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【弁護士監修】残債ありの不動産に連帯保証人が付いている、その場合の任意売却の注意点とは?

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

更新日:2018年12月27日
残債ありの不動産に連帯保証人が付いている、その場合の任意売却の注意点とは?のアイキャッチ

連帯保証人と言う言葉は、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
まず、保証人についてご紹介しましょう。

部屋を賃貸する際だけでなく、お金を銀行で借りる際も保証人が必要になります。
部屋を賃貸したりお金を借りたりした債務者が、契約したように家賃を支払ったり月々返済してくれなかったりした場合は、家主や銀行は非常に困ります。

そのため、債務者が家賃の支払いや月々の返済ができない場合に、お金を代わりに支払ってくれる人、つまり連帯保証人になる人がいると、万一の際にも、お金が確実に取れます。
連帯保証人は、例えば、債務者が修繕費を退去する際に支払わない、家賃を支払わないというような場合は、債務者の代わりに、お金を支払う義務があります。
この他にも、保証人はさまざまなシーンで必要になります。

身元保証人を、就職した際などに要求される場合があります。
これは、損害賠償義務を契約するためで、会社に就職した人が損害を万一与えた場合に、就職した人の代わりに身元保証人は損害賠償を会社にする必要があります。
そのため、友人の借金の連帯保証人になると、お金を友人がもし返済できない場合は、連帯保証人が代わりに支払う必要があります。
このような場合は、借金を連帯保証人が支払うようになり、最悪の状態になることも十分に考えられます。
そのため、連帯保証人になる場合は、十分に注意する必要があります。

不備が準備した書類にあったため、余計にお金も手間もかかったなどとならないように、しっかりと契約する前に用意をしておきましょう。
一般的に、賃貸契約する場合に必要なものとしては、印鑑証明や住民票、収入証明の書類、仲介手数料・前家賃や敷金などのお金です。
そして、賃貸契約書の場合は、連帯保証人の捺印・署名が要求される場合があることも把握しておきましょう。

連帯保証人は何をするのか

ここでは、普通の場合とローンが完済できない場合に連帯保証人は何をするか、についてご紹介しましょう。

一般的な場合

住宅ローンを利用する時に、金融機関が融資する条件として連帯保証人を要求する場合は割合よくあります。
購入したい物件の価格が高く、収入的に融資を単独で行うのが困難な場合、あるいは、短い勤続年数で収入が継続して獲得できているという見極めが困難な場合などは、一般的に、連帯保証人を要求されます。
この連帯保証人は、きちんと借金が返済されていれば問題はありません。
きちんと返済されていると、請求が連帯保証人へいくのは、まずないため問題はありません。

ローンが完済できない場合

ローンが完済できない場合は問題になります。
ローンの返済が停滞した場合でも、完済すれば問題ありません。
しかし、売る時価を債務額が上回って、不動産を売っても残債務がまだある場合は問題が大きくなります。
というのは、保証債務として、連帯保証人が残債務の全てを背負うようになるためです。

任意売却に伴う残債とは?

自宅を持っている場合に仮に離婚してしまったりすると、財産を自宅も一緒に分割することが必要です。

ケースとしてはいろいろありますが、多くあるのは自宅を離婚するため任意売却したいが、住宅ローンが自宅を売っても残るものです。
また、住宅ローンを夫婦の収入を合算することなどによって利用した場合は、共有名義に債務と自宅がなっていたり、連帯保証人にお互いになっていたりする場合もあります。
離婚によって任意売却をして住宅ローンの残債がある財産分割において、債務の連帯保証人にいずれかがなっていると、どのように残債の取り扱いをするかも大切になります。

任意売却でも連帯保証人に迷惑がかかる?

任意売却を進めている物件の住宅ローンに、連帯保証人が付いていると、いろいろなトラブルが生じてくる恐れがあります。
連帯保証人に信用してくれてなってくれたため、迷惑をかけることができない、ということは十分に分かりますが、残念ですがダメージは少なからずあります。

基本的に、債権回収の場合は、回収を返済できるところから行うということになります。
そのため、連帯保証人が支払いできるのであれば、債権者は債務者から連帯保証人に支払いを請求します。

連帯保証人は拒否するといいと考えるかもしれませんが、債務者と同じように連帯保証人は独立して債務を負うものです。
そのため、住宅ローンの返済が債務者が難しくなった場合は、連帯保証人に金融機関は支払いを要求します。

任意売却では連帯保証人にかかる迷惑を最低限に!

