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共有不動産を解消したい!その方法とは?

更新日:2019年08月06日
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 親の不動産を相続する時間が迫っている方は、色々調べている間に「共有不動産」という言葉を目や耳にすることがあるのではないでしょうか?
 共有不動産とは一体何か、不動産は相続によって共有状態になることが多いのはなぜか、共有状態は解消すべきだと言われるがそれはなぜかなど、色々な疑問が出てくると思います。
 共有不動産についてわかりやすくご説明します。

共有不動産とは?

まず「共有」とは文字通り1つの物を2人以上の人が共同で所有している状態のことを言います。
「共有不動産」とは、1つの不動産を2人以上の人が共同で所有している不動産のことです。
不動産には「持分」という所有権の割合があります。不動産を単独で所有している場合は持分1/1ですので100%自分で使用することができるのですが、共有している場合は共有者それぞれに持分が決められます。
例えば1つの土地Aを兄弟で所有している場合で兄が3/4、弟が1/4の持分を所有しているとします。民法第249条には「共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる」と定められており、これはどういう意味かというと土地そのものを持分の割合で分けるという意味ではなく、土地全部を持分の割合で使うことができるということです。

ものすごく噛み砕いて家で例えると、家をパカッと持分に分けて使うということは現実的に不可能です。なので兄から「お前の持分は1/4だから全部で4部屋あるうちの1部屋だけしか使うなよ!」と言われてもまず無理ですよね。そのため、「家を全部使っていいけど自分でリフォームをするなら1/4までだぞ」というのが共有状態になります。

少し脱線しましたが、つまりは持分があっても不動産は全体を利用することができるということです。
では共有状態の何が問題かというと、共有物の変更(農地から宅地に変更する「地目変更」など)や不動産全体の処分(解体や売却など)については共有者全員の合意が無いとできないという点です。(持分だけの売却は可能ですので、例えば弟が所有している持分1/4だけを単独で第三者に売却するということはできます。)

相続した不動産が古く、住む予定が無いから売却したいという兄と、思い入れがあるから売却せず残したい弟…という場合は兄弟間で対立しており合意ができていないので売却できないということになります。

また、共有状態で共有者の一人が亡くなった場合はまた相続が発生しますので、共有者がどんどん増えていってしまう可能性があります。
先ほどの例で弟に子供が4人おり、共有状態で亡くなった場合は兄の持分3/4、弟の子供たちにそれぞれ持分が1/16ずつということになります。そして共有者は2人から5人に増加します。
そうなってくるとどうでしょうか。兄弟2人だったら簡単にまとめられたかもしれない話が、相続人が増えたことによって全員の合意を得る手間が増え、合意を得られなかった場合は話が複雑になっていきます。もし持分を第三者に売られていた場合は親族でもなんでもない第三者まで含まれてきますのでめちゃくちゃです。

長くなりましたが、つまり共有不動産の何が問題かというと
 ・変更や処分が難しくなる
 ・共有したまま放置すると相続人が増えて複雑になる
ということになります。

共有不動産を解消する方法

では共有不動産はどのように解消すればよいのでしょうか?
主な方法を挙げますので参考にしてみてください。

①持分を譲渡する
自分の持分を他の共有者に譲渡する方法は3つあります。
 ・持分放棄
 ・持分贈与
 ・持分売買
  
例)共有者がABCの3人で、それぞれが持分1/3ずつ。
<持分放棄>
 Aが持分放棄をした場合、Aの持分はBとCのそれぞれの持分に応じて配分されます。BCの持分は同じですのでAの持分が1/6ずつ配分されてそれぞれ3/6ずつに変わる、つまり1/2ずつが持分になります。
 この場合AからBCに対して贈与されたとみなされるため、贈与税が課税されます。

 また、Aが亡くなった場合にAに相続人がいなければ、持分放棄と同じくBCに対してAの持分が配分されます。
 通常の持分放棄との違いは、課税される税金が相続税になるということです。

<持分贈与>
持分放棄は共有者の持分に応じて放棄した者の持分が配分されるものでしたが、持分贈与は贈与者が自由に配分することが可能です。例えばAがBに全て贈与するといった事が可能になります。
もう一つの違いは、持分放棄は単独行為ですのでAが個人で放棄することができますが、持分贈与は受贈者(受け取る人)が贈与に合意しなければなりません。(とは言っても、持分放棄をした場合も最終的には登記をする段階で全員が共同で登記を行わなければなりませんので実質的には合意が無いといけないということになります。)
課税される税金は贈与税です。

<持分売買>
先述したとおり自分の持分だけを売却することが可能です。
他の共有者の合意は必要ありません。
しかし、結果として第三者も共有状態になるため買い手を探すのはとても困難です。買い取り業者が買ってくれたとしても市場価格よりかなり安く売却することになると考えられます。

