不動産トラブル弁護士ガイド

不動産トラブル専門の弁護士検索・法律相談ポータルサイト

ちょっとまって、任意売却物件のトラブル

更新日:2021年07月08日
ちょっとまって、任意売却物件のトラブルのアイキャッチ

任意売却とはどのようなものでしょうか?

基本的に、不動産を売る場合は、残債務の住宅ローンなどを全て返済して、不動産の抵当権などを解除する必要があります。
というのは、抵当権が解除されていない不動産を買う人はいないためです。
そのため、住宅ローンの残債務がある状態では売ることが難しく、対処をどのようにするといいか分からなくて、そのままにして競売になる場合が多くあるのが実情です。
任意売却というのは、金融機関などの債権者から合意をもらうことによって、抵当権などを解除して一般の市場価格で売るものです。
任意売却は、このようなデメリットもありますが、多くのメリットがあるためおすすめです。

任意売却のメリット

・競売の落札価格より高く売ることができる
・より残債務が少なくなる
・事情を近くの人に知られなくて売ることができる
・売却代金から必要な経費が控除されるため、持ち出し費用が少なくなる
・そのまま売った自宅に住み続けられることがある
・引越しする場合は引越し費用を負担してくれることがある

任意売却のデメリット

・内覧が行われる際は立ち会いする必要がある
・売れないこともある
・頼む任意売却の業者を選ぶ必要がある

 

よくある任意売却物件のトラブル一覧

では、任意売却ではトラブルはないのでしょうか?

任意売却は、住宅ローンの返済が難しくなった人を救済するための方法ですが、トラブルに不動産業者によっては遭って、酷い目に遭うかもしれません。
任意売却でのトラブルとしてはさまざまありますが、まず相談する費用がかかるということが挙げられます。

任意売却の場合、不動産業者は相談する費用などを要求しては駄目ですが、仲介手数料のみはもらうことができます。
莫大な金額を仲介手数料として請求される場合もありますが、事前に法律で決められている金額かを確認する必要があります。
任意売却であるため安心でしょうが、必要以上の仲介手数料を要求されたので非常に苦しんだというケースはもあるため注意しましょう。

また、業者によっては任意売却の経験がないためにトラブルが発生することもあり、任意売却が成り立たかったケースもあります。
いいことのみをアピールしていい加減な仕事をする不動産業者ではなく、信頼があるところに頼みましょう。
きちんと任意売却の専門家と連携して、必要によって専門家がサポートしてくれるところに頼むことによって、トラブルが起きにくくなるでしょう。

上記以外の任意売却のトラブル

・持ち主であるにも関わらず、販売価格を教えてくれない
・レインズという不動産情報バンクに登録されていない
・業務報告がない
・対象の不動産の売却がネットなどに全く宣伝されていない

早く任意売却をしなければ競売になる恐れがある、と焦るかもしれませんが、きちんとした不動産業者を探さなれば最悪な状態になりかねません。
頼む人があまり任意売却に関して分からないということで、お金を必要以上に要求したり、頼まれたにも関わらず任意売却を進めようとしなく、最終的に競売になったという場合もあります。

しっかりと契約する前に判断する必要がある

トラブルとしては、仲介手数料の法外なものを要求された、基本的に請求してはいけないお金を要求された、経験や知識が全くなくて任意売却が進まない、というようなトラブルが多くあります。
ほとんど普段は関係しないようなデリケートなことであるため、当然ですが、頼む人は任意売却に詳しくないでしょうが、トラブルにならないように、任意売却について勉強を最低限しておくのがおすすめです。

トラブルを避けるためによりいい不動産業者を見つけることができると、よりいい結果が期待できます。
最もいい形で大切な自宅を売るようにしましょう。

 

任意売却物件のトラブルの3つのケース

任意売却物件のトラブルのケース1

任意売却の専門家に初めから相談すると良かったというケースです。
このケースは、東京都内で会社を経営している54歳の男性で、家族は奥様だけ、建物は戸建、2000万円の残債務、380万円の税金、1880万円が売却価格です。