住宅ローンを滞納すると、任意売却の場合でも競売の場合でも、連帯保証人に迷惑がかかります。
このような連帯保証人にかかる迷惑を最小限にすることも、専門の任意売却業者の技量です。
連帯保証人がついていると、住宅ローンの返済が停滞し始めた場合、債権者や銀行は請求を連帯保証人に行うようになります。

これは、当然のことでしょう。
というのは、連帯保証人は、借金した人が万一返済できなくなった場合、返済を借金した人の代わりに行うという契約を結んでいるためです。

債権者や銀行は、融資したお金は確実に回収できる人から回収するでしょう。
基本的に、取れる人からお金を回収するようになります。

債権者や銀行は、やはり融資したお金を回収するために手間や時間をあまりかけたくないと思っています。
そのため、連帯保証人が付いている場合は、当然ですが、請求を連帯保証人に行うようになります。

不動産を連帯保証人が持っている場合は、先にこの不動産が競売になる場合もあります。
そのため、連帯保証人が資産として不動産を持っている場合は、対応を慎重に行うことが大切です。
債権者や銀行は、お金を確実に回収できるところがあると、融資したお金を回収するために、手間や時間をわざわざかけて任意売却や競売を行う必要はありません。

債権者や銀行としては、返済を連帯保証人に要求して、そして連帯保証人がお金を支払ってくれるといいだけです。
そのため、連帯保証人がいる場合は、任意売却は慎重に取り扱う必要があります。

ブラックリストに連帯保証人がなる場合もある?

もちろん、自己破産を借主がし、支払い能力が出来なくなった場合、連帯保証人がすることもあり得ます。
注意する必要があるのは、債権者や銀行からの支払い請求を拒んだ場合には、いわゆるブラックリストと言われている信用情報機関に債務者と同じように登録されるようになります。

任意売却する場合は、迷惑が連帯保証人にかからないように行う必要があります。基本的に、任意売却する場合は、何らかの迷惑が連帯保証人にかかります。
専門の任意売却業者であれば、最小限に連帯保証人にかかる迷惑を抑える技量を持っています。

任意売却を、連帯保証人がいるということでも諦めないようにしましょう。
専門の任意売却業者は経験と知識があるため、必要最小限に連帯保証人にかかる迷惑を抑えることができます。
連帯保証人が付いている任意売却で悩んでいる場合は、ぜひ専門の任意売却業者に状況を相談してみましょう。
連帯保証人に一旦なると、途中で連帯保証人を止めることができません。

例えば、連帯保証人から離婚をするので外れたい、というような場合が非常に多くあるそうです。
また、連帯保証人を何らかの事情によって変えたいと考えている人が、頻繁にいるそうです。

しかし、連帯保証人を変えることは、実際には非常に困難であると考えておきましょう。
連帯保証人を変えることができる一つの可能性があるとすると、残っている債務や住宅ローンの全額を一括で一旦返して、新しくまた融資を受けるために連帯保証人を立てることであればできます。

債権者に連帯保証人から離婚をしたので外れたいと依頼したとしても、この依頼が叶うためには非常に高いハードルが多くあると考えておきましょう。
離婚して他のパートナーと元の配偶者が結婚する場合に、離婚する前に住んでいた住宅の連帯保証人を止めたい、連帯保証人から外れたい、というようなケースが多くあるそうです。

任意売却には連帯保証人の同意が必要なのか?

