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土地活用の相談先やその内容は?

更新日:2019年05月21日
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土地活用と言えば、賃貸経営や駐車場経営などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
 土地活用には、他にもたくさんの方法がありますが、それについて誰かに詳しく聞いてみたいという方もいらっしゃるかと思います。
 土地活用をするには、誰に相談したら良いのでしょうか?また、どのような相談がされているのでしょうか?

土地活用は業者に相談

 土地活用の相談に応じている業者は数多くあります。
 活用方法によって、その専門の業者に相談することになるかと思います。
 相談先とそのまま契約を進めていく可能性もありますので、あらかじめそれぞれ業者の専門性をよく知ったうえで相談するほうが良いでしょう。
 では、各業者の特徴をみてみましょう。

 ●建築系
  建築系の土地活用は、文字通り建物の施工を請け負うことが目的です。
  そのため、建物を建てることが前提になってきます。
  建築系の業者は以下のようなものがあります。
   ・住宅メーカー
    …住宅だけでなく商業施設やビルなど、住宅以外も手掛けている。
   ・工務店(中小工務店)
    …注文住宅など。
   ・ゼネコン
    …公共工事や巨大施設など。個人の相談もできる。
   ・設計会社
    …コンサルティング業を兼ねた土地活用の相談など。

 ●不動産会社
  不動産会社は日常的に不動産を取り扱っているため、不動産に関する情報を豊富に持っています。また、建設会社や金融機関と提携している業者も多く、不動産に関することは幅広く対応してくれます。
  不動産会社には次のような会社があります。
   ・不動産の販売会社
   ・仲介をする会社
    …売買や賃貸の仲介を行う。賃貸物件をどう建てるか、土地をどう活用するかなどの相談に適している。
   ・賃貸をする会社
   ・デベロッパー
    …自ら商業施設やマンションの建設、テナント募集や分譲を行う。

  中でもデベロッパーは開発にも手掛けており、営業利益にも直結する為、土地活用についてはかなり詳しいようです。運用を開始するにあたっては、デベロッパーや仲介会社に相談をするのが良いでしょう。

 ●金融関係
  銀行などに、事業資金の融資を受けることを前提に土地活用の相談をする場合があります。金融機関は融資をするにあたって、融資額を回収できるように不動産を評価・分析してくれます。他の相談先では、利益を優先し、建てさせるだけ建てさせておいて後は知らないなどということも考えられますが、金融機関はお金の返済が目的となっているため、信頼度が高く、的確なアドバイスをもらえると考えられます。

  また、土地信託方式と言って、信託銀行などに土地の運用をしてもらい、所有者が配当を得るという方法もあります。土地信託方式は、信託銀行が運用をするためリスクは少ないですが、当然配当は多くはありません。(そもそも、利益が出ると判断しなければ信託銀行は契約を結んでくれませんので、簡単に「土地があるから信託銀行に運用してもらおう」とはならないようですが。)

 ●コンサルティング系
  土地活用のコンサルティングは、土地活用の方法や問題点と、その解決策を所有者に提案してくれるものです。
  コンサルティングの専門業者もありますが、先述した業者はどれも同じことを行っています。では、コンサルティング専門業者に相談するメリットは何かというと、自らが土地開発を行っている会社などとは違うので、客観的な意見が聞けるということです。
  例えばコンサルティング専門業者に相談をすれば土地の重要と供給に関するニーズなどに応じて運用のパターンをいくつか考えてくれたり、税理士に相談すれば土地活用に関する税金のことを詳しく聞くことができます。

  しかし、いずれにしても料金が発生することや、コンサルティング会社によっては建設会社と提携しており、客観的にならないなど、デメリットも多くあります。
  コンサルティング業者に相談するかどうかは、所有者の判断が大きいところがあるようです。

 ●公的機関
  所有している土地の自治体が、土地活用をするケースも増えてきているようです。
  自治体に活用をしてもらえれば、業者よりも安心ですね。
  土地活用をしている公的機関には次のようなものがあります。
   ・自治体
    …土地を遊ばせることなく運用させることにより税収をあげるという意味で、自治体の土地活用は重要となっている。自治体によっては相談窓口を設けているところもある。
   ・地方住宅供給公社
    …都道府県か政令指定都市で設立可能な機関。取組については各住宅供給公社によって異なるが、相談からサポートまでしてくれるところもある。
   ・UR都市機構
    …都市再生を目的とした整備事業で、対象となる土地は限られる。

土地活用に関する主な相談の内容

 相談先がたくさんあるのがわかりましたが、どのような相談をすればよいのでしょうか?
 ケースごとによくある相談内容をチェックしてみましょう!

