊としてどのタイプを選択するといいか決まります。

民泊を文化交流のために始めたい場合

民泊を外国人と異文化交流したいために始める場合は、住宅宿泊事業法の家主居住型が最もおすすめです。
家主居住型の場合は、民泊が行政へ届出することで始められるため、割合手軽に始められます。

しかし、衛生管理の最低限の措置をしたり、宿泊者の名簿を作ったり、安全を確保したりするなどの条件があります。
さらに、条例による住宅宿泊事業の実施の制限という地元の事情が反映できる仕組みが採用されているため、大きく儲けるためには適していません。

 

民泊を自分が持っている休眠・遊休資産を利用して始めたい場合

田舎の相続した実家が空き家のままになっているため、できるだけ利用したいという場合は、住宅宿泊事業法の家主不在型が最もおすすめです。
家主不在型の場合は、「管理者」と言われる行政に登録した人に管理を任せる必要があります。

そのため、費用が管理者に任せるためにかかるため、民泊で儲けることは困難でしょう。
しかし、賃貸の場合とは異なって、メリットとして自分が実家を使うようになった際に立ち退きでトラブルにならないということがあります。

 

民泊を投資するために始めたい場合

民泊を始める際に、不動産を買ったり、賃貸物件を転貸したりする場合は、民泊を旅館業法の簡易宿所で始めることが選択肢の一つになるでしょう。
旅館業法の簡易宿所の場合は、基本的に、厳しい条件が消防設備などにおいてあったり、営業が住居専用地域ではできなかったりすることがあるため、初期にある程度大きなものを投資して回収するような感じになります。

住宅宿泊事業法の場合は、180日が営業日数の上限になる予定です。
そのため、物件を買う費用と初期に投資する費用が回収できない場合もあるでしょう。

しかし、賃貸借契約で180日をオーバーする日数は利用するなど、ビジネスとして賃貸借契約と民泊を組み合わせることによって成立することもあります。
つまり、住宅宿泊事業法で投資する際は、いかに上手く民泊の他の施設を利用するかがポイントになるでしょう。

行政への申告形態の違い

旅館業の簡易宿所営業許可が、旅館業を営業するには必要です。
民泊を営業するには、民泊条例が国家戦略特区で施行されているエリアでは認定が必要です。
つまり、民泊を営業するために行政に申請して、旅館業の簡易宿所の場合は許可、民泊条例の場合は認定がそれぞれ必要になります。

一方、住宅宿泊事業法の場合は、事業者が届出を都道府県知事に行うとされており、住宅宿泊事業法の場合は、届出すると民泊を営業することができます。
このため、許可や認定と届出は非常に違いがあります。

 

滞在期間の条件

旅館業の簡易宿所と住宅宿泊事業法の場合は、宿泊施設を1泊2日からサービスすることができます。
一方、滞在期間の条件が、民泊条例の場合はあります。
2015年当時の民泊条例が制定された頃は、滞在期間の条件として6泊7日以上というものが設定されていました。

しかし、ほとんどの外国人の観光客は、6泊以上しないので、数件だけの民泊条例の営業認定申請であり、ほとんど民泊条例は利用されないような状況でした。
大阪市では、このように制度が利用されない状況を改善するため、滞在期間の条件を2泊3日に変更しました。

営業日数が大幅に制限されました

旅館業の簡易宿所や民泊条例の場合は、制限が営業日数にはありませんが、住宅宿泊事業法の場合は、営業日数の上限として180日以下というものが設けられています。

外国においては、年間の宿泊日数の上限が、イギリスは90泊、オランダのアムステルダムが60泊と設定されています。
この営業日数制限が、住宅宿泊事業法の場合は最大のポイントになるでしょう。

宿泊者人数に一定の制限があります

旅館業の簡易宿所、民泊条例、住宅宿泊事業法とも、宿泊者人数制限はありません。
外国においては、オランダのアムステルダムは宿泊者人数制限として8人が設定されています。
住宅宿泊事業法の検討会においては、公衆衛生上のリスクが宿泊者数が多くなると高くなるということから、意見として1日あたりの宿泊者人数制限が必要であるというものがありましたが、この制限は最終的にありませんでした。

苦情受付者の設置が新たに追加されます

旅館業の簡易宿所や民泊条例の場合は、営業許可を事業者として受けているため、当然ですが、事業者が苦情を受け付けるようになります。
一方、住宅宿泊事業法の家主居住型の場合は、宿泊施設に家主が住んでいるため、苦情は家主が受け付けるようになります。

