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後悔しない家探し、賃貸物件で重視すること独り暮らし編

更新日:2021年08月11日
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賃貸住宅の部屋探しの場合は、家賃はいくら以内、徒歩で駅から何分以内、などというような全ての要望を満たすのは、ほとんど困難です。
そのため、どのように優先条件を決めるかが大切です。

ここでは、賃貸住宅に一人で住んでいる20代~30代の100人ずつの社会人の男女にアンケートした結果についてご紹介しましょう。
重視したこと、重視していなかったが実際には大切であったことなどについて調査しました。
なお、調査した期間は、2017年9月22日~25日で、調査はネットを利用しました。

重視したことは?

・家賃が78.0%
・駅からの距離が48.5%
・間取りが3.5%
・通勤時間が32.0%
・部屋の広さが27.5%

重視したことは、このように家賃が約8割で最も多くなりました。

妥協したポイントは?

一方、妥協したことは、次のようになりました。

・築年数が23.5%
・家賃が20.5%
・間取りが13.0%
・駅からの距離が11.0%
・部屋の広さが9.5%

特徴としては、家賃が妥協したことでも第2位になっていることです。
誰もが家賃はいくら以内というようなことは重視していますが、この他の条件を満たすには妥協するしかなかったような人が多くいるようです。
意見としては、「予算より家賃は高いものであったが、周りの環境や通勤時間、内装を考慮すると妥協するしかなかった」(30代の女性)というようなものが多くありました。
また、妥協したことでは、築年数が最も多くありました。
築年数は、重視したことでは第8位で、ほとんどの人が妥協しやすいものであると言えるでしょう。
意見としては、次のようなものがありました。

・「築年数については、リノベーションがある程度行われているため妥協した」(30代の男性)
 ・「駅から遠い新築の住宅と、古いがいい立地の住宅ではどちらがいいか悩んだ結果、築年数は妥協して駅から近いことを優先した。部屋は家賃が安い割には広くて満足した」(30代の女性)

このように、古いというイメージを補うことがあるといい、というような意見も多くありました。

 

重視しなかったが実は大事だったポイント

先に重視したこと、妥協したことについてご紹介しましたが、この際に着目すべきことは「重視していなかったが、実際には大切であった」ことです。
つまり、部屋探しの際にはそれほど重要ではないと考えていたが、その重要さが実際に住んでみると分かったことがありました。
このようなことは、部屋探しを今からする場合には、非常に参考になるものと言えるでしょう。
重視していなかったが、実際には大切であったことは、次のようなものでした。

・防音性が11.7%
・日当たりが10.6%
・周りの施設と環境が7.2%
・水まわりの設備が6.7%
・駅からの距離が5.0%
・収納が5.0%

なお、43.9%の人が「特になし」でしたが、逆に言うと、半数以上の人が実際に住んでみると大切であることが分かったというようになりました。
防音性は、重視したことでは16位でしたが、ここではトップになっています。
一人暮らしでは、特に話を家族ですることがないので、気になる場合が多いのでしょう。

意見としては、次のようなものなどが多くありました。

・「隣の部屋で話をする声がよく聞こえた」(30代の男性)
・「上階の足音や物音がよく伝わるため、もっと調査しておくべきであった」(30代の女性)

日当たりは、重視したことでは7位でしたが、この場合は2位になりました。

一人暮らし用の部屋は、基本的に、部屋数が多くなく、窓の広さも角部屋でないとより小さくなるため、深刻な問題です。
意見としては、次のようなものがありました。

・「気分にも日当たりは影響するため重要であった」(30代の女性)
・「日当たりが良くないため部屋が湿っておりよくカビが発生する」(30代の男性)

このようなことは、賃貸物件を内覧する際にはよく分からないことです。

しかし、防音性については、違いが建物の構造で生じるなど、ある程度推定できる場合もあります。
もし不安なことがあれば、不動産業者に確認してみましょう。
賃貸住宅の部屋探しの場合は、誰もが多くの条件を挙げていますが、場合によっては候補を妥協しながら探す必要があります。

