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任意売却物件のメリット・デメリット

2017年08月30日 公開
任意売却物件のメリット・デメリットのアイキャッチ

「任意売却」とは

任意売却とはどのようなものでしょうか?

任意売却というのは、借主の住宅ローンなどの返済が難しくなった場合に、担保権を使って債権者が競売にかける前に、話し合いを債権者と事前に行うことによって、一般の市場で自宅を売ることです。
一般的に、3ヶ月以上借入の返済が遅れると、期限の利益が無くなった通知が債権者より届いて、残債務を一括で返済することを催促されます。

なお、一括で返済するのは、自宅の売却代金でも問題ありません。
しかし、債務者は毎月の返済が難しいため一括で返済するのは困難であり、自宅を売っても、債務が残る場合も多くあります。
そのため、一括で返済することができなければ、競売を債権者が裁判所に申し立てます。

任意売却は、本来であれば競売になる物件を、債権者と事前に話し合って、売却に任意で応じてもらって、一般の市場で自宅を売ることです。
担保権というのは、住宅ローンを金融機関で利用する場合に、一般的に抵当権をその対象の不動産に対して設けますが、この設定された権利のことです。
期限の利益というのは、債務者が借入する期限を設定することによって利益を受けるものです。

期限を設定することによって、担保権を使う猶予が与えられて、債務者は一括で返済することが免れます。
返済期間にこの期限がなり、債務者は返済をこの期限内に行えばいいという利益を受けます。

また、債権者は、期限を債務者に与える代わりに、利息をもらいます。
一般的に、期限の利益が無くなるのは、返済の滞納が3ヶ月以上になった場合です。

住宅ローンの場合は、返済の滞納が6ヶ月以上で期限の利益が無くなることが多くあります。
しかし、金銭消費貸借契約書には、返済が1ヶ月でも遅れると、期限の利益が無くなると記載されています。
そのため、1ヶ月分の返済が遅れて、期限の利益が無くなった通知が金融機関から届いたとしても文句は言えません。
金銭消費貸借契約書というのは、契約書として借入する場合に必ず締結するものです。
簡単に言えば、住宅ローンの契約書が金銭消費貸借契約書になります。借入する際に、期間、金額、返済方法などについて約束するための契約書です。

任意売却のメリット

競売よりも有利に売れる

競売の場合は、処分が強制的に行われるため落札価格が相場よりも安くなります。
しかし、任意売却の場合は、話し合いを物件を持っている人、担保権がある人、買い主が行って売るようになります。
そのため、任意売却の場合は、一般の市場価格の相場に近いもので売ることができ、より住宅ローンの残債務を少なくできます。

引越しする費用がもらえる場合がある

競売の場合は、立ち退き料などをくれないため、手元に資金が全く残りません。
落札者が決定すると落札者に所有権が移って、立ち退きを強制的に要求されます。

一方、任意売却の場合は、基本的に、合意のうえで進められるため、引越し費用などが交渉を債権者と行うことによってもらえる場合があります。
また、競売の場合は優先されるのは落札者の都合ですが、任意売却の場合は引越しする時期など、要望をある程度考えてくれます。
そのため、計画をその後の生活について立案しやすくなります。

税金や修繕積立金・管理費を滞納していると、全部あるいは一部を負担してくれることがある

住宅ローンの返済を滞納している他に、税金の納付などを滞納していると、競売の場合は、自費でこのような費用を全て支払う必要があります。
しかし、任意売却の場合は、税金や修繕積立金・管理費を滞納していると、全部あるいは一部を負担してくれることがあります。

近くの人に分かる心配が少なくなる

競売の場合は、チラシや新聞などで公開されるようになります。
また、自宅の外や部屋の中の写真を不動産鑑定士や裁判所執行官が撮ったり調べたりするため、近くの人に分かる恐れがあります。
しかし、任意売却の場合は、普通の不動産を売る方法と同じであるため秘密を守ることができ、近くの人に分かる心配が少なくなります。

住宅ローンの残債務は分割で支払うことができる

競売の場合は、住宅ローンの残債務を、自宅を売った後に一括での返済を要求されたりします。
また、そのままにしていれば、銀行口座や給与の差押えなどが行われて、残債務の資金が強制的に回収されます。
一方、任意売却の場合は、返済について債権者と話し合いが柔軟にできます。
住宅ローンの残債務を返済する方法について交渉することによって、無理なく少しずつ返済することができます。

住み続けることができる場合がある

任意売却の場合は、身内の人に買取してもらう親族間売買によって、引越しをしないで住み続けることができる場合があります。
また、上手く買主と交渉するリーバックができると、賃料を払いながら住み続けたり、買戻しが一定の期間の後にできる場合もあります。

精神的な負担が少なくなる

競売の場合は、非常に精神的な負担が重くなります。
一方、任意売却の場合は、売ることを自分の考えで決定することができ、将来の計画も立案しやすいため、大きなメリットが精神的にあると言えるでしょう。
このようなことから、任意売却であれば新しい生活を前向きに始めることができます。

任意売却のデメリット

支払いの催促が債権者からあった場合に対応面において心配になる

任意売却の場合は、条件として、住宅ローンを債務者が支払えない状況、つまり滞納していることが必要になります。
しかし、滞納している期間は1ヶ月や2ヶ月ではなくて、数ヶ月経つと任意売却になるので、支払いの催促が債権者からあった場合に対応面において心配になる場合も多くあります。

同意を債権者にもらう必要がある

残債務よりも安い価格で売ってもいいかなど、同意を債権者にもらう必要があります。
同意をもらった後も売る価格を決定するには交渉が債務者ではできないので、専門業者に頼む必要があります。
任意売却を拒否するような債権者も中にはいるので、豊富に経験がある専門の不動産業者へ頼む方が成功への早道と言えます。

