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住宅ローン控除を受けるための必要書類!確定申告は必須!

更新日:2021年01月05日
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住宅ローン控除・住宅借入金等特別控除というのは、所得税から10年間年末の住宅ローン残高の1%が控除されるものです。
確定申告をすれば、この住宅ローン控除・住宅借入金等特別控除が受けられます。
確定申告というのは、税務署に年間所得を申告して納税する、あるいは還付申告をすることです。
会社員は、その年の概算の所得税額が月々の給料から先に引かれています。
そのため、確定申告をすることによって、住宅ローン控除・住宅借入金等特別控除で、控除された金額がすでに納付した所得税額から還付されるようになります。

住宅ローン控除最大の控除額は?

最大の住宅ローン控除の控除額は、次のようになっています。

・一般住宅の場合は、控除期間が10年間、年末の住宅ローン残高の上限が4000万円、控除率が1%、10年間の最大の控除額が400万円
・長期優良住宅と低炭素住宅の場合は、控除期間が10年間、年末の住宅ローン残高の上限が5000万円、控除率が1%、10年間の最大の控除額が500万円

なお、この住宅ローン控除は、2021年12月31日までに入居する際に適用になります。
また、消費税率として住宅を取得する費用に含まれるものが、8%あるいは10%の場合です。
一般住宅の場合は、住宅ローン控除額を最大で400万円が10年間(年間に40万円)で受けられるため、金額としては非常に大きなものになります。

しかし、所得税から実際に還付される金額の上限については、納付した税額になります。
年間に40万円が所得税から控除されるためには、年末に4000万円以上の住宅ローン残高がある、あるいは40万円以上所得税を納付していることが必要になり、控除額は実際には借入額や年収によって違ってきます。
なお、控除が所得税からし切れなければ、住民税からも一定の限度で控除されます。
最大の住民税からの控除額は、次のようになっています。

・住民税からの控除率は、課税されるトータルの所得額などの7%に当たる金額で、上限は13万6500円

なお、この住民税からの控除額は、2021年12月31日までに入居する際に適用になります。
また、消費税率として住宅を取得する費用に含まれるものが、8%あるいは10%の場合です。

 

住宅ローン控除を受けるための要件は?

1.受けるための要件に関して

住宅ローン控除を受けるためには、一定の要件があります。
ここでは、住宅ローン控除を受けるための要件についてご紹介しましょう。
このような要件を確認して、要件を満たしている場合は確定申告を行いましょう。

住宅ローンの要件は?

・10年以上の返済期間である
・住宅を取得するための借入金である、あるいは、住宅と土地を一緒に取得するための借入金である
・銀行、JA、社内融資、住宅金融支援機構などからの借入金(役員になっている会社や親族などからの借入金は除外)である
・借入が勤務先からの場合は、金利が0%あるいは0.2%未満の借入金を除く

人と新築住宅の要件は?

・取得あるいは新築の日から6ヶ月のうちに住んで、しかも控除を受ける年の12月31日まで住んでいる
・住宅ローン控除を受ける年に3000万円以下のトータルの所得額である
・取得あるいは新築した住宅において50m㎡以上の登記簿上の床面積である、店舗併用住宅などの場合は2分の1以上が住むための床面積である
・3000万円の特別控除等の特例を、住んだ年とこの前後の2年間(トータル5年間)に受けていない

人と中古住宅の要件は?

