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土地を相続することに、どんな手続が必要なのか。

更新日:2020年01月07日
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土地の相続を相談するには

 土地を相続したとき、登記のことや税金のことなど一人で解決するにはハードルが高い問題がいくつもあります。誰かに相談しようとしても、どこへ話をもっていったらよいのか迷ってしまうものです。そこで、土地を相続した際に誰に相談するのが一番適切かということについて、簡単にまとめてみました。
 相談先としての候補は、次の4者が考えられるでしょう。

  1. 税理士
  2. 弁護士
  3. 司法書士
  4. 信託銀行

 それぞれの特徴をおさえておきましょう。
税理士
 土地を相続すると、相続税がかかってきます。これを申告するときは、税理士に依頼するのがおすすめです。しかし、税金には控除がありますので、自分が相続した土地に相続税がかかるかどうか一度調べてみてから税理士に相談するとよいでしょう。

弁護士
 税理士に比べると一般的に費用が高めに設定されている弁護士。土地の相続をめぐって、相続人同士で争いごとが起きた場合は弁護士に依頼して代理人となってもらうのが適切です。相談するだけなら無料のところもありますので、気になることがある場合は、早めに連絡しておきましょう。

司法書士
 不動産の名義変更をする場合は、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士は、比較的安い費用で依頼できますので、相続人同士で紛争が起きる可能性がないという場合は、司法書士へ依頼してしまうのが一番でしょう。

信託銀行
 銀行というだけで信頼感が大きい信託銀行。資産額が大きく、取り扱う金額が自ずと大きくなる場合は、信託銀行に依頼するケースもあります。しかし、料金は高いですし、結局のところ、税理士や司法書士などへの別途依頼が発生しますので、費用がさらに膨らむというのが注意点です。

土地の相続って

 そもそも、土地を相続するというのはどういうことを指しているのでしょうか。全ての土地には、必ず所有者がいます。所有者が特定されていない土地は国のものという扱いです。ある土地の所有者がお亡くなりになったときは、その土地を次に所有する者を決めなければなりません。これが土地の相続です。土地は、財産のなかでも価値のあるものですので、相続の手続きも慎重に行われなければなりません。とくに注意しておきたいポイントをご紹介します。
 もし、相続人が一人の場合はそれほど大きな問題はありません。しかし、たいていは複数の候補者がいるものです。そこで、誰がその土地の所有者となるかをみんなで話し合って決定しなくてはなりません。土地は、分割して相続することが難しく、分割することで価値が下がってしまうこともあるため、可能な限り、誰かが一人で相続するのがおすすめです。あるいは、共有名義にするということも可能です。いずれにしても、遺産分割協議において明確に決定しなくてはならない重要事項となります。
 また、土地の相続については、所定の手続きを行わなければなりません。期限はありませんが、いずれ行う必要があるので、できるだけ早めに済ませておくべきでしょう。この手続きは、かなり面倒なことが多いため、一般的には司法書士などの専門家に任せることになっています。
 土地を相続することが決まったら、相続税がかかる場合があるので、これを申告しなければなりません。相続税の手続きも煩雑で、少し間違ってしまうと損失を出すこともあるため慎重にならざるを得ないでしょう。

土地の相続に必要な書類

 相続登記をする際はどのような必要書類があるのでしょうか。相続登記で必要となる書類は、一箇所で取得できるものではなく、あちこちで集めてこなくてはなりません。このことが、相続登記の手続きを難しくする一因となっています。以下で必要な書類を列挙しておきますので参考にしてください。

相続人関連

相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の全員の印鑑証明書
相続人全員の住民票

 これらは、本人が住んでいる市区町村役場へ出向いて取得することができます。また、直接本人が役所へ出向く必要は必ずしもありません。委任状や本人確認のための書類があれば、代理を立てることも可能です。