・相談された内容

男性が経営している会社の儲けが少なくなって、住宅ローンの返済が難しくなりました。
滞納も多くなり、競売開始決定が自分の手元に届き、大変であることが分かりました。
初めは、近くにある不動産業者に相談して売るようにしていました。
しかし、競売の通知があり、確認した結果、相談した不動産業者は任意売却に詳しくなかったので、再度専門的な知識を持っている弁護士に相談しました。

・提案した内容と解決した方法

初めは、第三者に任意売却で売ることで進んで、普通の購入したいという人と契約することにしていました。
しかし、奥様は愛着が長年暮らした家にあったため、何とかして自宅に住み続けたいということで、親族間売買という住み続ける方法へ変更しました。
親戚関係について話を聞いて、収入面において奥様の兄弟が安定していたので、兄弟に納得してもらって、賃貸で住むことを提案しました。
ローンを無事に組んで、任意売却が親族間売買でできました。

・任意売却をした後の暮らし

自己破産は事業があるためしないで、毎月の返済と家賃を兄弟に払って暮らしています。
奥様が希望していた愛着がある自宅に現在も住んでいます。

・男性の感想

他の人に自宅が渡ってしまうのを考慮すると、現在の自宅にどうしても住み続けたいと思いました。
迷惑が家族にかかるのを承知で、親族間売買ということにさせてもらいました。
親族間売買を快く了解してくれた家族に感謝しています。
また、自分たちが希望するように進めてくれ、自宅を売らなくてもいいようにしてくれた弁護士に感謝しています。

・弁護士からの一言

親族間売買というのは、現在の自宅に住み続けられる方法です。
諸費用や利息などは必要になりますが、愛着がある自宅を守るには、親族間売買も考慮する必要があります。
親族間売買は、家族の協力があると可能になります。

また、今回は、任意売却の知識を持っていない不動産業者に初めに相談したことによって、精神的なに大きな負担になりました。
不動産業者からも弁護士は相談されます。
良心的な不動産業者の場合は、任意売却についての知識を持っていないことが分かって対処してくれる場合もあります。

しかし、任意売却についての知識を持っていないためにそのままにされたりして、競売になることもあります。
任意売却の場合は、どのようなところに相談するかで非常に結果が違います。
弁護士を信用して相談しましょう。

 

 

任意売却物件のトラブルのケース2

任意売却の知識を持っていない不動産業者に頼んだケースです。
このケースは、東京都内で運送業を経営している56歳の男性で、家族は奥様と子供さん、建物は戸建、2200万円の残債務、1200万円が売却価格です。

・相談された内容

この男性が相談に来た時は、競売手続きまですでに進んでいました。
別の不動産業者に任意売却を頼んでいましたが、競売手続きまですでに進んでいたため、もう任意売却は無理ですと言われて、何とかして欲しいということで相談に来られました。
住宅ローンの返済を滞納したのは、仕事があまりなくなって、収入が少なくなったため住宅ローンが返済ができなくなって、さまざま調査したところ、任意売却があることが分かって決心したということでした。

・提案した内容と解決した方法

競売手続きがすでに進んでいたため、初めは任意売却自体を懸念していました。
しかし、諦めないで何回も債権者と話し合いをして、任意売却を競売と並行することを認めてもらうことが何とかできました。
競売手続きもすでに進んで、タイムリミットギリギリで、任意売却の契約が何とかできました。

・任意売却した後の暮らし

競売手続きがすでに進んでいたこともあって、非常に苦戦する案件であると考えました。
初めに相談していた不動産業者が断った後であったため、引き継ぎした際は相当安堵した様子でした。
相談する人も諦めないで弁護士を頼ってくれたため、これに対応できるように精一杯努力しました。

・男性の感想

初めに相談した不動産業者が断った際は、これからどうすればいいか、競売にもしなればどうしようかと途方に暮れました。
このような時に自分たちの味方になってくれる弁護士に出会って、非常に感謝しています。
任意売却を諦めなくて本当に良かったと思っています。