先にご紹介した新築住宅の要件を満たして、さらに次の要件を満たすことが必要です。

・建築した後に実際に使われたものである
・耐火建築物のマンションなどの場合は建築した後から25年以内に取得したものである、非耐火建築物の木造など場合は建築した後から20年以内に取得したものである、建物は新耐震基準に適合するものである、贈与されたり、一緒に生計している親族等から買ったりしたものではない、のいずれかに当てはまる

※なお、新耐震基準としては、中古住宅で2年以内に既存住宅売買瑕疵保険に入っている場合も適合します。

2.[注意]いずれも受け取るには還付申告が必要です

確定申告の期間は、基本的に2月16日~3月15日です。前年の所得を翌年に申告します。
しかし、住宅ローン控除は「還付申告」になるため、確定申告は住み始めた年の次の年の1月1日からできます。
また、指定した金融機関の口座に還付金は振込されますが、早く手続きをする方が早く振込されるようになります。
住宅借入金等特別控除額の計算明細書と確定申告書に必要事項を書いて、税務署に郵送したり持参したりしましょう。

あるいは、確定申告書を国税庁のホームページで作って、e-Taxで送る方法もあります。
初めて確定申告を行うような場合は、確定申告に関する詳しい情報が分からないため、書類を書く方法が分からない、ミスするのではないか心配である、医療費控除やふるさと納税も一緒にあるので混乱する、などというように不安に思っている人もいるでしょう。

 

このような場合は、確定申告をする税務署に行って相談を

税務署では、確定申告の期間中は確定申告会場を設けており、マンツーマンで税務署の職員が相談にのってくれます。
また、確定申告の期間中は、確定申告会場を休日でも開けている場合も税務署によってはあります。
事前に住んでいるところを管轄する税務署に確認しておきましょう。

なお、確定申告会場が税務署以外のところになっている場合も、一部地域ではあるため注意しましょう。
給与所得者のサラリーマンなどの場合は、確定申告を一度済ませると、住宅ローン控除は2年目から勤め先の年末調整で手続きが終わります。
最初の確定申告が終わった後、9年分の残りの「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が税務署から届くため保管しておいて、住宅ローンの「残高証明書」が金融機関から届くため一緒に毎年末に勤め先に出しましょう。
つまり、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合は、確定申告を1回のみ次の年に行うと、その後は自分で確定申告をしなくても節税が10年間最長でできます。

しかし、個人事業主、自営業者などの場合は、確定申告が毎年必要になります。
還付申告は、住み始めた次の年の1月1日から申告書を5年間出すことができます。
そのため、確定申告をしなかったり、期限の3月15日が終わったりした場合でも、申告は5年前まで遡ってでき、住宅ローン控除が受けられます。
年度末が間近になるといろいろ忙しくなりますが、住宅ローン控除の申告をしないと節税のせっかくの機会を逃すようになります。
今から節税を10年間受けるために、用意を早めに行っておきましょう。

 

配偶者控除って?

配偶者控除あるいは配偶者特別控除というのは、税制優遇制度のことで、控除対象配偶者が所得税法において納税者である世帯主にいる場合、あるいは一定要件以下の配偶者の所得になっている場合に、一定額の所得控除が世帯主の所得からできるものです。

世帯に養う配偶者がいる場合に、暮らしに必要な費用のことを考えて、税金の負担をコントロールするためで、1961年に配偶者控除が制定され、1987年に配偶者特別控除が制定されました。
扶養控除が同じような制度としてありますが、扶養控除の場合は、対象になる人が親族で配偶者以外に適用になるものであるため、注意しましょう。
なお、先に世帯主とご紹介しましたが、世帯主だけでなく、要件を満たすと納税者で配偶者がいる場合も配偶者控除、配偶者特別控除が適用になります。
配偶者控除は、2017年までは、次の全ての要件を満たせば、控除対象の配偶者になり、38万円が帯主の所得から控除できました。

・生計を世帯主と一にしている(別居している場合でも生活費を援助している場合なども含まれる)
・配偶者であると民法によって決まっている(内縁関係・事実婚の場合は含まれない、つまり婚姻届を出している配偶者になる)
・白色申告者の事業専従者でない、あるいは、青色申告者の事業専従者として一回も給料の支払をその年を通して受けていない
・38万円以下の年間の配偶者の合計所得金額である
・収入が給料だけの場合は103万円以下の年収である

