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弁護士に相談しよう【リフォームトラブル事例と対策】トラブルにあったその後は⁉

更新日:2021年01月12日
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リフォームトラブル‼実はよくある話

 東日本大震災以降にリフォームトラブルは急増しています。これは東日本大震災で被害の大きかった東北地方だけでなく関東地方までも建物の被害が出たからです。実際にどのくらいの被害が出たのでしょうか。
 

全壊 半壊 一部破壊
北海道 0 4 7
青森県 308 701 958
岩手県 19199 5013 8673
宮城県 85311 151719 224225
秋田県 0 0 5
山形県 0 14 1279
福島県 20841 70901 160535
茨城県 2632 24176 185178
栃木県 260 2108 71317
群馬県 0 7 17675
埼玉県 24 198 16397
千葉県 799 10021 51703
東京都 17 195 4858
神奈川県 0 39 454
新潟県 0 0 4
静岡県 0 0 13

 これは総務省が平成24年度に製作した都道府県別の被害状況です。建物には旧耐震基準下の建物と新耐震基準下の建物に分けることができます。中でも旧耐震基準下の建物では甚大な被害が出た東日本大震災でしたが一部破壊の件数は非常に多いことがわかりますね。
 そこへ目をつけたのが悪質なリフォーム業者です。リフォーム業者の中でも訪問販売でリフォームの提案をしてくる飛び込み営業型のリフォーム業者に関する国民生活センターへの相談件数は右肩上りで上がっています。
 

年度 2012 2013 2014 2015 2016 2017
相談件数 6350 7131 6728 6769 6594 5956

相談される具体的な内容には以下のものがあります。
「屋根の板が外れているので直すと言われて屋根工事を申し込んだがキャンセルしたい。だけどもう足場を組んでいるのでキャンセルするので大丈夫だろうか」
「無料で点検するということで屋根や外壁を点検してもらった際に工事が必要と言われ契約したのだけど高額だったのでクーリングオフしたい」
「訪問販売で工事の契約をしたけど見積もりを見ると水増し請求されている。クーリングオフができるか」
「訪問販売できた業者に屋根と床下などを工事してもらった。床下の工事はクーリングオフできたのだが屋根だけは原価分を支払えと言われている」
「認知症の母の元へ訪問販売がやってきて契約をされた。クーリングオフの方法はどうすれば良いのか」
「訪問販売で急に屋根が危険な状態と説明された。その場で応急処置をするというのでお願いしたらその後、高額な請求書をおくられてきた」
「実家の両親が火災保険で屋根を修理できると言われ、契約しようとしている。どうしたら良いか」
 などといった相談が年々多く国民生活センターに届いているようです。この話を聞いてみてどうでしたか?これってどこにでもありそうな話だと思いませんか?それも訪問販売で来られるとなるとどこにでもありそうな話ですよね。

具体的なリフォームトラブル事例は?

 国民生活センターに届けられている事例をもとに具体的にどのような方法で違法リフォーム業者は契約するのか見ていきましょう。基本的にリフォーム業者とのトラブルで多いのは「価格」「技術」「アフターケア」に分けられます。
 まずは価格です。価格に透明性がない業者とはトラブルになることが容易に想像できます。最初の契約段階で値段を言わないことや見積書に不透明な金額が上乗せされていること、結果的に値段が高くつくこともあれば、作業してから費用を請求することなどが挙げられます。他にも正常な判断ができないような高齢者を脅して契約させることや認知症の高齢者に対して違法にリフォームを勧めるなど違法性が高い業者にはやり方を問わないことが挙げられます。
 次に技術です。リフォーム業者として活動するのに特別な資格は必要ありません。極端な話をすれば梯子を使って屋根に登れてハンマーで釘を打つことができれば誰でも屋根の工事をしたと言い張れるのです。
 しかし、実際に国民生活センターへ相談される内容はもっと悪質なものです。耐震工事や修復工事をするのにもかかわらず逆に大きな穴を空けてしまうなどがあります。他にも契約書通りに施工してくれない、建築基準法に引っかかることを知らずに増築させられたなども相談内容としてきています。
 アフターケアは具体的にどういったものでしょうか。新築でもなんでも物件を取り扱った際には不動産会社や施工会社で担当の営業がつくことが多いですよね。そのひとたちは家を建てた・買ったからといってその場でお別れをするわけではないですよね。
 ほとんどの営業担当の人はその後のアフターケアとして生活のことを心配してくれたり、不満な点を聞いてくれるなどをしています。
 では違法リフォーム業者はどうなのでしょうか。アフターケアとしての原則は無償もしくは格安で工事や修理をすることです。違法リフォーム業者は追加工事をするにしても高額な請求書を送ってきます。また、工事についての問い合わせについても誠意ある対応をしてくれない業者がほとんどです。さらに何年保証と決めている工事でもその期限に達しないで変色や壊れてしまうことも少なくないです。

リフォームトラブルの原因とは?

