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住宅リフォームでのトラブルと対処方法

更新日:2021年07月21日
住宅リフォームでのトラブルと対処方法のアイキャッチ

近年新築住宅を購入するよりも、安い中古住宅を購入し「快適で質の良い環境」をつくるリフォーム・リノベーションが流行っています。
新築工事の施工の増加を見込めない中で、建設業者にとってリフォームは放置できない市場と言えます。
また、リフォーム工事は費用が1500万円未満であれば建設業の許可は必要ありません。
そのため、住宅に関わる業者が次々と参入している状態なのです。
リフォーム工事の件数増加と共に、リフォームトラブルも右肩上がりで増加しているのが現在の住宅リフォームなのです。

リフォームトラブル事例

訪問営業の場合

  • 屋根と外壁の防水リフォーム契約で、契約金額を書き換えられていた
  • 契約と同時に手付金を支払ったが、業者と連絡がつかない
  • 細かな修理がどんどん追加されて、総額が当初の10倍になった
  • 業者に急かされて契約したが、契約に納得がいかないため解約したい

店舗契約の場合

  • 外壁リフォームの契約をしたが、業者にキャンセルされた
  • 請求額が当初の金額よりも2割増しになっている
  • 当日中に契約を行わないと、価格が高くなると言われた
  • 施工内容が明確になっておらず、口頭説明と契約金額が違う
  • 想像していた出来上がりと違う

(国民生活センター出典)

リフォームの流れを知って、トラブルを回避しよう

リフォームトラブルの原因の多くが、見積もり・プラン・契約書の確認を怠ったことにあります。
リフォーム工事を行う際には、一定のリフォーム工事の流れがあります。
この流れと違う場合は、注意が必要と言えます。

1. 相談

「屋根を新しくしたい」「台所を対面式にしたい」「ゆったりと入れるお風呂が欲しい」
そんな希望をリフォーム業者に伝えます。
業者は顧客の希望を聞き取り、面積あたりなどの大まかな金額を伝えます。
しかし、実際の住宅を見ないことには正確な価格は決まりません。
この状態で契約を行うと、後々大きな価格変更に繋がるため注意が必要となります。

2. 現地調査

周辺環境や、住宅の状態を目で見て確かめ、寸法を測ります。
この作業は、正確な見積もりやリフォームプランの提案に必要となります。

3. プラン・見積もり提供(契約まで複数回繰り返す)

現地調査と顧客の希望からプランと見積もりが提供されます。
見積もりは、利用する素材や設備(キッチン・風呂・トイレ等)でも大きく価格が変わるため、納得いくまで質問を行って下さい。
また、イメージが違うと言う問題も、プラン作成の段階で起こりやすいです。
パースやCGシミュレーションを見せてもらうことで、事前にどんな雰囲気になるか知る事ができます。

状況において、防腐・防虫処理・基礎の補強・耐震強化が必要となる場合があります。
住宅のリフォームは希望すれば希望した分だけ追加要素が出てきます。
そのため最初から予算を提示しておくことも重要と言えます。

4. 契約

工事内容・工事期間・支払い条件を決定し工事契約を結びます。

契約書を交わさず口頭だけで高額な工事を行った場合、トラブルが発生しても責任を問えません。
訴訟の勝敗の多くは契約内容にかかっています。
工事請負契約書を十分に確認してから契約を交わしてください。

ここまでの段階に納得して契約を行えば、業者の技術不足などが無い限りトラブルの多くは回避できます。

リフォーム業者選びで失敗しない方法

有名な企業に頼めば安心・トラブルなんて起きないと言う訳ではありません。
業者ブランドと言う信用は確かに一つの目安になります。
しかし、実際に業務を行うのは数多くの下請けと言うことを理解しておかなければいけません

その業者本当に存在しますか?

まずは、訪問をしてきた業者が本当に存在するか?どんな業務を行っている業者かを知る必要があります。
リフォーム人気の中、業者を偽る詐欺も起こっています。
その場合の特徴は、迅速な見積もり・他にない低価格・即契約・即手付金と言う流れになります。
リフォーム工事は、どんな工事であっても最低限の費用がかかるため、極端な低価格はありえないのです。
訪問営業によってリフォームに興味を示したなら、他の業者への相見積もりをしてみると良いでしょう。
他社の見積もりを挟む事で、偽りの業者であるなら逃亡してしまうのです。

リフォーム業者の選び方

  • 業者の得意分野と、リフォームしたい部分が合っているか?
     大工工事・電気工事・配管工事などの各専門業種がリフォームに乗り出しています。
     そのため、得意分野とリフォーム場所がマッチする事で理想に近い仕上がりとなります。
  • 複数社で見積もりを行う
    複数社に見積もりを依頼することで、自分の求めているリフォームの価格がわかります。
    また、保証内容や担当者との相性も選ぶことができます。

契約企業よりも担当者が大事

下請け業者に業務を委託していたとしても、担当者が十分な対応をしてくれれば問題はありません。

  • 工事の際の資材搬入・工事音・粉塵など近隣とトラブルにならないように配慮が出来るかどうか?
  • 出来る事は出来る、無理なことは無理と伝え、打ち合わせに手を抜かず多くの提案をしてくれる。
  • 依頼者の話・生活スタイルなどに耳を傾け、リフォームに活かしてくれる。
  • コストダウンの提案を行うと同時に、デメリットも伝えてくれる。

このような対応が出来る担当者であれば、安心してリフォームを任せる事ができます。

まとめ

どんなに注意をしていてもリフォームトラブルは付き纏うものです。
リフォーム業者を訴える事になった場合、たとえ弁護士に相談したとしても見積もり書・プラン・工事請負契約書は必要と言えます。
また、工事の前後(許可を得る事ができたなら工事中も)の写真も自分で撮っておくと良いでしょう。
もともと古くなった住宅を改装しているのですから、どんなに注意を払っても払い過ぎる事はありません。
無ければ幸いですが、何かあった時のために常に証拠を準備しておくことが大切なのです。

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不動産トラブル弁護士ガイド 編集部

不動産トラブルに関する記事を専門家と連携しながらコラムを執筆中 ぜひ弁護士に相談する際の参考にしてみてください。 今後も不動産に関するお悩みやトラブル解決につながる情報を発信して参ります。

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