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家賃滞納の際に行える手段とは?のアイキャッチ

家賃滞納の際に行える手段とは?

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増加傾向にある家賃滞納トラブル

国土交通省の「賃貸不動産管理をめぐるトラブルなどの現状」によると、平成16年度~平成20年度の滞納家賃トラブル件数としては、以下となっており、明らかに増加傾向にあります。

家賃債務保証をめぐる消費者トラブルに関わる相談件数

家賃債務保証をめぐる消費者トラブルに関わる相談件数

平成20年度の月別相談件数

平成20年度の月別相談件数の画像

家賃滞納にかかる訴訟例

家賃滞納にかかる訴訟例としては、平成22年6月5日、家を家賃を滞納した人に貸した原告が、滞納した人の連帯保証人である被告に、契約を解除した後の家賃に相当する損害金と未払いの家賃についての連帯保証債務を履行することを求めたものがあります。
家賃を平成22年3月から滞納した人は、強制執行によって原告に建物を平成24年3月15日に明け渡しました。
最終的に、43万5019円の支払いを原告に対して被告は命じました。

 

家賃滞納で相談できる窓口一覧

ここでは、家賃滞納で相談できる窓口一覧についてご紹介しましょう。

・社団法人東京共同住宅協会

社会法人東京住宅協会は、電話で、家賃滞納トラブルや不動産を運営する方法についての相談が無料でできます。
これ以外にも、不動産を運営するためのノウハウについてのセミナーを開催しているため、不動産の運営が心配であればこのセミナーも一緒に利用してみるといいでしょう。

・社団法人全国賃貸住宅経営協会

社団法人全国賃貸住宅経営協会は、電話で相談が無料ででき、住宅経営士・税理士・公認会計士が対応しています。
賃貸トラブル以外に、住宅経営に関係する専門用語の解説、土地建物についての税務問題などについて相談ができます。
なお、セミナーを社団法人東京共同住宅協会と同じように開催しています。

・NPO法人賃貸経営110番

NPO法人賃貸経営110番は、家賃回収、立ち退き、空室対策、相続の税務問題、退去した後のリフォームなどについて無料で相談ができます。
対応しているのは、法律の専門家である弁護士、行政書士、司法書士など、税務の専門家である税理士、公認会計士など、不動産鑑定士、建築士などです。
また、相談した事例をサイト内で閲覧できますが、あまり家賃滞納についてのものはありません。
また、定期的に不動産経営についての勉強会も行っています。

 

自身で家賃滞納の手続き

ここでは、自身で家賃滞納を解決する手続きについてご紹介しましょう。

・家賃の支払督促を手紙や電話で行う

まず、家賃の支払督促を第一ステップとして行います。

・家賃を滞納している人の家を訪問する

家賃の支払督促をしても応じなければ、家賃を滞納している人の家を訪問します。
しかし、自身で訪問するのが不安であれば、代わりに管理会社の人が訪問してくれることもあるため、相談をまずしてみましょう。

・連帯保証人に伝える

家賃を滞納している人の連帯保証人に伝えると、滞納している人に連絡するため、催促の効果がより期待できます。

・内容証明郵便を送る

内容証明郵便というのは、証拠としてしっかりと日付が残るだけでなく、家賃を滞納している人に対するメンタル的な圧力にもなります。

・契約解除を通知する

内容証明郵便が届いても家賃を支払わない場合は、明け渡しと契約解除を要求する旨を書いた内容証明郵便を送ります。

・明け渡し請求の裁判を起こす

このような全てのことを実施しても立ち退かない場合は、明け渡し請求の裁判を起こします。

・強制退去をしてもらう

裁判に勝訴することによって、強制退去を家賃を滞納している人にしてもらいます。

 

 

家賃滞納における相談内容

ここでは、家賃滞納における相談内容についてご紹介しましょう。

・家賃を滞納する人の割合を少なくするにはどうすればいいか?

家賃の入金状況を毎月チェックするようにしましょう。
実際には、ごく一部の人が長期に家賃を滞納しており、多くの家賃を滞納している人は、忙しいので家賃の支払いができなかった、などのように支払いを一時的に忘れていたことが多くあるようです。
長期に家賃を滞納する人とそうでない人を見分けるためにも、パソコンで表計算ソフトなどを使って家賃の入金状況などが毎月チェックできるようにしておきましょう。
また、家賃をきちんと回収するには、入居する際に、勤務年数、勤め先などの支払能力などをチェックしたり、連帯保証人を付けたりしましょう。

・警察に家賃滞納についての相談をするのは有効か?