・弁護士からの一言

面談した際は、非常に心配そうな表情でした。
あまり時間もなくて、どうなるか不安になることもありましたが、売却も無事に終わりました。
方策は何かあるでしょうから、頼っていただきたいと思います。
また、十分に任意売却についての知識がない不動産業者も多くいます。
競売になると残りの時間は確かに少なくなりますが、任意売却は開札まではできます。
この場合のように、別の不動産業者に相談したが、断られたというような相談があります。
弁護士事務所では、専門家の豊富なネットワークによって確実にトラブルを解決します。

 

任意売却物件のトラブルのケース3

自宅を売りたいが売れないケースです。
このケースは、東京都内の無職の36歳の男性で、家族は奥様と子供さん、建物は戸建、2690万円の残債務、1600万円が売却価格です。

・相談された内容

この男性は大手の会社に勤めていた31歳の時に、実家の近くで販売していた建売住宅を買いました。
返済割合も年収に対して低く、割合余裕のある生活でした。

しかし、交通事故に35歳の時に遭って、大けがを頭にして入院しました。
体調は幸い戻りましたが、仕事は従来でのようにできなく、1年間会社を休んだ後退職しました。
失業手当が無くなれば、住宅ローンは返済できなくなるため自宅を売ろうと思っていました。

また、自宅を売った場合でも住宅ローンの残債務が売却代金よりも多く、相談した不動産業者では、このような状態では売却できない断られていました。
このような時に、弁護士が出たテレビの番組を奥様が見て相談されました。

・提案した内容と解決した方法

相談をすぐにでもしたいということで、自宅を問い合せがあったその日に訪問しました。
この男性の現状や希望を聞いた上で、詳しく任意売却について説明して提案したところ、お願いしたいとの回答をもらって、任意売却が始まりました。
住宅ローンの滞納が、この男性の場合はまだありませんでした。
しかし、書類で任意売却の申し出を行うなど、スケジュールを債権者に早めてもらいました。
初めの販売価格は、15%程度一般の相場よりも高く販売できませんでした。
しかし、債権者に交渉して価格の見直しを毎月値下げしたことによって、5ヶ月目に販売できました。

・任意売却した後の暮らし

この男性は、自己破産を任意売却した後に希望していました。
弁護士が担当した結果、17万円の自己破産費用は毎月分割で1万円ずつ払っています。
近くにある実家に戻って住むようにしたそうです。

・男性の感想

自分が交通事故を起こしたので、初めは自己破産も任意売却も嫌で逃げていました。
しかし、弁護士から意地を張らないで、再スタートをきちんとした形で早く始めることが、家族に対する責任であるとアドバイスされて、自己破産と任意売却を決心することができました。
気持ちも現在は落ち着いてきており、自己破産と任意売却を選んで非常に良かったと考えています。
今からは、できるだけ社会に早く復帰して、リハビリを頑張って家族をサポートすることができるようにしていきます。

・弁護士からの一言

この男性は、非常に自己破産に対して初めは抵抗していましたが、最終的には奥様が説得したこともあって自己破産を選びました。
このケースのように1000万円近く残債務があるケースは、ほとんどの場合は自己破産されます。
自己破産の場合は、7年経つと融資を再度受けられますが、自己破産しなければ融資は残債務が無くならないと受けられません。

例えば、1万円ずつ1000万円を毎月返済すれば、80年以上元金のみでかかります。
3万円ずつ毎月返済した場合でも、30年近くかかります。
特に自己破産をすすめているということではありませんが、この男性の場合は解決する方法としては自己破産が最も適したものになったケースです。

この記事の著者

不動産トラブル弁護士ガイド 編集部の画像

不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

この記事を見た人が見ている記事

任意売却と競売の違いって?メリット・デメリットを徹底比較!の画像

2019年07月09日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

わかりやすい「任意売却」とは?トラブル事例と質問事項まとめの画像

2019年07月09日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

任意売却、専門業者は?どうやって依頼する?の画像

2019年08月20日 古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

任意売却を弁護士に相談?任意売却に強い弁護士の画像

2021年06月30日 不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

購入前に知っておきたい任意売却物件!の画像

2019年09月03日 編集部

ベンナビ弁護士保険