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立ち退き交渉、上手くいかないときの調停手続とは?のアイキャッチ

立ち退き交渉、上手くいかないときの調停手続とは?

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入居者が家賃を長期間滞納した場合などは、入居者の立ち退き交渉が必要になります。
しかし、入居者の立ち退き交渉は難航するものです。
ここでは、入居者の立ち退き交渉が難航する事例についてご紹介しましょう。
母親が妹夫婦と一緒に住むということで、知っている不動産業者の人に母親が暮らしていた家を頼んで賃貸していました。

また、この不動産業者の人が亡くなって、契約関係がはっきりしない状態で賃貸を継続していました。
この家も相当古くなってきて、修繕する費用も非常に高くなってきて、さらに母親も年をとってきたため、賃貸を中止して借り主に出ていってもらうようにしました。
そのため、妹夫婦が知っている不動産業者の人に相談した結果、無料で立ち退き交渉をしてくれました。

しかし、立ち退きを借り主は渋って交渉が難航しました。
借り主が出ていく条件をやっと提示したため、その不動産業者が書面に条件を書いて届けましたが、なかなか受け取りしてくれず、文句を長時間言い続けました。
そのため、この不動産業者の人も、これ以上交渉することは無理であるということで、話し合いを借り主に直接して欲しいと言われました。
これからどのようにすればいいか、全く分からない状態です。

立ち退き交渉の手順って?

入居者の立ち退き交渉は、実際にはなかなかスムーズにいきません。
立ち退きを借り主に依頼する場合は、立ち退きを頼むようになった経緯、今までの利用に対する感謝、立ち退いてもらうためのお詫び、補償をそれなりに検討していることなどを誠意をもって書きましょう。
立ち退き交渉の際は、注意して感情的にならないようにしましょう。
立ち退き料は、計算するための計算式の定型的なようなものはありません。
同じ間取り、同じ建物の場合でも、立ち退き料は入居者によって違います。
今までの経緯、現在の契約内容・賃料・環境・協力的かどうかなどで、非常に立ち退き料が違うのが実状です。
一律に立ち退き料の相場はいくらとは言えません。
立ち退き料無しで出てくれる場合もまれにあります。

立退き料の目安は?

一般的に立ち退き料は家賃の6ヶ月~10ヶ月くらいが目安です。
まず、交渉を家賃の数ヶ月分から始めて、12ヶ月分を上限としましょう。
また、多めに予算は見ておきましょう。
少なく予算を見ておくと、後から慌てるようになります。
立ち退き料としては、交渉のための弁護士費用が入居者に払う費用の他にかかります。
業務の難易度でも、弁護士費用は違ってきます。

立ち退きを以前も行った、トラブルが以前にあった、周りの相場より家賃が非常に安いなどのケースは、立ち退き料が高くなる場合が多くあるようです。
委託する戸数・入居者の家族構成・年齢・住んでいる期間・築年数・契約内容などでも、立ち退き料は違います。
なお、費用に関しては、事前に弁護士に個別事情を伝えると目安を把握することができます。
立ち退きを了解してくれた場合でも、一緒に入居者と引越し先を探すこともあります。

 

立退きが上手くいかないときは調停手続き?

立ち退き交渉は、必ずしもスムーズに進むとは限りません。
立ち退き交渉が難航した場合は、裁判も考えて対応するようになります。
しかし、裁判を考えるのは最後の手段にして、話し合いでできるだけ解決するのがおすすめです。
立ち退き交渉を進める上で借地借家法は大事な法律知識であるため、ある程度概要や趣旨などは理解しておきましょう。
貸し主は、立ち退き交渉の際に「これまでよく面倒をみてあげたのに」と、裏切られた思いをする場合がよくあります。
このような思いがあれば、顔にやはり出てきて、入居者から反発されるようになります。
立ち退き交渉の際は、貸し主の建替えに協力してもらって、全員の入居者に引越ししてもらうという考え方で臨んで、大事なのは感情的にあまりならないことです。