迷惑が連帯保証人にかかる

住宅ローンを滞納した場合は、請求が連帯保証人にもあります。
この場合に、返済を連帯保証人が行えば任意売却ができません。
連帯保証人が協力してくれないと任意売却は成立しないため、同意をもらうことが必要です。

競売になるリスクがある

せっかく任意売却で売るようになっても、買い主がいないと成り立ちません。
必ず売れるとは限っていなく、制限が時間的にあるため、自宅がもし任意売却で売れないと競売になるリスクがあります。
競売になれば、一括で残債務の返済が要求され、返済できないと自己破産になる場合も考えられます。

信用情報機関に登録される

信用情報機関に登録されると、その後大きなローンは5年~7年間くらいは組めなくなります。
この場合は、ローンの審査に受からなくなりますが、破産のように預貯金などが差押えされるなどとは違っています。

任意売却のケーススタディ

ここでは、住宅ローンを実際に滞納して任意売却するケースと対応策についてご紹介しましょう。

住宅ローンの返済ができくなって、売っても残債務がある

このケースは任意売却がおすすめです。
一般的に、任意売却の場合は、競売より高く売れるため、より残債務が少なくなります。
また、一般的に不動産を売る方法と同じであるため、体面を世間的に保ちやすくなります。
また、売却代金から引越し費用や仲介手数料が控除されるので、債務者が負担する費用も少なくなるため、先の生活を立案しやすくなります。

住宅ローンの返済ができなく、売っても残債務があるが、協力者が身内にいる

このケースは、任意売却がおすすめですが、一般の市場で売らないで、身内に売ります。
親戚や両親、友達などが持ち主になって、債務者が賃貸人になると、そのまま住み続けられます。
そして、賃料を債務者が支払うようになります。

住宅ローンの返済ができなく、しかも税金が納付できない

この場合は、住宅ローンの返済を滞納すれば、競売に最終的になります。
税金が納付できない場合は、督促状が税務署から届きます。
これでも返済しないと差押えになります。
この差押えを解除しないと、任意売却はできません。
差押えになっている場合は、時間的に余裕があまりないため、対応を早急に行うことが必要です。
何も対応しなければ、返済するつもりがないと見られて、任意売却をすることができないため注意しましょう。

住宅ローンの返済ができないだけでなく、しかも社会保険料も納付していない

この場合は、住宅ローンを滞納した場合と同様で、差押えの対象に社会保険料もなります。
そのため、差押えを解除しないと任意売却はできません。

住宅ローン完済しているが、別の借入が返済できなくて、自宅が差押えされた

この場合は、差押えの要因の借入の内容によっても違ってきますが、競売に最終的になります。
しかし、この場合は任意売却ができるため早目に対応しましょう。

自宅を担保にして事業用資金を借りていたが、返済ができなくなった

この場合は、住宅ローンを滞納した場合と同様で、返済ができなくなれば担保の自宅を処理するために競売になります。
住宅ローンの場合は、一般的に、期限の利益が滞納が6ヶ月になると無くなって競売になります。
しかし、事業性資金を借りていた場合は、一般的に期限の利益が3ヶ月で無くなるため余裕がありません。
そのため、事業性資金の場合は、特に至急対応する必要があります。

他の人の借金の保証人になって、自宅を売るように債権者から言われている

この場合は、住宅ローンを除いた債務がトータルで5000万円以下であれば、個人民事再生が使用できる場合があります。
自宅は個人民事再生を使用して守れるかもしれないため、すぐに対応しましょう。
何もしなければ、競売になって自宅も守れなくなります。

ローンが返済できなくなって、親戚に自宅を売った

この場合は、ローンを返済しなくても、自宅が守れる場合があります。
親戚に自宅を売っても、自宅にそのまま住み続けられます。
親戚の場合は、お金を融資することはできません。

しかし、自宅を買うというスタイルであれば融資してもいいということになって、親戚に無事に自宅を売ることができます。
また、自宅にそのまま住み続けられるため、再度生活を立て直す目処が立てられます。

ローンの返済が生命保険の解約返戻金でできた

この場合は、今後ローンの返済ができないということでしたが、資産の中味を確認した結果、約300万円ほど生命保険の解約返戻金がありました。
債務者は、生命保険の解約返戻金があることを把握していなかったようです。

多くこのようなケースはありますが、任意売却する前に必ず資産の中味について確認する必要があります。
この場合も、何とか生命保険の解約返戻金で返済が続けられ、自宅を売らなくて済みました。

住宅ローンの返済条件を変えることによって自宅を売らなくて済んだ

住宅ローンの返済が難しい状態になれば、まず金融機関に返済条件を変えることを依頼するようにしましょう。
住宅ローンの場合は、元金と利息をトータルした金額が、毎月の返済額になります。

しかし、元金については、減額、あるいは据え置きができる場合があります。
この場合は、住宅ローンの返済能力をチェックした結果、現在の返済条件である毎月15万円は返済することができませんでしたが、毎月8万円であれば返済できるということになりました。
そのため、金融機関にすぐにお願いした結果、住宅ローンの元金を半年間ほど据え置きしてくれるようになって、自宅を当面は売らなくて済みました。
ここでは、ケーススタディとして、住宅ローンを実際に滞納して任意売却するケースと対応策についてご紹介しました。
もし、自宅を任意売却したいと思っている場合は、このようなケーススタディを参考にしましょう。

また、住宅ローンの返済が滞納したなどのトラブルで困った場合は、まず近くの弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば、このようなトラブルについて丁寧に相談にのってくれます。

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