任意売却する場合は、連帯保証人の同意が必要になります。
では、任意売却する場合に連帯保証人の同意がどうして必要なのでしょうか?
住宅を買う際に住宅ローンを利用する場合は、連帯保証人を不動産担保以外に金融機関が要求する場合があります。

民法においては、このような場合は、連帯保証人を守るため、債権者が安易に担保の不動産を低い価値の別の物件に替えたり、任意売却したりできないように決まっています。
つまり、債権者としては、担保保存義務という担保の不動産価値が減らないように維持する必要があります。

しかし、金融機関の場合は、一般的に、担保保存義務免除特約を付けることが融資する際に行われています。そのため、同意を連帯保証人からもらわなくても、債権者は担保を移したり、任意売却したりできます。

しかし、特約が付いていると、これを安易に行った場合、この免除特約は権利濫用などの理由で認められない場合もあります。
そのため、債権者としては、担保権を任意売却によって解除する際は処理を慎重に行う必要があります。
担保保存義務免除特約が付いていても、クレームが連帯保証人から先々ないように、連帯保証人の同意を任意売却の際にはもらう必要があります。

実際に任意売却を行う手順

ここでは、実際に任意売却を行う手順(流れ)についてご紹介しましょう。
任意売却を行うおおまかな手順としては、以下になります。

  1. ローンの返済が停滞する
  2. 代位弁済を保証会社が行う
  3. 担保にした物件を調査して評価する
  4. 売る活動を行う
  5. 買主が買付を申し出る
  6. 売った代金を配分する案を作る
  7. 調整を債権者と行う
  8. 売買が成立する
  9. 決済して物件を引渡しする

任意売却後の債権回収どうなるの?

任意売却の場合は、売却する前に話し合いを住宅ローンの保証会社や金融機関の債権者と行うことによって、任意売却物件を売却する価格や売却する際の抵当権を抹消する同意をもらいます。
勝手に売却する話を進めないで、債権者の同意を事前にもらいながら話を進めることによって、信頼を債権者から勝ち取るようになります。

任意売却の場合は、ほとんどの場合高く競売よりも売却できるため、最終的に競売の場合よりも残債は少なくなります。
債務者にとってこれは非常にメリットがありますが、債権者のメリットとしても回収が少しでも多くできることがあります。

このように信頼を債権者から得ながら実際にメリットも示すことによって、分割で残債を支払う場合の月額に関しても話し合いにのってくれるようになります。
それぞれのケースによって、毎月の具体的な支払額は違ってきますが、支障が新しい生活に出ないように、支払いが無理なくできる金額を債権者が認可してくれることが多くあるようです。

では、完済するまで支払いが無理なくできる金額を継続するのでしょうか?

残債が仮に800万円残ってしまった場合はどうすれば??

このことに関しては、非常に難しい問題ですが、ヒントを少しだけご紹介しましょう。
例えば、任意売却した後に利息無しの800万円に住宅ローン残債がなったとすると、1万円を毎月返済すると返済期間は約67年、2万円を毎月返済すると返済期間は約33年になりますが、この返済期間は現実的なものではありません。

この場合は、競売した後のように、例えば7万円を毎月返済すると返済期間が約10年というような現実的なものにはなりません。
返済する毎月の金額は、基本的に、支障が新しい生活に出ない、支払いが無理なくできるものです。
また、毎月少しずつでも支払いする以上、債務を時効の援用や自己破産によって無くすということでもありません。
弁護士などの法律家の人たちと業務を提携する秘密が、ここにあります。

また、業務を弁護士と提携している専門の任意売却業者は、ほとんどの場合、住宅ローンの残債以外の債務なども一緒に相談することができます。
専門の任意売却業者でも、弁護士だけでなく司法書士などのそれぞれの分野の専門家と提携して、依頼主の新しい生活の再スタートに役立つように、努力を日々行っています。
任意売却後の債権回収について相談や不安がある場合は、気軽に専門の任意売却業者に問い合わせましょう。

残責は連帯保証人に及んでいく?

金融機関は住宅ローンを融資する際には、条件として連帯保証人を付けることを必ず要求してきます。
責任において、保証人と連帯保証人では非常に違いがあります。
保証人になった場合は、支払い能力が借金した債務者にある限り、優先して取り立てを債務者から行います。
借金の取り立てが保証人にあった場合は、督促を債務者に依頼することを求めて支払いを断ることができます。

しかし、連帯保証人になった場合は、借金した債務者と同等の責任が求められます。
このため、融資した金融機関側がお金を連帯保証人の方が取り立てやすいと判断すれば、借金した債務者よりも先に連帯保証人に返済を求め、しかも連帯保証人はこれを拒むことはできません。

