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空き家の固定資産税は通常の6倍になる!?

更新日:2018年12月29日
空き家の固定資産税は通常の6倍になる!?のアイキャッチ

 親から相続した家などを所有しているけれど、所有しているだけで住んでおらず、空き家になっているといったケースが増えてきています。
 総住宅数に対して平成5年に約450万戸だった空き家は、平成25年には約820万戸にまで、年々右肩上がりに増加してしまっているのです。
 
 この年々増加し続ける空き家に対して、「空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)」が、平成27年5月26日に完全施行されました。
 空き家対策特別措置法によって、固定資産税が上がるという話を聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 空き家対策特別措置法と固定資産税が上がることにどのような関連性があるのか、詳しくみていきましょう!

空き家にも固定資産税は課税される?

 まず、固定資産税とは、その年の1月1日の時点で不動産(土地や建物)を所有している方が、各市町村の自治体に支払う税金の事です。
 マイホームはもちろん、相続などにより取得した家屋などにも固定資産税が課税されます。その家屋が空き家でも、固定資産税は課税されます。

固定資産税の基本的な計算方法

 固定資産税は、どのように計算されるのでしょうか。
 基本の計算式は、次の通りです。

 固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

 ●固定資産税評価額
 固定資産税評価額とは、総務大臣が基準や評価の実施方法や手続を定めた「固定資産評価基準」をもとに、毎年1月1日時点において固定資産課税台帳に各市町村が登録をした公的な価格の事です。実際の不動産の売買価格とは関係のないものです。
  
 また、固定資産税評価額は、土地と家屋それぞれに課税されます。
 
①土地の固定資産税の計算方法
 土地の固定資産税評価額は次のように計算されます。
 土地の固定資産税評価額=路線価×面積×0.7
「路線価」とは、国税庁が毎年7月頃に発表しているもので、主要道路に面した標準的な宅地の1㎡当たりの評価額のことです。路線価に面積を掛けて、7割にしたものが土地の評価額となります。
   
 路線価が設定されていない地域の土地は、「倍率方式」と呼ばれる計算方法で、次のように計算します。
 土地の固定資産税評価額=固定資産税評価額×地域ごとの倍率
 地域ごとの倍率は、インターネットで検索することができます。

②建物の固定資産税の計算方法
 建物の評価額は、すこし複雑なのですが、ざっくりいうと次のような計算式になります。
 建物の固定資産税評価額=再建築に必要な金額×建物の経年劣化等による減価
 その建物と全く同じものをもう一度建てた場合にかかる建築費に、使用年数によって下がっていく建物の価格の減少率を掛けたものが、建物の評価額ということになります。
   

 ちなみに固定資産税評価額は、固定資産税評価額は3年に1度、評価額の見直しが行われます。また、市町村によって標準税率は1.4%より多いところもありますので、あらかじめ確認をしておくことが大切です。

特別措置法によって固定資産税が6倍になる?

 固定資産税は、先に述べたように計算されるのですが、固定資産税には「住宅用地の特例」という優遇措置があります。
 住宅用地の特例は、次のようになります。

区分 固定資産税
空き地(更地で何も建物もない状態) 固定資産税評価額×1.4%
小規模住宅用地

(1戸につき200㎡以下の住居用の敷地)

固定資産税評価額×1/6×1.4%
一般住宅用地

(1戸につき200㎡以上の住居用の敷地)

固定資産税評価額×1/3×1.4%

 このように、住宅用地に対する固定資産税は特例措置によって減免されるのですが、空き家対策特別措置法が施行されたことにより、適正な管理がされていない空き家(「特定空き家」と言います)に対してはこの特例措置が適用されなくなることとなりました。

 特例措置が受けられなくなると、例えば小規模住宅用地をお持ちだった場合は1/6の減免をされていたものの減免がされなくなってしまいますので、固定資産税は元々の税率で計算されます。つまり納税しなければならない固定資産税が、6倍になる、というわけです。

 ちなみに建物にも固定資産税がかかりますが、建物には固定資産税評価額×1.4%の計算式がそのまま適用されます。

 さて、では適正な管理がされておらず、固定資産税の優遇措置を受けることができない「特定空き家」とは一体どういうものなのでしょうか?

特定空き家に設定されてしまう?空き家対策特別措置法とは?