なお、老人控除対象配偶者で控除される配偶者が70歳以上の場合は、48万円の控除額になります。
合計所得金額というのは、必要経費を不動産や株式などの収入の全てから差し引いたものです。

 

2018年から配偶者控除が改正

配偶者控除は、2018年1月から仕事をする女性の就労を促すために大きく改正されました。
では、配偶者控除が改正されたことで、どのように共稼ぎ世帯の仕事の方法は変わるのでしょうか?
配偶者控除の控除額をオーバーした場合でも、住宅ローン控除と一緒にして節税ができます。
従来の配偶者控除は、基本的に、妻あるいは夫が103万円以下の年収であれば、38万円が配偶者の給料から控除になるというものでした。
103万円の年収をオーバーした場合は、段階的に控除額が少なくなっていって、141万円の年収で全く控除が無くなります。

しかし、2018年1月からの改正によって、控除の38万円が受けられるのは150万円以下の年収の妻あるいは夫に変わりました。
150万円の年収をオーバーすると、控除額が段階的に少なくなっていって、201万円の年収で全く控除が無くなります。
国としては、控除が受けられる範囲を拡大することによって、より仕事をしやすい世の中を目指すとしています。
年収制限が配偶者控除が適用になる夫に付くことが、もう一つのポイントとして挙げられます。
1120万円を夫の年収がオーバーすると、控除額が段階的に少なくなって、1220万円の年収で全く控除が無くなります。
従来は、年収制限が配偶者特別控除だけに付いていましたが、これからは収入が妻に無い場合でも、夫が高額納税者であれば配偶者控除が適用されません。

 

配偶者控除の新しい考え方

しかし、子育てが終わって就職を再度検討する場合に、少しだけ配偶者控除の上限をオーバーするような場合もあるでしょう。
では、頑張って仕事をして250万円の年収になったような場合は、控除が受けられなくなるため損するのでしょうか?
このような場合は、配偶者控除は確かに受けられませんが、妻の収入が安定することで受けられる制度として有利なものもあります。

住宅ローン控除が、この代表的なものです。
住宅ローン控除は、住宅を住宅ローンを利用して取得する人の利息を軽くするためのものですが、住宅ローンを利用する人が申請を世帯単位ではなく個人単位で行うものです。
そのため、十分に夫婦で収入があれば、住宅ローンをそれぞれが申請すると、住宅ローン控除をそれぞれが受けられます。
住宅ローン控除は、直接税額から差し引かれるものであるため、制度としては非常に有利なものです。
住宅ローン控除の場合は、10年間にわたって住宅の取得価格あるいは住宅ローンの毎年末の残高の小さい金額の1%が所得税額から控除になります。
また、その年度の所得税から控除して残った額の一部は、住民税からも控除されます。

 

住宅ローン控除を受けるための必要種類!確定申告は必須!のまとめ

住宅ローン控除・住宅借入金等特別控除というのは、所得税から10年間年末の住宅ローン残高の1%が控除されるものです。
住宅ローン控除の控除額は、一般住宅の場合は、控除期間が10年間、年末の住宅ローン残高の上限が4000万円、控除率が1%、10年間の最大の控除額が400万円になっています。
住宅ローン控除を受けるためには、10年以上の返済期間である、などというような一定の要件があります。
また、この要件は、新築住宅の場合と中古住宅の場合で違っています。

なお、住宅ローン控除を受けるためには還付申告が必要です。
配偶者控除あるいは配偶者特別控除というのは、税制優遇制度のことで、控除対象配偶者が所得税法において納税者である世帯主にいる場合、あるいは一定要件以下の配偶者の所得になっている場合に、一定額の所得控除が世帯主の所得からできるものです。
配偶者控除は、2018年1月から仕事をする女性の就労を促すために大きく改正されました。
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用する人が申請を世帯単位ではなく個人単位で行うものであるため、十分に夫婦で収入があれば、住宅ローンをそれぞれが申請すると、住宅ローン控除をそれぞれが受けられます。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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