一人暮らしであれば、自分のみで決定できるため、優先順位はファミリーなどよりはつけやすいでしょう。
実際に生活した際のことを、物件を内覧する際にいろいろなシーズン・時間帯などで考えて、先々後悔がないようにしましょう。

 

賃貸物件で気になるOKなことNGなこと

基本的に、賃貸物件の部屋のほとんどは、「破損や汚損が過失や故意によるものの負担は入居している人」と決まっています。

しかし、入居している人からすれば、「画鋲を壁にを刺した程度であれば負担する必要がないのではないか」などというように、判断が難しいような場合もあります。
ここでは、賃貸物件でOKなことと、NGなことについて、マンションやアパートを管理している管理会社に教えてもらいました。
一般的に、退去する際に精算する場合は、原状回復費のハウスクリーニング代などを入居した際に預けた敷金の中から差し引いて、残ったお金を返すようになっています。

なお、管理会社によっては、敷金を契約する際に預からないで、契約する際にクリーニング費の一定額のものを払うような方式を採用しているところもあるようです。
ここでは、管理会社において、クリーニング費の一定額でいいケースを「OK」、費用をこの他に負担するケースを「NG」としましょう。

例えば、「画鋲を壁に刺した」というようなケースは判断がどのようになるのでしょうか?
管理会社によれば、「数ヶ所ポスターなどを貼る際に画鋲を壁に刺したくらいであればOK」ということです。
また、「何十ヶ所も画鋲を刺した、大きなくぎやねじなどの穴があるようなケースなどは、入居している人が負担する」というようです。
つまり、普通に使う範囲のケースは「OK」、壁紙を入居している人の故意や過失によって張り替えするなどのケースは「NG」というようになります。

このような考え方をベースにして、OKのケースとNGのケースについてご紹介しましょう。

賃貸物件でOKなこと

・普通に画鋲を壁に刺して使う
・エアコンの室内機を壁に取り付けたねじの跡など
・壁が日焼けした
・テレビの裏の壁が汚れて黒くなった

賃貸物件でNGなことと

・壁紙を張り替えるような大きなねじの穴
・クリーニングで落ちないようなたばこのヤニのひどい汚れ
・クリーニングで落ちないようなひどい壁の落書き
・壁紙を張り替えするような壁の傷つき
・床材を張り替えるようなペットの糞尿のしみ

なお、このような賃貸物件でOKなこととNGなことは、管理会社などで違っているため確認してみましょう。

 

入居後に一番多いトラブルとは?

実際に賃貸物件に入居してみると、案外とトラブルが多くあります。
ここでは、最も多い騒音についてご紹介しましょう。
騒音と一言で言っても、いろいろなものがあります。

騒音としては、人の声や足音、イスを動かす音や戸を開閉する音、テレビの音などがあります。
騒音トラブルが多くなった要因としては、賃貸物件で生活する人のライフスタイルが多様になって、生活する時間帯が違ってきたこともあります。
騒音トラブルになった場合は、管理会社あるいはオーナーに相談しましょう。
管理会社の場合は、ほとんど毎日騒音トラブルを受け付けているくらい多くあるそうです。
管理会社は相談を受け付けすれば、騒音の要因について現場で調べたり、以前の経験から推定したりして、一緒に解決する方法について考えてくれます。

 

賃貸物件で発生する騒音トラブルの一例と解決する方法

・これまで騒音トラブルが無かったが、上の階の足音が急にうるさくなった

調査した結果、上の階に入居している男性が、痩せた人から大きな人に替わっていました。
そのため、上の階の男性に対してスリッパの底が厚いものを準備して、足音があまりしないように歩いてもらうことで解決しました。

