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共有不動産、気になる税金負担は?誰が支払うのか

2018年07月31日 公開
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共有不動産というのは、不動産として共有状態あるものです。
それぞれの共有者が所有権を持分割合の範囲で持つことによって、どこの部分を一つの不動産において持つというものでは基本的にありません。
基本的に共有不動産は、相続した建物や土地に多くあり、持分登記を親族で行っていることが多くあります。

また共有不動産としては、遺産分割が終わっていなくて名義が被相続人のままになっているものや、お金を夫婦間、親子間、兄弟姉妹間などでお互いに出して買ったものもあります。
なお、不動産を複数人で買う場合は、住宅ローン借入金・自己資金も含めて、持分登記を出資した金額の割合に応じて行っておかなければ、課税が贈与としてされる場合があるため注意しましょう。

共有不動産の納税義務者は誰か?

ここでは、共有不動産の納税義務者についてご紹介しましょう。
例えば、3人の共有者で、A市B区C町1丁目1番1号の土地を持っていたと仮定しましょう。
また、共有不動産の持分割合としては、3人の共有者がそれぞれ7分の3、7分の3、7分の1ずつとしましょう。

では、このような共有不動産の場合には、固定資産税の納税義務者は誰になるのでしょうか?
地方税法についてまずチェックしてみましょう。
地方税法第10条の2の1項には、「共有物、共同使用物、共同事業、共同事業により生じた物件又は共同行為に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負う。」、2項には「共有物、共同使用物、共同事業又は共同行為に係る地方団体の徴収金は、特別徴収義務者である共有者、共同使用者、共同事業者又は共同行為者が連帯して納入する義務を負う。」と規定されています。
つまり、簡単に地方税法第10条の2を言うと、共有不動産の固定資産税は全員の共有者が払う義務があるということになります。

 

連帯債務とは?

連帯債務というのは、一つの債務を複数の人が連帯して返済する義務を負うことです。
連帯債務の仕組みは、同じ内容の一つの債務について、複数の債務者が、全てを弁済する義務をそれぞれ独立して負い、しかも全部の弁済を一人の債務者が行うと、債務を別の債務者も免れるようになっています。
また、連帯債務と同じようなものに、連帯保証債務があります。
連帯保証債務というのは、一人が弁済すると、債務者の全ての債務が無くなるものです。
この点においては、連帯債務も連帯保証債務も同じようなものです。

しかし、基本的に、連帯保証債務は、「附従性」という主な債務に従属するものがあることが大きく違っています。
連帯債務は、一般的に、債務者のそれぞれの債務が独立したものであり、主従の違いがないので、人的担保の強力なものになります。
そのため、連帯債務者に関しては、債権者は数人あるいは一人について一部あるいは全額が請求でき、この際、順次請求することも、同時に請求することも、いずれでもできます。

 

共有不動産の代表者を決める

固定資産税を共有不動産に課す市区町村としては、共有不動産の共有者であれば、固定資産税の全額を誰に対してでも請求できます。
しかし、市区町村は、実際には、固定資産税を共有者の全員に請求する場合はありません。
共有不動産の場合は、一般的に、固定資産税の納税に際して代表者を共有者の中から選んで届出してもらって、市区町村は代表者に請求をします。
例えば、共有者が3人おり、共有者の代表者が全ての固定資産税を納税する場合は、市区町村は代表者にだけ全ての固定資産税額を請求します。
代表者は全ての固定資産税額を納税した後、別の2人の共有者にその持分割合に応じて請求するようになります。

この固定資産税の納税について代表者を決定していない場合の請求する一般的な順番としては、以下の通りです。

・持分割合が最も大きい人
 ・同じ持分割合の場合は、その共有不動産がある市区町村に住んでいる人
 ・同じ持分割合で、その共有不動産がある市区町村に複数住んでいる人がいる場合は、その共有不動産を実際に使っている人、というようになります。

