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マンションの売却をしたい、残債(住宅ローン)があっても大丈夫?

更新日:2018年12月29日
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残責があってもマンションは売れる?

マンションを売りたくても住宅ローンの返済が多く残っていれば心配になるでしょう。
しかし、方法をきちんと選択すると、マンションは売れるため安心です。

住宅ローンの残債を売った代金で返済する

住宅ローンの残債をマンションを売った金額がオーバーするのであれば、マンションは問題なく売れます。
「銀行が抵当権を持っているためマンションは売れない」と考えている人もいるでしょう。

しかし、このような場合でも問題ありません。
抵当権というのは、お金を住宅ローンなどを利用する際に不動産として担保にしたものに設けられるものです。
住宅ローンの返済が停滞すると、銀行は抵当権を持っているため、債務の返済に競売で不動産を売って引き充てすることができます。

マンションを売る場合は、抵当権が次のような取引によって無くなるため問題ありません。

・マンションを売った代金をもらう
・住宅ローンの残債をもらったお金で完済する
・マンションは所有権移転登記と抵当権抹消登記を行うと売れる

査定額でマンションは必ず売れるということではありませんが、次のようなケースは問題なく売れます。

・住宅ローンの残債より売る代金(査定額)が多い
・預貯金と売る代金(査定額)をトータルすると住宅ローンの残債が完済できる

住宅ローンの残債があればマンションは売れないと考えている人は、ぜひこのことを把握しておきましょう。

 

売った代金で資金が足りない場合は買い替えローンが使える

マンションを売って、マンションや戸建てを新しく買う場合もあるでしょうが、この場合は買い替えローンが使えます。
買い替えローンは、住宅を売って、新しい住宅を買う人のためのもので、新しく買う住宅の資金以外に住宅ローンの残債を返すためのお金も融資してくれます。

また、買い替えローンの上限が、買う住宅の担保評価額に対して比率が設定されていることもあります。
買い替えローンは、買い替えする場合だけに使えるものですが、住宅ローンの残債を返すためにもおすすめです。
なお、買い替えローンを使う場合は、ローンに詳しい不動産業者に頼むことが大切です。

売却代金でローン残債をかえす。『任意売却』

どうしてもマンションを売る必要がある場合は、方法としては任意売却というものもあります。

しかし、あまり任意売却は方法としてはおすすめできるものではないため、住宅ローンを返すのが厳しかったり、財産を離婚で処分する必要があったりする場合などに限定して考えてみましょう。
任意売却というのは、銀行などの債権者と話し合いをして、競売でなく普通の方法で不動産を売るものです。
住宅ローンの残債が残った場合は、分割で月々1万円などで返します。

また、住宅ローンの残債が全く無くなるということではないため注意しましょう。
競売の場合は売る価格が安くなって回収額が少なくなるため、銀行側にとっても任意売却はメリットがあります。

 

任意売却って誰でもできるのか

どのような条件でも誰でも任意売却はできるということではありません。

例えば、住宅ローンを返すのが苦しいため、現在の状態であればそのうちに滞納するかもしれない、というような場合は、任意売却をしたいということでも、できない可能性が非常に大きくなります。
銀行の債権者としても、当然ですが、滞納しないで返してくれるのであればできる限り返して欲しいと考えるでしょう。

他の例では、返す期間を延ばすなど、負担が少なくなる方法を提示してくれる場合がありますが、任意売却をすぐに認めてくれる場合はほとんどありません。
しかし、滞納するまでそのままにしておくのも問題です。
滞納はまだしていないが、必ず滞納を近いうちにするようになると分かれば、住宅ローンを近いうちに滞納せざるを得ないこと、任意売却の手続きをこの時にしたいことなどを、債権者に話しておくようにしましょう。

また、任意売却の場合は、時間が物件を売るためにあるかが問題になります。
物件が任意売却で売れるのは、競売の入札がスタートする前の日までになります。
そのため、任意売却を競売の入札がスタートした段階において行おうと思っても、物件を売る活動期間が非常に短くなるため、実際には、任意売却はほとんどできないと考えておく方がいいでしょう。