・ステレオの音が深夜に気になる

ステレオの下に2重に免振ゴムを敷いて、伝わる振動を少なくして解決しました。

・子供が上の階でゲーム機で遊んでいる音がうるさい

ゲーム機を使ってもいい時間帯を決めて、下の階の人もこの時間帯については我慢してもらって解決しました。

・夫婦が隣室でひどい喧嘩をしている

直接隣室の夫婦に注意すると、その夫婦は残念ですが退去しました。
騒音トラブルの場合は、要因も対策も違っており、個人によって妥協できることも違っているため、解決するのは非常に大変です。
騒音トラブルに遭った際は、管理会社やオーナーに相談しましょう。

・雨漏りトラブル

賃貸物件の漏水トラブルは、万一遭った場合には非常に困ります。
それほど漏水トラブルは頻繁に起きないだろうと考えている人も多くいるのではないでしょうか。

しかし、管理会社にすれば、毎月漏水トラブルに遭っているそうです。
漏水トラブルと一言で言っても、実際には要因がいろいろあり、対策する方法も違ってきます。
大事な生活するところで、漏水トラブルがあると非常に困ります。

さらに、他の人に自分のところの漏水トラブルで被害を与えると、非常に慌てるでしょう。
漏水トラブルの被害に万一遭った際に慌てないように、あるいは、自分が実際に被害を与えることがないように、ここでは、実際に発生した事例についてご紹介しましょう。
最もよく発生する漏水トラブルは、洗面所や浴室、キッチンなどの水栓、トイレの便器やタンクの中で水がチョロチョロと漏れて止まらないケースです。

このような場合は、部品やパッキンを交換するとほとんど直るため、管理会社やオーナーに伝えましょう。
漏れる水量が多ければ、修理業者が来るまでは応急的に給水元栓を閉めておきましょう。
給水元栓は、一般的に、集合住宅のマンションなどの場合は玄関のそばのパイプスペースにあり、アパートの場合は共用部の土地の青いふたのメーターボックスの中にあります。
給水元栓にはハンドルがほとんどあり、右に回すと給水を止めることができます。

 

退去時の負担を抑えることも考えるように

賃貸物件の場合は、注意して汚れないようにすると同時に、汚れた場合は掃除をすぐに行うことも必要です。
このようなことができないために汚損したり劣化したりした場合は、入居している人が負担する必要があると判断されることもあると考えておきましょう。

しかし、先にご紹介した契約する際にクリーニング費の一定額のものを払うような方式を利用しているほとんどの人が、一定額の枠内で収まるということであるため、それほど神経質になる必要はないでしょう。
なお、入居している人は、部屋の管理を任されているというような考えで、大切に部屋を使用しましょう。
退去する際は、次の賃貸物件に引越しするためにも、お金を可能な限り手元に多く残する必要があるため、掃除をこまめに行っておくことが、出費を無駄にしない早道と言えるでしょう。

また、管理会社によって、入居している人が負担するのはどこまでかということは違う場合もあるため注意しましょう。
しっかりと契約する際にチェックして、入居してからも心配や疑問があればすぐに管理会社やオーナーに相談して、トラブルが起きないようにしましょう。

 

独り暮らしを行う際に賃貸物件で重視することのまとめ

賃貸住宅の部屋探しの場合は、家賃はいくら以内、徒歩で駅から何分以内、などというような全ての要望を満たすのは、ほとんど困難であるため、どのように優先条件を決めるかが大切です。
賃貸住宅に一人で住んでいる20代~30代の100人ずつの社会人の男女にアンケートした結果では、重視したことは家賃が約8割で最も多くなりました。

一方、妥協したことは、築年数がトップになりました。
部屋探しの際にはそれほど重要ではないと考えていたが、その重要さが実際に住んでみると分かったこととしては、防音性がトップでした。
賃貸物件でOKなことと、NGなことについては、ここでご紹介したようなことがあるため参考にしましょう。

実際に賃貸物件に入居してみて最も多いのは、騒音トラブルです。
賃貸物件の漏水トラブルは、万一遭った場合には給水元栓を閉めるなどの対応をしましょう。
賃貸物件の場合は、注意して汚れないようにすると同時に、汚れた場合は掃除をすぐに行うことも必要です。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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