では、立ち退きはどうして協力をお願いするようになるのでしょうか?
というのは、解約を入居期間中にしたり、契約更新を拒絶したするためには、入居者の了解が必要であるというように、現在の借地借家法が非常に入居者側に有利になっているためです。
契約更新を貸し主が拒絶するには、正当な事由として相当建物が古くなって安全に入居者が住めなくなったり、信頼関係が無くなるような義務違反が入居者側にあったりしたなどが必要になります。
義務違反としては、家賃の著しい滞納、無断改造、無断転貸、大幅な使用目的の違反などが挙げられます。
このような義務違反が入居者側になければ、貸し主が単純に「老朽化してきたので建替えしたい」というのみでは、「住み続けたい」と入居者が主張した際に現実としては対抗できません。
そのため、立ち退き料の提示が、正当な事由を補うために必要になってきます。
立ち退き料は、引越し費用を補う以外に、移転によって無くなる借家権・居住権を補うというような意味合いがあります。
よく「立ち退き料の相場が知りたい」というようなことを聞きますが、立ち退き料には実際に相場のようなものはありません。
立ち退き料は個々の事情によって非常に違ってくるし、案件ごとに裁判所も判断をしています。

入居者の反応は、立ち退きを要求された際は様々です。
「立ち退きは了解したので、引越し費用くらいはせめて欲しい」というような人がいる一方、入居者の中には引越し先を自分で探してくれて、立ち退きをする際に、菓子折を持ってきて「お世話になりました」と言ってくれるような人もいます。
逆に、「ここで夫が亡くなったので、死ぬまで私もここにいたい」などと、どうしても立ち退きを拒否する高齢の人もいたり、「立ち退きには協力するが、現在と賃料が同じで広さが同じ物件を探して欲しい」という人もいたりします。
立ち退き交渉の場合は、お金のことのみではなく、個々のこのような事情に応じて対策する必要があります。
交渉を実際にしてみないと、決着がどのようになるか分かりません。
このような意味においては、合意した金額が立ち退き料の相場であるとも言えます。
立ち退き交渉が上手く進まず、どうしても出ていかない、わずか入居者の1人が残った状態で、建替えが何年もできないような場合も相当あります。
建て替えができなければ、土地を活用することもできなくなってきます。
権利が入居者は無くならないため、家賃をその間支払い続けています。

しかし、家賃が1戸分だけでは、固定資産税などの管理費用として全く足りません。
貸し主にとっては事態は非常に深刻で、建築プランがたとえあった場合でも頓挫するようになります。
立ち退き交渉に成功しなければ、大事な資産が上手く利用できなくなってしまいます。
これが立ち退き交渉のリスクです。

 

調停でも解決しない場合は?

調停でも解決しない場合は裁判になります。
裁判と言うことでも、始めるのは調停の申立からのこともあります。
また、調停でなく、初めから普通の裁判のこともあります。
いずれにするかは、ケースバイケースです。
開きが要求にあり過ぎる場合は、一般的に訴訟にします。

しかし、調停の申立を、このような場合でもすることもあります。
解決が調停でできない場合は、裁判を調停後に起こすようになるため、半年程度調停にかかる期間が遠回りになったようになります。

また、解決が調停でできると、解決が裁判よりも早くなります。
解決が調停でできない場合や裁判の方が初めからいいと考える場合は、裁判を起こします。
裁判や調停を起こすタイミングとしては、期間が満了になるまで待つことは必ずしもありません。
期間が満了になる前でもできますが、この時は、「将来請求」と言う「建物を期間が満了になれば明け渡せ」というような判決を要求するようになります。
理由としては、立ち退きを借り主が拒否して、自発的に期間が満了になっても退去しないことが考えられるようなものが必要になります。

このことが交渉する段階で分かるでしょうから、問題は特にありません。
それなりに裁判も時間がかかるため、期間が満了する前に提訴しても、期間が裁判をしているうちに満了になったというような場合はよくあります。
なお、裁判は期間が満了するまでに終わらせる必要はありません。
また、裁判も調停も、貸し主はとりあえず出頭する必要はありません。