融資した金融機関側は、連帯保証人の方が保証人よりも返済させやすいので、条件に融資する際は連帯保証人を保証人の代わりに付けることをしています。
住宅ローンを利用する場合は、連帯保証人は基本的に必要ありませんが、金融機関や保証会社によっては連帯保証人に配偶者や親がなる場合もあります。
連帯保証人になった場合は、借金した債務者の住宅ローンの残債を払う責任と義務があります。

連帯保証の場合は、契約が当事者同士のものではなく、金融機関やローン借入先の債権者とのものになるので、連帯保証人を止める場合は借入先の了解を得ることが必要になります。
連帯保証人の場合は、債務者と責任が同等であるため、相手が亡くなったり離婚したりした場合でも返済する義務があります。

また、住宅ローンの場合は、その住宅に実際に住んでいるかどうかは関係ありません。
連帯保証人の場合は、重い責任があり、借金を自分がしているということではありませんが、責任を同等に負うようになります。
融資した金融機関側は、返済を連帯保証人にいつでも要求でき、断るのはできなく、借金した債務者自身に請求する要求さえもできません。
基本的に、連帯保証人を止めることは、借金を全て返済しない限りできなく、非常に重い責任がある役目になります。

分からないことはまず相談しよう

任意売却で分からないことがあれば、まず法律のプロの弁護士に相談しましょう。
ここでは、任意売却を法律のプロの弁護士に相談するメリットについてご紹介しましょう。

住宅ローンの滞納がメインの任意売却

基本的に、任意売却は、住宅ローンの返済が難しくなった際の不動産売却の方法の一つです。
そのため、住宅ローンの滞納での不動産売却ということのみであれば、法律のプロの弁護士に相談するメリットはそれほどないでしょう。
というのは、住宅ローンの滞納について任意売却を弁護士に相談しても、任意売却そのものは、仲介業務を不動産業者が行うため、専門の任意売却の業者に直接相談する場合と、基本的にはそれほど違いはありません。

住宅ローン以外に多重債務が相当ある場合

住宅ローン以外に、他にも借金がある場合は、自己破産などを前提とすると、弁護士に相談すればメリットがそれなりに体感できます。
というのは、多重債務がある人にとっては、厳しい督促が債務者からあるため辛く思っているためです。
一方、弁護士に依頼すると、債権者に弁護士が介入したことを通知した結果、しつこい債権者からの督促がすぐに止まるためメリットが相当あります。
これ以外にも、消費者金融で相当昔から借入をして、返済してきた場合は、過払い金の引き直し計算ができる場合もあり、過払い金が状況によっては戻ることもあります。
このような場合は、弁護士に相談する大きなメリットがあります。

一方、任意売却を法律のプロの弁護士に相談する際には、注意することもあります。
任意売却を法律のプロの弁護士に相談する際には、弁護士に支払う費用や自己破産するために費用がかかります。

また、過払い金を請求する場合は、お金は多少は戻ってくるでしょうが、それ相応の弁護士の報酬を支払う必要があります。
基本的に、ローンの返済ができないほどお金がないため、弁護士に支払う費用などを捻出することは難しいのではないでしょうか。

なお、最近は、弁護士事務所の中には、初めて相談する場合に限定して、相談を無料で引き受けてくれるようなところも多くなってきました。
しかし、弁護士事務所の多くのところでは、初めて相談する場合でも、有料になっているところがまだ多くあります。
任意売却で分からないことがあれば、まず相談を無料で引き受けてくれるような弁護士事務所に依頼しましょう。

残債がある場合の不動産を任意売却する際のまとめ

連帯保証人の場合は、非常に重い責任があり、借金を自分がしているということではありませんが、責任を債務者と同等に負うようになります。

住宅ローンの残債がある時は、連帯保証人が債務者の代わりに支払う必要があります。
そのため、連帯保証人を頼まれた場合は、ここでご紹介したような内容について十分に理解しておいて、引き受けするるかどうかを慎重に検討するようにしましょう。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

不動産に関する法的問題、トラブルに関してはご相談ください。 アドニス法律事務所では、入居者の方や不動産オーナー、管理会社様から法律相談を受けており、これまで複雑な不動産問題を解決してきました。 下記、一例ですが寄せられた相談です、不動産に関するお悩み...

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