被相続人関連

被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
被相続人の住民票の除票

 これは、一人分なので楽に取得できるように感じられますが、生まれてから死亡するまでのあいだの戸籍を切れ目なく取得する必要があるので、意外と苦労します。結婚や引っ越し、または法律改正などのために戸籍を作り直している例があるからです。これを一つ一つの役所を訪ねて、取得していく場合、かなり手間のかかる作業となってしまいます。
 具体的には、役所で戸籍を取得した際に、その場で出生から死亡までの全てが記載されているかどうかを担当者に確認するのが手っ取り早いです。確認したうえで、もし全てでない場合は、次に訪ねるべき役所をその場で質問してしまうとよいでしょう。役所の担当者は、わりと慣れているため、親切に教えてくれるはずです。

不動産関連

不動産の固定資産評価証明書
不動産の全部事項証明書

不動産の固定資産評価証明書も、やはり役所の担当課において発行してもらうものです。使用目的を聞かれていなくても、相続登記に利用すると伝えた方が無難です。固定資産評価証明書は、最新年度のものでなくてはならないので注意してください。

土地の相続の流れ

 土地の相続は手続きが面倒ですが、一度流れをつかんでおくと、専門家に依頼する場合でもずいぶん楽になります。簡単にまとめておきますのでざっと把握しておきましょう。

  • 被相続人が亡くなる
  • 遺言調査や遺言書の検認…四十九日
  • 相続人調査…納骨
  • 財産調査
  • 相続放棄など
  • 遺産分割協議
  • 名義変更…3ヶ月以内
  • 相続税申告…10ヶ月以内

 遺言書の有無によって、手続きの内容が変わってきます。これを確認することが最初の段階です。公証役場に原本が保管されている場合もあるので調べておきましょう。公正証書遺言以外で見つかった遺言書がもし封が閉じられているようなら、開封してはいけません。家庭裁判所での検認の作業が必要となります。
 次に、相続人を全員挙げるために、戸籍を調査します。隠し子がいることが判明する場合もあるなど時間がかかる作業なので、できるだけ早めに着手しておきたいところです。さらに、不動産を含む財産の調査を並行して行います。不動産の価値を判断するために、不動産の登記事項証明書を取得するなどします。
 それからいよいよ遺産分割協議です。相続人全員が集合し、話し合いをします。誰が相続するのか決定したら、相続登記して納税します。

土地の相続で注意すべき点

 土地は財産のなかでも大きな価値のあるものですので、なにかと問題をはらんでいるものです。円満に土地相続を完了できるように、注意点をおさえておきましょう。

遺産分割協議

 土地は分割するのが難しいので、そのぶん一筋縄ではいかない側面があります。誰が相続するのかを、遺言書で明記されていたり、相続人同士で話し合いをして決定するのが一番です。土地のままだと相続しにくいということで売却することになったとしても、問題があります。売却価格や、業者選びでもめる可能性が否めません。もし、話し合いがこじれそうになったら大きなトラブルへと発展する前に弁護士に相談するのがよいでしょう。

登記

 相続登記は法律上の義務として定められているわけではなく、罰則もありません。そのため、登記を怠ってしまうケースが多いのです。しかし、それによって将来起こり得る問題があります。例えば、土地を売却することになったときは改めて登記をするところからスタートしなければなりません。そのときになって、名義人がすでに死亡している場合は戸籍を集めるなど一つ一つの手続きが厄介になります。

相続税

 土地相続により、相続税が発生する場合は、納税手続きをしないといけません。これには申告期限が設けられているため注意が必要です。相続があることを知ったときから10ヶ月以内に申告と納税をしなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、延滞税が課税されることがあるため、十分に留意したいところです。

まとめ

土地を相続することは、大きな価値のある財産を手にすること。それだけに、責任も伴います。煩雑な手続きや面倒な作業を経て、相続登記をしっかりと行ってからはじめて、土地の所有者として認められるというわけです。もし、手続きに間違いがあると、取り返しのつかないことにもなりかねません。申告期限が迫ったなかで、焦って失敗するようなことのないようにくれぐれも気をつけましょう。もし、十分な時間が割けないときは専門家へ依頼することも検討して、安心・安全に相続登記を完了させてください。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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