和解がなかなか成立しなくて、貸し主から裁判官が話を直接聞きたいようなことがありますが、どのようにこの場合にするかは状況によって判断をします。
裁判所に行く時でも、弁護士と事前に打ち合わせをします。
裁判になれば、初めのうちは貸し主側、借り主側が、証拠と一緒に事情をそれぞれ書面に書いて提出します。
書面は、貸し主と弁護士が話し合いをした上で書きます。
証拠についても、弁護士から貸し主に「このような証拠はありますか」というようなことで依頼して集めたり、直接弁護士が集めたりします。
なお、意見としては、不動産鑑定士や建築士などのものが必要な場合も事案によってはあります。
立ち退きを要求する場合は、貸し主が提訴する側であるため、一般的に、提訴する前に意見を要求します。

 

立退きを弁護士に依頼したら期間は?予算は?

地域でも期間は違ってきますが、提訴してから判決が出るまでは2ヶ月くらい、14日間がこれが確定するまでかかるため、3ヶ月くらいトータルで必要になります。
借り主が不服ということで、控訴すると期間がもっとかかります。
さらに、判決が確定した後、立ち退きの強制執行を執行官が行う場合は、一般的に3ヶ月~6ヶ月以上申し立てしてからかかります。

そのため、手続きが全て終了するまでには、6ヶ月以上かかることを覚悟しておきましょう。
立ち退きの強制執行の費用としては、裁判を提起するためのものが必要です。
裁判を提起するには、必要な印紙代がかかりますが、訴訟の対象物で違ってきます。
例えば、立ち退きを所有権に基づいて要求する場合は、訴額は建物の固定資産税評価額の半分になります。
印紙代はこの訴額によって決まっています。
訴額の金額でも違ってきますが、500万円以内の訴額の場合は3万円以内の印紙代になります。
これ以外に、諸費用として郵券料なども必要です。

そして、当然ですが、立ち退きの強制執行の費用も必要になります。
強制執行の全ての手続きが終了すると、立ち退きにかかった費用が決まります。
この費用に関しては、物品を廃棄する費用や執行補助業者の費用も一緒に、裁判所に強制執行を申し立てした貸し主が払う必要があります。
それぞれの裁判所によって、強制執行の申し立ての費用は違っているようですが、一部屋あたり1人の借り主の立ち退きを要求する際には平均的に6万円~8万円くらいかかります。
立ち退きを要求する人数によって、立ち退き料が増額されます。

また、搬出・撤去する物品数でも執行補助業者の費用は違ってきますが、一般的に、1LDKの場合は30万円くらい、3LDKの場合は40万円~50万円くらいとされています。
これ以外に、弁護士に頼むと、弁護士費用が頼む期間や内容に応じてかかります。
立ち退きの強制執行が終了するまでには、ここでご紹介したように相当の法的手続きを行う必要があります。
素人がこのようなことを行うのは、労力を相当注力しないと困難でしょう。
そのため、弁護士にできる限り頼むようにしましょう。

ここでご紹介したように、提訴してから強制執行が終了するまでには、費用と期間が相当必要になります。
裁判所を使わないで貸し主が借り主と和解や示談を場合によって行うことで、早期に立ち退きしてもらう方が得になることもあります。
有利にこの手続を進めるためにも、弁護士に頼むのがおすすめです。

 

立ち退き交渉、上手くいかないときのまとめ

ここでは、立ち退き交渉が難航する、立ち退き交渉の手順って? 上手くいかないときは調停手続き? 調停でも解撤しない場合は? 弁護士に依頼したら期間は?予算は? についてご紹介しました。
立ち退き交渉は、ここでご紹介した事例のように難航するため、ここでご紹介したような手順を十分に把握しておきましょう。

立ち退き交渉が上手くいかないときは、まず調停手続きをします。
調停でも解決しない場合は、最後の手段として裁判を提訴します。
立ち退き交渉を弁護士に頼むと、弁護士費用が頼む期間や内容に応じてかかりますが、有利に立ち退き交渉を進めるためにも弁護士に頼むのがおすすめです。

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編集部

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