次のようなケースなどは任意売却ができなくなります。

・売る物件の価値がマーケットにおいて非常に低く、買主が現れそうにない
・任意売却する際に、物件を持っている人の了解や協力が得られない
・売る物件の利害関係者の間で了解が得られない

 

任意売却のメリット・デメリット

任意売却のメリット

売る価格はマーケットの相場に近くなる

任意売却の場合は、普通の不動産売買と同じような方法で売るので、価格としては強制的に競売で売る場合よりもマーケット価格に近いものになります。
高く不動産を売るには、できる限り買うことを考えている多くの人に情報を知らせることと、よりいい条件で買ってくれる人を見つけるために時間が必要です。
任意売却であればこの両方ができるので、売る価格は競売より高くなります。
売る価格が高くなれば、任意売却の後に返す残債が少なくなります。

売る際に他の人に住宅ローンの滞納が分からない

任意売却の販売活動は、普通の不動産取引と同じようなものです。
そのため、住宅ローンの滞納が他の人に分からなくて、売ることができます。
任意売却をしたほとんどの人は、知人や近くの人に高く自宅が売れるので売ったというような話ができるそうです。
住宅ローンの滞納に対する対応がもし遅れて競売が始まった場合でも、任意売却についての了解をもらうと競売を止めることができます。

なお、競売を止めた住所などの詳しい情報は、閲覧ができないように削除されます。

お金が全くかからない

不動産を売る場合は、一般的に、登記料や仲介手数料、測量するための費用などの諸経費が、売る価格に対して3%~5%くらいかかります。
任意売却の場合でもこのような費用がかかりますが、任意売却であれば諸経費を自宅を売ったお金から払うことが認可されています。
そのため、任意売却をする際は、お金が全くかかりません。

分割で残債は返せる

任意売却の場合は、自宅を売った後の残債は、債務者が銀行などの債権者と話し合いをして、分割で無理がないように返すことができます。
従来と同じ条件で債務者が返すことが困難であるということは、債権者もよく分かっているため、十分に現在の生活状態や収入を考えて、話し合いをして実際に返せるような方法で対応してくれます。
月額の返済額として多いのは、一般的に、5,000円~30,000円くらいになっています。

現在の自宅にそのまま住めることもある

任意売却を考えているほとんどの人は、自宅が住み慣れているのでそのまま住みたいと希望しています。
この理由としては、例えば、病気の家族がいるため引越しすることが難しい、などというようなものがあります。

しかし、任意売却であれば、普通の不動産売買の場合と同じように、買主を選択することができます。
そのため、自宅を投資家や身内の人に買ってもらって、賃貸住宅として家賃を払って自宅にそのまま住む方法があります。
また、債務者の子供が仕事を始めて間がないため住宅ローンが利用できないが、住宅ローンが数年後には利用できる、というような場合は、賃貸住宅として数年間は住んで、自宅を買い戻すために住宅ローンを子供が利用することもできます。

もし、引越しをどうしてもする必要があるような場合でも、買主と引越しする時期について交渉することができるので、引越し先を1ヶ月くらいかけて探すこともできます。
そのため、立ち退きになるような場合もなく、生活を新しく始めることができます。

任意売却のデメリット

3ヶ月以上住宅ローンを滞納すると信用情報機関に登録される恐れがある

任意売却の場合だけではありませんが、3ヶ月以上住宅ローンを滞納すると信用情報機関に登録される恐れがあります。
信用情報機関に登録されるのは、カードローンなどの別の借入が滞納した場合もあります。
信用情報機関に登録されると、銀行からの借入などが7年間くらいはできないなどがあります。

了解を連帯保証人などからもらう必要がある

住宅ローンを利用する際に、連帯して債務を負っている連帯保証人などがいれば、任意売却についての了解を連帯保証人からもらう必要があります。
連帯保証人の場合は、自宅を夫婦が一緒に持っているケースが多くあります。
任意売却は、連帯保証人の了解が得られない、連絡できない、というような場合はできません。

 

任意売却はどこに相談した方がいいのか?