家賃滞納は、警察の仕事ではないため対応してくれません。
家賃滞納トラブルは、案件が民事で争うものであり、警察は刑事事件でなければ対応しないでしょう。
家賃を滞納している人の法的面での相談は、弁護士がおすすめです。

・家賃滞納した状態で借主が海外旅行に出かけた場合はどうするか?

家賃の請求を連帯保証人へ行いましょう。
このような場合の最善策は、家賃を滞納している人に請求しても回収ができないため、請求を連帯保証人に行うことです。

・家賃を滞納している人が退去することになったが家賃を支払ってくれるか?

公正証書を作ったり、勤め先や親戚の連絡先を掴んだりしましょう。
退去について合意が得られた場合は、未払いの家賃の支払い、物件の明け渡しについての同意書を作ります。
同意書ができると、公正証書を拘束力を法的に持たせるために作ります。
というのは、同意書に従わなければ、強制執行の申し立てが裁判を起こさないでできるためです。
実際には、家賃の支払いについては数回で終わる場合が多くあるため、事前に勤め先や親戚の連絡先を掴んでおきましょう。

・家賃を滞納している人に対して、荷物の処分・部屋の鍵交換は有効か?

荷物の処分・部屋の鍵交換は、損害賠償を家賃を滞納している人から起こされる恐れがあるため止めましょう。
家賃を滞納している人の場合でも、法的な手続きがない荷物の処分・部屋の鍵交換は違法です。
明け渡し訴訟をこの場合は申し立てましょう。

・家賃を滞納している人に立ち退きしてもらうにはどうすればいいか?

明け渡し訴訟を立ち退きを法的にしてもらうために行いますが、未払いの家賃の支払い、契約解除についての内容を記載した催告書をまず通知する必要があります。
というのは、正当なものに明け渡し訴訟をするには、借主と貸主の信頼関係が崩れたことを提示する必要があるからです。
また、催告書を通知する場合は、3ヶ月が家賃を滞納してから経っていないと信頼関係が崩れたことを提示するのは困難でしょう。

・家賃を滞納している人に立ち退きしてもらうまでに費用がどの程度かかるか?

手続き内容で違ってきますが、費用についてご紹介しましょう。
内容証明郵便で催告書を送る場合は、420円の内容証明料、420円の書留料、300円の配達証明料、80円の郵便料金がかかります。
なお、2枚目以上に催告書がなる場合は、250円が1枚あたりプラスされます。
明け渡し訴訟を申し立てする場合は、約6000円の予納郵便切手代、収入印紙代がかかります。
なお、不動産の時価評価額で収入印紙代は変わります。

例えば、400万円の時価評価額の不動産の場合は、15000円の収入印紙代になります。
収入印紙代と不動産の時価評価額の関係に関しては、専門家の弁護士などに相談しましょう。
強制執行の場合は、65000円の予納郵券代、約2万円の解錠費用、1Rで約10万円の運搬費用、約2万円~4万円の廃棄処分費用がかかります。
なお、予納郵券代は、25000円が請求する不動産・相手が増えるごとにプラスされます。
運搬費用は、約30万円~50万円が一般家庭の場合にかかります。

・強制退去してもらうまでの期間はどの程度必要か?

短い場合は3ヶ月、長い場合は9ヶ月必要です。
借主と催告書を通知する場合に話がつけば、家賃を滞納してから解決が3ヶ月でできます。
訴訟になった場合は、家賃を滞納してから5ヶ月~6ヶ月程度、強制執行になった場合は、8ヶ月~9ヶ月程度を目安として考えておきましょう。

・家賃を滞納している人に対して法的手段として訴訟以外のものはあるか?

家賃の請求が、支払督促・少額訴訟でできます。
支払督促・少額訴訟は、簡易的な手続きである上に費用も少なく、手続きが成り立つと、強制執行をそのまま申し立てすることができます。
しかし、家賃だけの請求であるため明け渡しの請求はできません。

・家賃を回収することによって退去してもらうまでの費用は賄えるか?