では、住宅宿泊事業法の家主不在型の場合は、誰に宿泊施設についての苦情を言うといいのでしょうか?
家主不在型の場合は、「住宅宿泊管理業者」という宿泊施設を管理することを国に登録した人が住宅を管理するようになります。
そのため、この住宅宿泊管理業者が、家主不在型の場合は大きなポイントになります。
なお、住宅宿泊管理業者については、ネットなどで紹介されているため確認してみましょう。

行政立ち入り検査が必要です

住宅宿泊事業法の家主居住型と家主不在型の場合は、立入検査・報告徴収が行政によって行えるように進められています。
この立入検査・報告徴収は、違法な営業を確認するためにも大切でしょう。

旅館業法で閣議決定が2017年3月に行われた一部改正案では、立入検査が無許可民泊について実施できるようになりました。
民泊条例については、「立入検査権限は、特定認定(民泊の旅館業法適用除外)の取消事由への該当性を判断する時に限って条例で制定できる」と決まっています。

 

用途地域区域の制限があります

民泊を始める場合は、用途地域が問題になります。
なお、用途地域というのは、無秩序にさまざまな用途の建物が混じらないように、建てられる建物を地域ごとに決めているものです。
旅館業法の簡易宿所の場合は、基本的に、旅館やホテルが建築できる地域でのみ営業することができます。

また、例外として、用途地域に設けられる特別用途地域については、旅館業法の簡易宿所の場合でも営業することができます。
国家戦略特区の住宅宿泊事業法の場合も、基本的に、旅館やホテルが建築できる地域でのみ営業することができます。

条例において、営業することが用途地域を越えて認められる場合もあります。
詳しいことについては、「大阪府の民泊条例に対する市町村の反応」を確認してみましょう。
住宅宿泊事業法の場合は、基本的に、前提がすでにある住宅を貸すことにしているため、営業を住居専用地域でもすることができます。
しかし、自治体の条例などによっては、営業が住居専用地域ではできない場合も考えられるため、必ず条例については確認しておきましょう。

 

自動火災報知機などの設置義務

次にご紹介するような消防設備を設置することが、旅館業法や民泊条例の場合は義務化されています。
住宅宿泊事業法の場合は、消防設備の条件が家主居住型あるいは家主不在型かで違ってきます。
なお、詳しいことについては、「住宅宿泊事業法(民泊新法)の消防設備」を確認してみましょう。
民泊を始める際には、費用が自動火災報知器などを設置するためにかかるため、非常に負担になります。
住宅宿泊事業法の家主不在型の場合は、消防設備として旅館やホテルと同等のものを設置することが必要になります。

物件の契約形態について

旅館業法の簡易宿所に宿泊する際は、「宿泊契約」として部屋に1泊2日宿泊するようなものになります。
住宅宿泊事業法の場合でも、宿泊が1泊2日からでもできる予定であるため、宿泊契約にこの場合はなります。

しかし、民泊条例の場合は、建物を賃貸する「賃貸借契約」になります。
賃貸借契約の場合は、契約書を契約するごとに作ることが必要になるなど、煩雑な作業になるでしょう。

民泊の法律のまとめ

民泊を始める場合は、旅館業法・住宅宿泊事業法・民泊条例の比較について把握しておく必要があります。
このような比較をすることによって、民泊を始める場合は、民泊としてどのタイプを選択するといいか決まります。

民泊を文化交流のために始めたい場合は、住宅宿泊事業法の家主居住型が最もおすすめです。
民泊を自分が持っている休眠・遊休資産を利用して始めたい場合は、住宅宿泊事業法の家主不在型が最もおすすめです。
民泊を投資するために始めたい場合は、民泊を旅館業法の簡易宿所で始めることが選択肢の一つになるでしょう。

民泊を営業するためには、旅館業の簡易宿所の場合は許可、民泊条例の場合は認定、住宅宿泊事業法の場合は届出になります。
旅館業の簡易宿所と住宅宿泊事業法の場合は、宿泊施設を1泊2日からサービスでき、民泊条例の場合は、滞在期間の条件が2泊3日です。
旅館業の簡易宿所や民泊条例の場合は、制限が営業日数にはありませんが、住宅宿泊事業法の場合は、営業日数の上限が180日以下です。
また、民泊を始める際には、苦情受付者の設置が新たに追加、行政立ち入り検査が必要、用途地域区域の制限、自動火災報知機などの設置義務、物件の契約形態などがあるため、注意しましょう。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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