 空き家対策特別措置法とは、誰も住んでいない空き家が放置されてしまうことによる周辺住民への悪影響や犯罪への利用などの問題への対策として設定されたものです。

 空き家対策特別法の設定によって、市町村の空き家対策に法的根拠が与えられたことになり、空き家の実態調査や空き家の所有者への指導、そして特定空き家の設定をすることなどができるようになりました。

 空き家対策特別措置法によって特定空き家、つまり“法律的に空き家”だと認められる建物は、次のような状態である建物となります。
・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

 では、市町村の調査の結果、特定空き家に認定されてしまった場合はどうなるのでしょうか?
 
 まずは市町村から助言や指導(庭木の除去をして下さい、など)が行われます。その助言や指導に従わなかった場合は勧告(助言や指導よりも厳しいもの)がなされます。特定空き家に設定された後に勧告がなされた場合、先述したとおり固定資産税の優遇措置は受けられなくなります。
 そして勧告に従わなかった場合は、最も重い処分である命令がなされます。こうなると行政代執行によって、庭木の伐採や建物の解体が行われ、後に費用を請求される可能性があります。

空き家の固定資産税対策とは?

 では、固定資産税対策を含めて、空き家をどうするべきなのでしょうか?
 おすすめの対策は次の3つです。

①空き家を売却する
 結論から言ってしまうと、この方法がベストです。
 売却をすることによって、固定資産税の納税をしなくてもよくなりますし、建物の維持や管理をする必要が無くなります。

 また、後にご説明しますが、更地にして駐車場にする、または賃貸住宅として貸し出すなどの方法だと、解体費用やリフォーム費用などがかかります。その費用の回収には十年以上かかることもあります。そして、建物や駐車場がある限りは維持や管理をしなければなりません。

 このことから、空き家は売却してしまうのがベストだというわけです。

 ②賃貸住宅として貸し出す
 リフォームやリノベーション、建て替えなどをして、賃貸住宅として貸し出すというのが二つ目のおすすめです。
 リフォームやリノベーションをする以上は費用がかかりますが、空き家をそのままにするよりも、手を加えるほうが入居者の募集をしやすくなりますし、人に使ってもらうことで家の品質が維持されます。
 そして、特定空き家に指定されないようであれば、固定資産税も減免されます。

 ただし、先ほども述べたように費用の回収に時間がかかること、維持や管理をしなければならないことなど、デメリットもあります。

③更地にして駐車場にする
 ②の方法を取るには家の劣化が激しく、費用がかかりすぎてしまう場合などは、いっそのこと更地にしてしまって駐車場にしてしまうという方法があります。
 ただし、更地にしてしまうと固定資産税の優遇措置が受けられなくなってしまいますので、結果として固定資産税は今までよりも多く納税しなければならなくなる可能性があります。
 解体費用と駐車場にする費用、そしてこれから納税しなければならない固定資産税を計算した上で、駐車場の収入が費用を上回るなどの見込みがある場合などは、この方法も良いかもしれません。

 ちなみに、建物の解体費用は、市町村などからの補助金を受けることができる可能性があります。次で詳しくみてみましょう。

建物の解体費用は補助金が受けられる?

 空き家対策特別措置法の措置は、
 

①特定空き家に対する措置(市町村などが調査、助言や命令、行政代執行などを行うことができる、など)

 

②財政上の措置(国による空き家対策をする市町村への財源の支援など)

 

③税制上の措置(特定空き家に対する固定資産税の特例措置の廃止など)

 です。特定空き家に設定されると、以上の全ての措置を受けることになります。

 建物の解体費用については以前から補助金が交付されていましたが、空き家対策特別措置法が施行されたことにより、②の財政支援を受けた市町村などが、今まで以上に空き家対策に予算を投じる可能性があります。
 多くの市町村などで解体費用の補助金の交付が行われていますので、所有している空き家がある市町村などに問い合わせるなどしてみてはいかがでしょうか。
 ただし、補助金には予算がありますので、予算が使い切られてしまうと補助金を受け取ることができなくなりますので注意してください。
 また、市町村ごとに補助金を受けられる条件や金額は様々です。
 あらかじめ、確認をしておくことが大切です。

まとめ

 空き家にしておくことで周辺住民の方に迷惑がかかるだけではなく、固定資産税まで高くなってしまいます。もし空き家をお持ちでしたら、一刻も早く何らかの処置をしたほうがよさそうですね。
 わからないことがあれば、弁護士や税理士などに相談してみてはいかがでしょうか?

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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