なお、詳しいことについては、それぞれの市区町村の条例などによって違っています。
このように、固定資産税は、それぞれの共有者の持分割合によって個別に課税することができません。
共有者全員で話し合いを行って代表者を決めると、固定資産税の納付書は代表者に送付されるため、代表者が納付するようになります。

 

よくある固定資産税トラブル

共有不動産の場合は、固定資産税トラブルがよくあります。
共有不動産のよくある固定資産税トラブルとしては、以下などが挙げられます。

・自分の持分割合に相当する固定資産税を払うのはいいが、他の人のものは払いたくない
 ・行方が分からない共有不動産の共有者がいる
 ・非常に古い時期に登記されたままの共有不動産の共有者がいる
 ・共有不動産の別の共有者に連絡する方法がない

特に、親族ではなく全く分からないような共有不動産の共有者の場合は、このような固定資産税トラブルもさらに深刻になります。
共有不動産の場合は、固定資産税を払う際以外にも、売りたいと思った際にも、実際にはこのような処理ができなく、そのままになってしまうことも想定されます。
そのため、共有不動産の状態がもし無くなる何らかのチャンスがある場合は、全員の共有者で積極的に話し合いをして、共有状態が無くなるようにしましょう。

 

払い過ぎてないか?共有不動産の固定資産税

共有不動産の場合は、自分の固定資産税の税額が正しいか?、固定資産税を払い過ぎてないか?自分でチェックしましょう。
以前に、国が固定資産税を徴収するのを間違ったために、延滞金などを払えなくてマイホームを売った夫婦が話題になったことがありました。
総務省が調査した結果によれば、全国において固定資産税を徴収し過ぎたことが分かって減額になったのは、2009年度~2011年度で25万件以上もあるそうです。
固定資産税の計算は面倒であるため、専門家に全てお任せ、会社に全てお任せ、役所に全てお任せになりがちでしょう。

しかし、固定資産税の払い過ぎを防止するためには、固定資産税の仕組みを把握して、自分自身で正しい税額であるかチェックすることが大切です。
固定資産税の払い過ぎはよく起きることで、今回の総務省の調査結果は氷山の一角でしょう。
地方税である固定資産税の場合は、徴収間違いが分かっても内部的に処理される場合もあるのではないでしょうか。
固定資産税の徴収し過ぎの場合は、単純な職員の入力間違いであったり、基本的に特例措置である税額が少なくなるものが適用されていなかったりするなど、それぞれ状況は違っていますが、人が固定資産税を決めるために、間違いが起きる可能性もあり得ます。

このようなことから、固定資産税の税額は間違いないか、必ず自分自身で確認するようにしましょう。
マイホームを買う場合は、不動産業者や金融機関が、固定資産税などの税金についての概算を諸費用として示してくれます。

また、固定資産税については、マイホームを買った後にかかるものであるため、この概算に入っていない場合が多くあります。
新築する場合は、特に、実際に入居する際でも固定資産税が実際にどの程度になるかはっきりしない場合が多くあるのが実情です。
しかし、例えば、建売住宅などの場合は、建売住宅の固定資産評価を売る業者が受けているので、納税通知書の間違ったものが来るのは考えにくいでしょう。
一方、中古住宅の場合は、固定資産税の納税通知書を売主が持っているので、買主と売主で年間所有日数によって按分し、多く売主が払っている場合は、差額を買う際に精算するようになります。
固定資産税トラブルがあるのは、戸建ての場合がメインです。

というのは、土地を買った後に住宅を建てる際、建売住宅などと違って、固定資産税の評価額が1軒ずつ違うため、徴収間違いが起きやすいためです。
これからマイホームを建てる場合だけでなく、すでにマイホームを建てている場合も、固定資産税の課税方法について十分に把握しておきましょう。

 