●不動産業者

任意売却は、宅建業法の免許が要る不動産売買になります。
不動産業者は、不動産取引のエキスパートで、宅地建物取引主任者を社員の5分の1に設置することが義務化されています。
任意売却を取り扱う資格が、全ての不動産業者にあります。

しかし、取り扱う資格があるということでも、すぐに任意売却ができるということでもありません。
というのは、法律の民事執行法というもので決められた裁判中に不動産を売るものも、任意売却の物件の中にはあるためです。
そのため、裁判についてよく分かっていることと、交渉を債権者と行うことに慣れている必要があります。
不動産業者の大手などのように、普通の不動産取引を行っているようなところでは、任意売却は困難であるため、豊富に任意売却の経験があるところを選ぶようにしましょう。

司法書士・弁護士

任意売却の場合は、法的な資格と知識が必要であり、間違いなく依頼先として法律のプロの司法書士・弁護士は最も適したところです。

しかし、不動産売買に任意売却はなるため、司法書士・弁護士がどのような場合でも最も適しているかと言えば、必ずしもそうではありません
司法書士・弁護士は、基本的に、法律のプロであり、不動産の販売活動や査定はできません。
そのため、不動産を売る際は、一般的に、司法書士・弁護士が知っている不動産業者に頼みます。

銀行

住宅ローンの返済で困れば、銀行にまず相談しましょう。
銀行としても、ローンの融資が返済できなくなるよりも、話し合いをして返済が確実にできるように、リスケジュールを提示してくれるでしょう。

しかし、返済プランがリスケジュールでも守れない場合は、任意売却を次にすすめる場合があります。
ほとんどの任意売却の場合は、銀行が専門機関を指定します。
専門機関は任意売却を専門に取り扱っているので、当然ですが、全ての手続きを行ってくれますが、銀行が指定する専門機関は、第一に銀行の儲けを考えるため注意する必要があります。
そのため、債務者が希望するように売れない恐れがあります。
任意売却を銀行からもしすすめられた場合は、銀行が指定する専門機関に頼むよりも、債務者が信頼できるところを見つけて頼む方が、より債務者の立場で解決策を見つけてくれる可能性が大きくなるでしょう。

マンションの売却をしたい、残債(住宅ローン)があっても売れる?のまとめ

ここでは、残責があってもマンションは売れる!?売却代金でローン残債をかえす。『任意売却』、任意売却って誰でもできるのか、任意売却のメリット、任意売却のデメリット、どこに相談する? についてご紹介しました。

マンションを売りたくても住宅ローンの返済が多く残っていれば心配になるでしょうが、方法をきちんと選択すると、マンションは売れるため安心です。
住宅ローンの残債をマンションを売った金額がオーバーするのであれば、マンションは問題なく売れます。
マンションを売って、マンションや戸建てを新しく買う場合もあるでしょうが、この場合は買い替えローンが使えます。

どうしてもマンションを売る必要がある場合は、方法としては任意売却というものもあります。
任意売却というのは、銀行などの債権者と話し合いをして、競売でなく普通の方法で不動産を売るものです。
どのような条件でも誰でも任意売却はできるということではありません。
任意売却のメリットは、売る価格はマーケットの相場に近くなる、売る際に他の人に住宅ローンの滞納が分からない、お金が全くかからない、分割で残債は返せる、現在の自宅にそのまま住めることもある、ことが挙げられます。

一方、任意売却のデメリットは、3ヶ月以上住宅ローンを滞納すると信用情報機関に登録される恐れがある、了解を連帯保証人などからもらう必要がある、ことが挙げられます。
任意売却を相談するところとしては、不動産業者、司法書士・弁護士、銀行があります。
それぞれ特徴があるため、自分に適したところを選びましょう。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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