ほとんどの場合は費用倒れになります。
というのは、裁判の費用は高額であり、基本的に、ほとんどの場合は家賃を滞納している人から家賃を回収するのが難しいためです。
そのため、家賃の弁済請求を連帯保証人へ行って回収金額をできるだけ多くする、あるいは高額な手続き費用になる強制執行を申し立てする前に手続きを終了させる、という方がいいでしょう。

・行方不明に家賃を滞納している人がなった場合はどうすればいいか?

法的手段の公示送達などを行いましょう。
家賃を滞納している人が行方不明になっている場合は、法的手段の少額訴訟・支払督促などは利用できません。
しかし、明け渡し訴訟の場合は、公示送達ができるので訴訟を行方不明の場合でも進められます。
なお、公示送達というのは、被告人の住所が分からなくても公的に申し立ての送達を被告人に行ったことを認めるものです。

・家賃を1ヶ月滞納している人を退去させられるか?

家賃を3ヶ月以上滞納していることが必要になります。
先にご紹介したように、賃貸借契約の場合は借主と貸主の信頼関係が法的には重視されます。
そのため、明け渡し訴訟などで家賃を滞納している人に退去してもらう場合は、家賃の滞納が3ヶ月以上続いていないと信頼関係が双方で壊れた理由としては乏しいと見なされます。

・内容証明郵便を受け取りしてくれない場合は訴訟を起こせないか?

訴訟の申し立てはできます。
基本的に、借主と貸主の信頼関係が重視されるので、一般的に、訴訟を起こす前には内容証明郵便で契約解除を記載した催告書を送ります。
しかし、内容証明郵便を受け取りしてくれない場合は、貸主は然るべき処置を家賃を滞納している人にしたので、訴訟の申し立てをそのまましても問題ないでしょう。

・滞納した家賃はどの程度の時効期間か?

5年に時効期間はなります。
家賃の時効は、最後に家賃を支払った日から5年です。
家賃は時効を過ぎると効果がなくなりますが、時効の中断手続きで、時効期間を催告書を通知すると6ヶ月、訴訟、支払督促、少額訴訟の法的手段で判決、仮執行宣言付支払督促の債務名義を取ると10年間それぞれ延ばせます。

 

家賃滞納が起きた際に弁護士に相談するメリットとは?

家賃滞納が起きた際には、成功報酬を支払う必要がありますが、弁護士に相談するのがおすすめです。
ここでは、家賃滞納が起きた際に弁護士に相談するメリットについてご紹介しましょう。

・早期に解決できる

立ち退きを家賃を滞納している人にしてもらうためには、強制執行まで考慮することが必要です。
しかし、強制執行する場合にも、高額な費用が申し立てしてから明け渡しになるまでにかかります。
家賃を滞納している人に、裁判費用を請求することが法的にはできます。
しかし、ほとんどの場合は、費用を家賃を滞納している人から回収するのは困難であり、貸主が負担する場合が多くあります。
しかし、弁護士に依頼すると、請求に強制執行の前に応じやすくなります。
解決策を深刻な事態になる前に立案できることが、メリットの最大のものでしょう。

・催促書の作成・訴訟の代理人が委託できる

立ち退きを家賃を滞納している人に対して求めて、家賃を回収するには、催告書を作成して通知し、裁判手続きが必要になります。
このようなことを、自身で全て行うと労力が非常にかかります。
しかし、弁護士に依頼すると、催告書を作成したり、裁判に必要な書類を作成したりする全てのことを代わりに行ってくれます。
また、訴訟の際の代理人も委託できるため、弁護士に依頼すると大きなメリットがあります。

・メンタル的なストレスが少なくなる

家賃が滞納になっているのみでストレスがある上に、さらに自身で強制執行の手続きを行うのはストレスが相当かかるでしょう。
弁護士は法律のプロであるため、そばにこのような専門家がいるのみで心強くなり、メンタル的なストレスも軽くなるでしょう。
また、弁護士は賃貸トラブル以外に、売買トラブル、契約トラブルの場合でも相談できるのでおすすめです。

 

●まとめ

ここでは、増加傾向にある家賃滞納トラブル、家賃滞納にかかる訴訟例、家賃滞納で相談できる窓口一覧、自身で家賃滞納の手続き、家賃滞納における相談内容、家賃滞納が起きた際に弁護士に相談するメリットとは?についてご紹介しました。
家賃滞納で困らないように、ここでご紹介したような家賃滞納の際に行える手段について十分に把握しておきましょう。

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編集部 (弁護士)編集部

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