固定資産税、共有者に請求してみる。

共有不動産の固定資産税の請求の場合は、全額の請求書を共有者の代表者が受け取るようになります。

しかし、共有不動産の固定資産税は、全員の共有者が払う義務があります。
つまり、共有者の代表者に固定資産税の請求書は届きますが、納付する義務が全員の共有者にあります。

また、連帯納税義務を全員の共有者が負っているため、それぞれの共有者の持分割合に分けて請求されないのが実状です。
なお、共有者の代表者を選ぶ際の優先順位の基準としては、以下が挙げられます。

・共有不動産に住んでいる人
 ・共有不動産がある市内に住んでいる人
 ・共有不動産の持分割合が多い人
 ・共有不動産の登記簿に書かれている順番

また、市区町村によって、このような優先順位の基準がそれぞれ違っているため、共有不動産がある市区町村役場で詳細については問い合わせましょう。
なお、請求先の共有者の代表者を変更したり、確認したりする際は、一般的に、その共有不動産がある市区町村役場で対応できます。

 

固定資産税の支払いで迷ったら弁護士に相談するメリット

共有不動産の場合は、次にご紹介するようなトラブルがあるため、弁護士に相談するのがおすすめです。

固定資産税やいろいろな管理費用が必要になる

共有不動産の管理費用は、全員の共有者で合意できると合意内容によりますが、合意できなければ持分割合に応じて負担する必要があります。
例えば、2分の1の持分割合の共有者の場合、不動産を全く使っていなくても、基本的に持分割合の2分の1の共有不動産の管理費用を払う必要があるでしょう。
共有不動産の持分割合があると、このように不動産の管理費用を負担する必要がある可能性があります。

多額の損害賠償を自然災害の際に請求されることがある

例えば、台風によって共有不動産の建物の屋根が壊れて、道を歩いていた人に当たって怪我をしたとしましょう。
この場合は、共有不動産の建物の共有者は、多額の損害賠償を道を歩いていた人から請求されることがあります。

時間が経つほど複雑な法律関係になってトラブルを無くすことが難しくなる

例えば、兄弟で2分の1ずつの持分割合になっている場合は、話し合いを兄弟間で行うことによってトラブルを無くすことができるでしょう。
しかし、1人の兄弟が亡くなって、権利を兄弟の子供や妻が相続すれば、当事者が多くなるため、複雑な法律関係になります。
相続を何回も繰り返すと、10人、20人などというような共有者になり、さらにトラブルを無くすことが難しくなります。

・共有持分を第三者が買取して裁判・交渉をする場合がある

共有持分は、別の共有者の了解なく売買ができます。
そのため、現在の1人の共有者が、共有持分を第三者の不動産業者に売る場合もあります。
このような場合は、不動産の活用方法について第三者の不動産業者が交渉してきたり、自分の持分を買取して欲しいと要求することがあります。
さらに、共有物分割訴訟によって、競売に共有不動産がなる可能性もあり得ます。
このように、共有不動産のトラブルをそのままにしておけば、共有持分を第三者が買取して裁判・交渉をする場合があります。

 

共有不動産の税金負担のまとめ

共有不動産とは、不動産として共有状態あるもので、共有不動産の固定資産税は、共有者全員が支払う義務があります。
共有者の代表者に固定資産税の請求書は届きますが、納付する義務が全員の共有者にあります。
連帯債務とは、一つの債務を複数の人が連帯して返済する義務を負うことです。

共有不動産の場合は、一般的に、固定資産税の納税に際して代表者を共有者の中から選んで届け出してもらって、市区町村はその代表者に請求をします。
共有不動産のよくある固定資産税トラブルとしては、自分の持分割合に相当する固定資産税を払うのはいいが、他の人のものは払いたくない、行方が分からない共有不動産の共有者がいる、などが挙げられます。
共有不動産の場合は、自分の固定資産税の税額が正しいか? 固定資産税を払い過ぎてないか? 自分で十分にチェックしましょう。
共有不動産の場合は、ここでご紹介したようなトラブルがあるため、弁護士に相談するのがおすすめです。

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