もちろん他の共有者が持ち分を買い取ることも可能です。
しかし、持分の売買は住宅ローンの融資を受けることが難しいのでご注意ください。

これらの方法を使って持分を共有者の一人にまとめてしまうことで共有状態を解消することができるというわけです。

②不動産を売却する
共有人全員の合意をもって不動産を売却する方法です。
不動産を売却することによって共有状態を解消します。
売却によって得たお金は持ち分に応じて分配します。

③不動産を分割する
これは主に土地の話になってしまいますが、共有している1つの土地を「分筆」という登記を行って共有人で分けてしまうことです。
ABCの3人で共有している場合はそれぞれの持分に応じて3つに分割することになります。
注意すべきは単純に面積を1/3ずつに分けるわけではないという点です。
土地の価格に応じて1/3に分けることになるため、土地の形状によっては道路に面した土地と道路まで距離がある土地に分筆することになる可能性があります。その場合、道路に面した土地のほうが価値が高くなるため面積は狭くなる可能性があるということになります。
また、それなりの広さの土地でなければ分筆後の土地が狭くなったことによって、将来的に売却を考えても売れなくなってしまう可能性があります。

分筆した後は、共有者はそれぞれの土地の所有者となりますので共有状態は解消されます。

④持分を代償する
共有人の一人に持分を全て取得させる代わりに、持分を全て所得した共有人から他の共有人に対して相応の代償金を支払う方法です。
持分をすべて取得した者の単独所有になりますので、共有状態は解消されます。
持分を代償することの注意点は、まず代償金(または代償できるだけの資産など)が必要だという点です。
また、時価に比べてあまりに低い価格で取引をした場合は高額な所得税が課税されてしまいます。不動産の評価額や不動産に関わる税金の計算はかなり複雑ですので、持分の代償をする場合は税理士や弁護士に相談することをおすすめします。

共有状態が長く続けば続くほど複雑になります。
これらの方法を使って一刻も早く共有状態を解消しておきましょう。

相続による不動産の共有

 法定相続分で財産を処分した場合、不動産は共有状態になります。
 例えば不動産の所有者である父が亡くなり、配偶者である母と子供である兄弟2人が相続をした場合は母が1/2、兄弟がそれぞれ1/4ずつの持分になります。不動産には母が住んでいます。

 もちろんそのままの持分で母が住み続けることも可能ですが、前述してきたようにいずれトラブルになってしまう可能性があります。
 例えば母が認知症になってしまって施設に入所したなどといったケースでは、母に成年後見人(母の代わりに法律行為を行ってくれる人)を裁判所が選任し手続きを進めていくことになりますが、成年後見人の選任に時間がかかりますし、重要な資産である住居の売却を成年後見人が単独で決断することはできず、相応の理由をもって裁判所の許可を得なければなりません(施設への入所費用や生活費の捻出のためなど)。
 
 こうならないよう、相続する時点で兄が不動産を単独で相続し、母と弟には現金などの財産を相続分に応じて相続させるなどしたほうが良いでしょう。

共有不動産でトラブルが起こるケース

 最後に共有不動産でトラブルが起こるケースについてみておきましょう。

 ・実家不動産を兄弟3人で相続し共有名義にしていた。兄2人は土地も含めて実家不動産を売却したいと考えているが、一番下の弟は実家に住んでいるため売却を拒んでいるケース。
 ・長期間共有名義のまま不動産を放置したため共有人が増えすぎてしまったケース
 ・姉妹で相続した土地があるが、姉が結婚をするので土地の上に家を建てたいと言い出したケース。
 ・夫が単独で住宅ローンを組むことができなかったため、夫婦の共有名義で不動産を購入し住宅ローンを組んだが、後に離婚をすることになってしまったケース。
 ・義理の父と共同で二世帯住宅を購入したが、後に離婚をすることになってしまったケース。

 ここに挙げたのはあくまで一例です。
 共有不動産にしておくメリットは正直ないと言っても過言ではありません。
 致し方なく共有状態になった場合は一刻も早く単独に変更すべきですし、購入するからと言って共有状態にするのはおすすめできません。

共有不動産のもめごとは弁護士に相談を

 共有不動産を解消したい場合はまず弁護士に相談してみましょう。
 不動産は計算が複雑で、税金の問題もあります。また、高額の資産ですので共有者とのトラブルもかなり発生しやすくなっています。
 不動産に強い弁護士に依頼すれば、税のことからトラブルの解消まで広い範囲でサポートしてくれますし、裁判になった場合も法律のプロですので力強い味方になってくれます。

 無料相談を行っている弁護士や法律事務所もありますので、共有不動産のお悩みがある方はまずは一度相談してみてはいかがでしょうか?

まとめ

 2人以上で所有している不動産を共有不動産と言います。
 共有者が複数いることによってトラブルが起こりやすく、売却や処分も全員の合意が無いと行うことはできません。
 共有状態を解消する方法はいくつかありますが、そもそも共有状態にしないことがベストです。

 事情があって共有状態になっているとしても、メリットはほぼありませんので一刻も早く共有状態を解消することをおすすめいたします。

 お悩みの場合は弁護士に相談してみましょう!

この記事の著者

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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