 リフォームトラブルの原因には訪問販売が主に関わってくることがわかりましたね。では、実際にトラブルに巻き込まれた時にはどのように対処していけばよいのでしょうか。

トラブル対処法①クーリングオフ制度

 
 訪問販売で契約した内容に限ってはクーリングオフ制度を適用できます。クーリングオフ制度は強引に契約させられた場合や不意打ちに契約させられた場合に消費者を保護するための制度です。本来は契約解除には契約者と業者の双方の合意が必要になりますが、クーリングオフ制度では一定期間内であれば消費者の一方的な都合でキャンセルすることができるのです。基本的には消費者が契約してから8日以内であればクーリングオフの制度期間内になります。クーリングオフは書面で行うのが一般的で、電話の口頭だけで済む話ではないので注意してください。もっとも確実な方法は内容証明を送る方法で、郵便局の行なっている公的な郵送方法です。

トラブル対処法②請負人に対する責任追及

 もしクーリングオフ制度の対象外で、金額を支払ったのにもかかわらず業者が工事を進めない場合は請負人による責任追及という形で契約解除をすることができます。そのまま業者が工事を進めない場合は今までの損害賠償請求をすることもできます。
 工事期間前には雨漏りせず、工事期間後に雨漏りをするなどが発覚した場合も工事業者へ責任追及として工事のやり直しや損害賠償請求をすることができます。

トラブル対処法③施工ミス・欠陥住宅への対応

 業者の施工ミスにより施工前にはなかった被害を受ける場合があります。壁を塗りなおしたら変色した、ムラがある、屋根の工事をしたら雨漏りをしたなど被害が出た場合は工事のやり直しや追加工事をしてもらう権利があります。

リフォームなら不動産に強い弁護士に依頼を

 リフォーム業者は訪問販売で一人暮らしの高齢者を狙っている場合もあります。一人暮らしの高齢者は子供達に面倒をかけるわけにはいかないので相談できないといったことも考えられます。
 もしリフォーム業者の中でも悪質な業者に当たった場合は不動産関係に強い弁護士へ相談するようにしましょう。まずは代理人として業者と任意交渉をすることになります。その後、業者との話し合いが平行線をたどってしまう場合は裁判所への調停申請・弁護士会への相談などを行います。
 そして業者の瑕疵があるかどうかを見極める必要があるのです。瑕疵とは業者の非のことで、雨漏りを例に挙げると業者のリフォーム前から雨漏りをしていた場合、リフォームをして直るかどうかよりも他の部位から雨漏りをしている可能性も否定できません。
 それがリフォーム前には雨漏りしなかったのにリフォーム後に雨漏りするようになると瑕疵を認めることになります。実際にリフォーム業者へ請求できるものとしては支払済の代金だけでなく損害賠償金も請求できます。
 弁護士費用については認めている判例があるので業者へ請求することが多いですが認めていない判例もあるので一口でどうとは判断できません。
 

まとめ

 東日本大震災を機に悪質なリフォーム業者が訪問販売をして強引にリフォーム工事の契約や高額な請求をすることが多いです。中でも一人暮らしの高齢者の自宅へ押しかけて強引な工事や契約をすることが多いようです。こうした相談は国民生活センターへ相談しても良いですが悪質な業者に対しては弁護士を通じて抗議・交渉することもできます。
 また訪問販売で契約してしまったリフォームに関しては8日以内に限りクーリングオフ制度を適用できます。クーリングオフをするには書面で行うのが一般的で内容証明を郵便で送るのが有効です。しかし、こういった悪質なリフォーム業者にできるだけ関わりたくないと思っている人も多いのではないでしょうか。そんな人は弁護士に相談をして弁護士に一任するのも一つの手です。
 リフォーム業者の落ち度が認められれば弁護士費用もリフォーム業者持ちにすることができます。また工事が終わった後でも業者の悪質な工事には訴訟を起こすことができるのでリフォーム関連で何か思うところがある人は気軽に弁護士へ相談するようにしましょう。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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