 ●土地の売却の相談
  ・土地の価格
  ・売却までにかかる時間
  ・土地の上に建っている建物は残しておいたままで売れるのか
  このような内容になってくるかと思います。
  売却をする会社によって値段が変わってくるため、複数の会社で土地の査定をしてみると良いでしょう。

 ●賃貸経営に関する相談
  ・経営を始めるにあたって、何からすればよいのか
  ・経営に関するリスク(家賃滞納や空室など)はどのようなものがあるのか
  ・どのぐらいの収入が得られるのか
  土地活用では賃貸経営を選ぶ方が多く、多くの会社で無料相談を行っています。
  賃貸経営を考えている方は、ひとまず気になる業者に相談してみると良いでしょう。
  
 ●駐車場経営に関する相談
  ・土地が小さいので駐車場経営を検討している
  ・初期費用を抑えたい
  ・いずれは家を建てようかと検討しているが、ひとまず駐車場経営にしようと思っている
駐車場経営を専門にしている業者もありますので、駐車場経営を考えている場合は専門業者に相談し、土地活用のアドバイスをもらってみてはいかがでしょうか。

 ●税金に関する相談
  ・固定資産税の対策がしたい
  ・土地の贈与・相続をした場合、贈与税・相続税はいくらかかるのか
土地活用では税金に関することも多く、あらかじめ知っておくべきことがたくさんあります。税金についての相談は、税理士など専門家に相談するのが良いでしょう。

土地活用に関する金銭や書類手続きなどの相談先は?

 土地活用の運用を始めるにあたっては、巨額の投資をしなければなりません。また、複雑な書類作成は避けては通れません。
 お金に関する判断や、難しい書類の作成については、素人ではどうしようもないことがたくさんありますし、かなりのリスクがあります。
 これらに関する相談は、どこにすればよいのでしょうか?

 ●銀行
  こちらに関しては先述したとおりです。相談会なども実施している銀行もあります。

 ●ファイナンシャルプランナー(FP)
  FPは、お金に関するプロです。
  土地活用では、その活用方法でよいかどうかの判断をしてくれたり、所有者に合った活用方法や対策を考えてくれたり、収支の計算をしてくれたりします。

 ●税理士・司法書士・行政書士・弁護士など
  ・税理士
   …土地を持っているだけでかかる固定資産税、経営を始めた後には所得税や住民税、事業税、消費税がかかります。
    税金に関しては複雑なことが多く、専門である税理士に相談や依頼をすることがほとんどなのではないでしょうか。
    ただし、税理士に関しては、専門にしている分野が異なることがあります。依頼や相談をする場合は、土地活用に詳しい税理士に依頼をする必要があるでしょう。

  ・司法書士
   …司法書士は、不動産の登記に関する全般の書類の作成や相談を受けてくれます。
    土地の名義変更や、相続をした場合は相続登記など、住民票などの添付書類の用意から複雑な書類の作成が必要な手続きを、司法書士に依頼すればすべて行ってくれます。

  ・行政書士
   …農地転用の手続きや、外国人の帰化申請などを行ってくれます。
    また、行政書士は登記申請をすることはできませんが、それに添付する書類の取り寄せは可能です。

  ・弁護士
   …弁護士は法律の専門家です。不動産に関してはトラブルになることが多く、トラブルの解決のために相談するケースが多くあります。

相談する前に下調べ

無料相談を受けてくれる業者はたくさんありますが、そもそも土地活用とは何なのか、土地活用をすべきなのか、全くわからない状態では相談をすることができないのではないでしょうか。
そのような場合は、土地活用の無料セミナーに参加してみてはいかがでしょうか。
何も知らない状態で相談するよりは、あらかじめ下調べをしたうえで相談をするほうが、有意義な相談ができるでしょうし、足元を見られることも少なくなると思われます。

相続に伴う土地活用は時間と手間がかかる

 土地活用を考えるきっかけとして、土地を相続したというケースも多いのではないでしょうか。
 土地活用を始める前には、相続登記をして、名義人の変更をしておかなければなりません。
 相続登記をするには、市役所で戸籍を取得したり、書類の作成をしたり、あらかじめ遺産分割協議を済ませておいたりする必要がありますので、自分が持っている土地活用をするのとは異なり、相続登記を経てからの土地活用にはかなりの時間と手間を要します。

 相続登記は自分ですることも可能ですが、場合によっては遠方の土地に書類を取りに行かなければならなかったり、日中市役所に行ったりするのが難しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 そのような場合は、費用はかかってしまいますが司法書士に依頼すると良いでしょう。
 また、遺産分割協議が進まず困っている場合は、弁護士などに相談し、早期解決を図ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

 せっかく持っている土地を遊ばせることなく活用するためには、時間を惜しんででも色々な業者に相談するなどして、うまく資産運用ができるように進めていきたいものですね。また、困ったことがあれば専門家に相談してみましょう。

この記事の著者

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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